女性アスリートの月経と健康|脳・ホルモン・神経系から考えるカイロプラクティック
女性アスリートの月経と健康脳・ホルモン・神経系から考えるカイロプラクティック

この記事を書いたカイロプラクター中島 恵前田カイロプラクティック藤沢院(神奈川・藤沢)相談する↓
この記事でわかること
- 01月経周期は脳と卵巣の連携によって調整されている
- 02脳と身体をつなぐ神経系に着目するカイロプラクティック
- 03自分の身体を知ることから、健康と競技生活を考える
女性アスリートにとって、月経は単なる生理現象ではありません。身体の健康状態や、日々のコンディショニングを考えるうえで、大切な情報の一つです。
競技に打ち込む中で、月経周期が不規則になったり、月経が止まったりすることがあります。こうした変化は、練習量や精神的な負担だけでなく、運動によるエネルギー消費に対して食事からの摂取が不足していることなども関係しています。エネルギー不足が続くと、月経機能だけでなく、骨の健康や代謝、免疫機能など、身体のさまざまな働きに影響する可能性があります。
月経周期は、脳にある視床下部や下垂体と卵巣が連携することで調整されています。そのため、女性の身体の働きを理解するには、女性ホルモンだけでなく、それらの分泌を調整する脳の仕組みを知ることも重要です。
カイロプラクティックは、脳と身体をつなぐ神経系に着目する専門分野です。身体から脳へ送られる情報と、脳から全身へ伝えられる指令という双方向の関係を重視し、サブラクセーションやアジャストメントを通じて、身体が本来備えている自然治癒力が最大限に働くことを目指しています。
ただし、月経異常やエネルギー不足に伴う健康問題には医学的な評価や栄養面のサポートが必要です。カイロプラクティックの専門性と医療・スポーツ医学それぞれの役割を理解することも女性アスリートの健康を考えるうえで大切です。
今回の記事では、女性アスリートの月経と健康の関係について脳・ホルモン・神経系のつながりを掘り下げながら、カイロプラクティックがどのような視点で身体を捉えているのかを考えていきます。
01月経周期は脳と卵巣の連携によって調整されている
月経は、子宮だけで起こる現象ではありません。その周期は、脳にある視床下部と下垂体、そして卵巣が連携することで調整されています。この仕組みは「視床下部―下垂体―卵巣系(HPO軸)」と呼ばれ、女性ホルモンの分泌や排卵、月経に深く関わっています。
まず、脳の視床下部から「GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)」が分泌されると、下垂体に働きかけ、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の分泌が促されます。これらのホルモンの働きによって、卵巣では卵胞が成長し、エストロゲンの分泌が増えていきます。
その後、LHが急激に増加することで排卵が起こります。排卵後には卵胞が黄体へと変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。妊娠が成立しなければ黄体の働きが低下し、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少します。その結果、子宮内膜が剥がれ落ち、月経として体外へ排出されます。
このように、月経周期は脳からのホルモン分泌の指令と卵巣からのホルモンの働きが連動することで成り立っています。つまり、月経の状態を理解するには子宮や卵巣だけでなくそれらの働きを調整する脳の仕組みを知ることも重要です。
女性アスリートの場合、この仕組みに影響する要因の一つに運動量に対して食事からのエネルギー摂取が不足する「利用可能エネルギー不足」があります。練習や試合で多くのエネルギーを消費しているにもかかわらず、食事から十分なエネルギーを補給できない状態が続くと身体は生命維持に必要な機能を優先するようになります。その過程で視床下部からのホルモン分泌のリズムが乱れ、排卵や月経に影響が及ぶことがあります。
こうしたエネルギー不足が長期化し、身体のさまざまな機能に不調が生じる状態は「RED-S(スポーツにおける相対的エネルギー不足)」と呼ばれています。影響は月経機能だけにとどまらず骨の健康、代謝、免疫機能などにも及ぶ可能性があり、疲労骨折やコンディションの低下にも関係します。
月経周期の変化は、競技生活の中で見過ごされやすいものです。しかし、月経が不規則になる以前より間隔が長くなる、あるいは月経が止まるといった変化は、身体に必要なエネルギーが不足している可能性を示すサインの一つです。月経が3か月以上ない場合や周期の乱れが続く場合には、競技の影響と決めつけず、婦人科やスポーツ医学の専門家による評価が必要です。
月経は毎月訪れる生理現象であると同時に、身体の内側で起きている変化を知るための手がかりでもあります。女性アスリートの健康を考えるうえでは月経の有無だけでなくその周期や変化にも目を向けることが大切です。
02脳と身体をつなぐ神経系に着目するカイロプラクティック
カイロプラクティックは、脳と身体をつなぐ神経系に着目する専門分野です。
私たちの身体では、脳から全身へ指令が送られる一方で筋肉や関節など身体の各部からも情報が神経を通じて脳へ伝えられています。こうした双方向の情報伝達によって身体は周囲の環境や日々の活動に応じて働きを調整しています。
カイロプラクティックでは、神経系と身体の関係を考えるうえでサブラクセーションを重視し必要なアジャストメントを行います。
その目的は、身体が本来備えている自然治癒力が最大限に働くことです。人間の身体には、自らの状態を維持し、損傷した組織を修復しようとする働きが備わっています。カイロプラクティックはこうした身体本来の力を大切にしています。
女性アスリートの健康についても月経や女性ホルモンだけに目を向けるのではなく、身体全体の働きを理解する視点が重要です。月経不順や無月経、エネルギー不足が疑われる場合には、医療機関での評価や栄養面のサポートが必要です。
03自分の身体を知ることから、健康と競技生活を考える
女性アスリートにとって月経周期や身体の変化は、日々のコンディションを知るための大切な手がかりです。月経の有無や周期だけでなく、疲労の残り方、睡眠、食欲、体重の変化などにも目を向けることで普段は見過ごしてしまいがちな身体のサインに気づくことがあります。
例えば、月経が止まっている状態を「練習量が多いから仕方がない」と捉えてしまうと、エネルギー不足や骨の健康に関わる問題を見過ごす可能性があります。競技を続けることを優先するあまり、身体の変化を当たり前にしていないか。そうした視点を持つことも、長く競技を続けていくうえで大切です。気になる変化が続く場合には、婦人科やスポーツ医学の専門家による評価を受けることも必要です。
また、健康は競技中の身体の状態だけで決まるものではありません。食事や睡眠、休息、日々の生活環境などさまざまな要素が関係しています。自分の身体にどのような変化が起きているのかを理解することは、今の自分に必要なケアやサポートを考えるきっかけになります。
シオカワグループが大切にしている「インサイドアウト健康文化」も、自分の身体について知り、その働きや可能性を理解することを大切にしています。身体の状態を正しく知ることは、誰かにすべてを任せることでも自分だけで問題を解決することでもありません。必要な知識を得て、専門家のサポートも活用しながら、自分に合った健康との向き合い方を見つけていくことです。
競技で目指す目標やその日の結果に意識が向きやすいからこそ、身体が発している小さな変化にも目を向けることには意味があります。月経や身体の状態を知ることは競技生活を考えるだけでなく、競技を終えた後も続いていく人生の健康を考えることにつながっています。
この悩みに関連する症例
シオカワグループの院に掲載されている、実際の症例です。
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。
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執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。


