

繰り返すぎっくり腰から、腰を気にせず過ごせる日常へ
10年以上前から慢性的な腰痛に悩まされ、常に腰に痛みや違和感を抱えながら生活をしていた。さらに、これまで何度もぎっくり腰を繰り返しており、そのたびに強い痛みに悩まされていた。
仕事はデスクワークが中心で、長時間座っていることも多く、「運動不足が原因なのかもしれない」と考えていた。少しでも腰の状態を良くしたいという思いから、もみほぐしやストレッチなど、これまでさまざまな方法を試してきた。
施術を受けることで一時的に身体が楽になることはあっても、しばらくすると再び腰の痛みや違和感が現れ、ぎっくり腰も繰り返していた。
「この腰痛とは、これからもずっと付き合っていくしかないのだろうか」
そう思う一方で、その場しのぎではなく、身体の状態を根本から見直す方法はないかと探し続けていた。
そんな中、YouTubeでカイロプラクティックの動画を目にした。
その後、自分が通える範囲でカイロプラクティックを受けられる場所を探していたところ、当院のホームページを見つけた。
「長年繰り返してきた腰痛やぎっくり腰を、今度こそ根本から見直したい」
その思いから、カイロプラクティックケアを受けることを決意し、当院への来院に至った。
胸腰移行部の浮腫感
背部から腰部にかけての起立筋の過緊張
左仙腸関節の可動制限
初診時の検査では、左仙腸関節の可動制限、腰部起立筋の過緊張、左後頭下筋および乳様突起から胸鎖乳突筋部にかけての過緊張が確認された。
体表温度検査では、仙骨・腰椎・下部胸椎、上下頸椎において、左右の温度差が確認された。
レントゲン評価では、腰椎側面像においてもD3レベルと椎間板への負担がかかり続けてる状態であると確認された。
これらの検査所見から、初期集中期では週1回のカイロプラクティックケアを提案し、週1回のケアから開始した。
2週目(2回目のアジャストメント)
右仙腸関節周囲の浮腫や可動制限はまだ確認されたもの、前回からの様子を聞くと、仰向けに寝ていても気になっていた腰の痛みを感じなく過ごせていたという事であった。腰はまだ痛みがあるが身体の変化を感じていただけていた。
9週目(8回目のアジャストメント)
継続的に骨盤部のアジャストメントを継続することで左仙腸関節部の浮腫感、可動制限も軽減して日常生活動作において腰痛の痛みはほぼ消失し不安もなくいなってきた。日常生活での痛みもほぼ気にならなくなり、良好な経過のため2週間に1回のケアに変更した。
20週目(15回目のアジャストメント)
左仙腸関節周囲にみられていた浮腫および可動制限は、ほとんど確認されなくなった。日常生活での痛みもほぼ気にならなくなり、良好な経過のため1か月に1回のケアに変更した。
今回のケースで重要なのは、なぜ10年以上にわたり腰痛が改善せず、ぎっくり腰を繰り返していたのかという点である。
これまで、もみほぐしやストレッチなどさまざまな方法を試してきたものの、一時的に症状が軽減することはあっても、十分な改善には至らなかった。その背景には、痛みを感じている筋肉や関節だけではなく、身体に負担をかけ続ける根本的な問題が長期間残存していた可能性が考えられる。
検査では、特に身体の土台となる骨盤部にサブラクセーション(身体の正常な神経機能を妨げる状態)が確認された。
骨盤は脊柱全体を支える土台であり、その機能に問題がある状態が長期間続くことで、腰椎や椎間板、周囲の筋肉や関節に偏った負担がかかり続ける可能性がある。今回のケースでは、こうした状態が長期化したことが、10年以上続いた慢性的な腰痛や、繰り返すぎっくり腰に関係していた可能性が考えられた。
そこで、検査によってサブラクセーションの状態を継続的に評価し、特に土台となる骨盤部を重点ににアジャストメントを行った。
ケアを継続するにつれて、左仙腸関節周囲の浮腫や仙腸関節の可動性に変化がみられるようになった。それに伴い、腰部の筋緊張や不安定感にも変化が現れ、長年続いていた腰痛も徐々に軽減していった。
今回の症例を通して、10年以上続く慢性的な症状であっても、症状が現れている部位だけに目を向けるのではなく、その背景にある神経機能の状態を評価することの重要性を改めて感じた。サブラクセーションを取り除き、神経系の働きを整えることで、身体が本来持つ適応力や回復力を最大限に発揮できる環境を整えていくことの大切さを示す症例であった。


執筆者ルミナカイロプラクティック北野 大輔