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原因不明の自律神経の乱れ(頭痛、全身倦怠感、不眠、めまい、呼吸のしにくさ)

原因不明の自律神経の乱れ(頭痛、全身倦怠感、不眠、めまい、呼吸のしにくさ)

「もう前のような生活には戻れないと諦めかけていましたが、ここまで回復できて本当に驚いています!」

40代女性
主訴
不定愁訴(頭痛、不眠、めまい、生理痛、呼吸がしにくい、全身倦怠感)によってベッドから起きれない
来院に至った経緯

40代・事務職の女性。元々あごの関節(顎関節症)に悩まされており、あご周辺の違和感や不快感、痛みを感じる日々が続いていた。状態が悪い日にはその痛みが頭部まで波及することもあったが、持ち前の我慢強さから無理を重ね、ハードな業務を継続していた。

そんな中、職場で一時的に業務量が激増。休養を取らずに過酷な勤務を続けた結果、ついに体調を崩して倒れてしまう。この出来事を境に体幹の不調が一気に悪化し、やむなく退職を選択せざるを得なくなった。

出現していた主な症状は、頭痛、激しい全身倦怠感、睡眠障害、めまいなどに加え、息が吸いにくい感覚や「このまま息ができなくなるのではないか」という強い不安感であった。これらの症状により、自力でベッドから起き上がることすら困難な状態に陥った。

必死の思いで病院を受診したものの明確な病名はつかず、精神科の検査でも特段の異常は見当たらないと診断された。結局は抗不安薬などを処方され、薬でなんとか症状を抑え込む日々が続いた。

心身のリラックスを図ろうとアロマセラピーやエステサロンにも足を運んだが改善には至らず、藁にもすがる思いで試した一般的な整体でも変化は見られなかった。

日常の当たり前の生活すら送れなくなり、精神的にも極限まで追い詰められ、「いっそ死んでしまった方が楽になれるのではないか」とまで追い詰められていた。医療機関でも原因が特定できず、民間療法も効果がないため、完全に手段を失ったと絶望を感じていた。

そのような状況の中、ご家族が塩川先生のYouTube動画を目にし、このような施術アプローチが有効なのではないかとカイロプラクティックの情報を調べ始めた。しかし銀座の院へ通院するには距離があったため、シオカワグループのウェブサイトを確認したところ、大宮の当院であれば通院が可能だと判断し、ご来院いただく運びとなった。

初診の状態
  • 01

    後頭部から頸部、肩回りにかけて見られた著しい筋肉の緊張

  • 02

    胸椎中部エリアの広範囲にわたる強い浮腫(むくみ)の確認

経過と内容

2週目(5回目のアジャストメント)

後頭部の強いこわばりが和らぎはじめ、首から肩にかけての筋緊張も弛緩傾向を示した。また仙骨周辺に見られた浮腫も減少へと向かう。

患者様本人からも「以前は気分転換の散歩すらする気が起きなかったが、少しずつ外を歩いてみようという意欲が戻ってきた」との変化が報告された。

4週目(9回目のアジャストメント)

後頭部から首・肩にかけての筋肉の強張りは一段と落ち着きを見せた。背部の熱感も緩和し、中部胸椎における皮膚の質感・状態も安定。仙骨部の浮腫もさらに軽減した。

体表温度測定器(ナーボスコープ)による検査でも、神経の炎症反応を示す数値の低下を確認。

患者様からは「気力や体力が少しずつ戻ってくるのを感じる。家事などの立位作業を行っても、以前のように倒れ込むように横になることがなくなった」とのコメントを得た。この時期には、1日40分ほどの散歩を楽しめるようになり、表情にも明るさが戻ってきた。

10週目(11回目のアジャストメント)

夜間に十分な睡眠が得られるようになり、苦しんでいた頭痛は完全に消失。また、慢性的に続いていた胸の圧迫感や息苦しさが抜け、胸がすっきりとして呼吸が非常に楽になったと実感される。

この段階では外出して買い物をこなせるまでに回復し、発症前の日常生活を取り戻しつつあった。社会復帰に向けた準備を少しずつ進めたいと、笑顔でお話しされていた。

※現在は無事に社会復帰を果たされており、再発の防止および一層の健康維持・増進を目的として、定期的なカイロプラクティックケアを継続されている。


考察

本症例において、重度の不定愁訴により離床が困難となり外出不能にまで至った主因は、末梢神経の炎症反応、ひいては脳領域における神経炎症および自律神経系の機能障害にあったと考えられる。

まず、第3仙骨孔付近において体表温度測定器(ナーボスコープ)により異常な温度差が検出され、同時に浮腫液の貯留が確認されたことは、末梢神経部に炎症が存在することを示す客観的な所見である。さらに、中部胸椎領域に見られた熱感は、交感神経幹ならびに交感神経節になんらかの機能不全が生じていた可能性を示唆している。

加えて、第1頸椎(C1)の回旋変位(サブラクセーション)によって、迷走神経に対する物理的な伸長刺激が誘発される病態は先行研究でも示されており、本症例の病態とも合致する。迷走神経へこのような物理的ストレスが加わることで脳幹領域へ影響が及ぶメカニズムについては、直接的な裏付けとなるデータはまだ限られているものの、臨床的な病態推論として非常に整合性が高い仮説と言える。

総括すると本症例は、仙骨部および第1頸椎における末梢神経干渉に起因する副交感神経の機能低下、ならびに迷走神経と脳幹部への機械的ストレスが長期化したことによる脳領域への過剰な刺激が複合的に作用し、慢性疲労症候群をはじめとする多岐にわたる不定愁訴へと進行した結果と考えられる。

このように複雑かつ多角的な発症プロセスをたどった病態であったが、ガンステッドシステムが誇る5つのクライテリア(評価基準)に基づいて真の根本原因(サブラクセーション)を正確に特定し、的確にアプローチを施すことの重要性を改めて実感させる、極めて臨床的価値の高い症例である。

参考文献

  • Anatomical survey of the myodural bridge in the suboccipital region

  • Cervicovagopathy: ligamentous cervical instability and dysstructure as a potential etiology for vagus nerve dysfunction

  • Beyond Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome: Redefining an Illness

  • file:///Users/hosoiyasutaka/Downloads/19012.pdf

細井 康隆

執筆者細井カイロプラクティック細井 康隆

埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。

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