

長年繰り返す不調から、身体が本来持つ働きを見直したカイロプラクティック・ケア
5年ほど前から、慢性的な腰痛や首の痛み、肩こりに悩まされるようになり、次第に頭痛も頻繁に起こるようになった。気づけば、ほぼ毎日のように頭痛を感じる状態が続いていた。
また、夜になってもなかなか寝つくことができず、眠れても翌朝に疲れが残ることが多かった。疲れやすさや貧血なども重なり、「どこか一つが悪い」というよりも、身体全体の調子がすぐれない状態が日常となっていた。
身体のつらさを感じるたびにケアを受けていたものの、そのときは楽になっても、時間が経つと腰痛や肩こり、頭痛などが再び現れる。そのような状態を何度も繰り返していた。
一方で、「もう一人、子どもを授かりたい」という希望があり、婦人科に通いながら不妊治療を続けていた。
しかし、不妊治療を続ける中で、腰痛や肩こり、頭痛、不眠など、さまざまな不調を抱えている自分の身体にも目を向けるようになった。
「妊娠のことだけを考えるのではなく、まずは自分の身体そのものを見直した方がいいのではないか」
そう考えるようになり、身体を根本から見直す方法を探していたところ、当院のホームページを通じてカイロプラクティックを知った。
症状だけではなく、身体全体の状態や神経の働きに着目するという考え方に関心を持ち、「一度、自分の身体をきちんと診てもらいたい」と考え、当院への来院を決意された。
右乳様突起部のスポンジ状の浮腫
右仙腸関節部の可動制限
右仙腸関節部の浮腫
初診時、第一頸椎および右仙腸関節周辺に浮腫がみられ、関節の可動域にも制限が確認された。
また、レントゲン画像では、腰椎椎間板にはD3レベルの変性所見が確認された。
椎間板の変性レベルを考慮し、当初は週2回のケアを提案したが、遠方からの来院と本人の希望を踏まえ、週1回の頻度からカイロプラクティック・ケアを開始した。
4週目(4回目の施術)
右乳様突起部の浮腫感、可動制限が軽減してきて、首の痛みや肩こりの症状も軽減傾向がみられ、来院前にはほぼ毎日のように感じていた頭痛も、週2〜3回程度まで頻度が減少した。
腰痛についても徐々に痛みの程度が軽くなり、以前と比べて、日常生活の中で腰を気にすることが少なくなってきた。
9週目(9回目の施術)
当初顕著であった浮腫感、上部頸椎、仙腸関節部可動制限も軽減が見られ、腰痛は、日常生活ではほとんど気にならない程度まで軽減した。
慢性的に感じていた肩こりにも変化がみられ、頭痛の頻度もさらに減少した。本人からも「以前より身体が楽になってきた」と、身体の変化を実感する言葉が聞かれるようになった。
日常生活に支障を感じていた症状が大きく軽減してきたことから、身体の状態を確認しながら、ケアの頻度を2週間に1回へと移行した。
15週目(12回目の施術)
日常生活で感じていた腰痛、肩こり、頭痛は、ほとんど気にならない状態となった。不眠についても、初回来院時と比較して寝つきに改善傾向がみられた。一方で、まだ寝つきの悪さを感じることがあるとのことであったため、引き続き身体の状態を確認しながらケアを継続した。
25週目(17回目の施術)
日常生活で感じていた身体の不調はほとんど気にならなくなり、不眠についても改善傾向がみられた。
その後、患者様の都合により予約のキャンセルがあり、カイロプラクティック・ケアは一旦中断となった。
しばらく来院が途絶えていたが、約1年後に再び予約が入った。再来院された際、患者様は赤ちゃんを抱いて来院された。
現在も出産後の育児による身体への負担に対するメンテナンスを目的として、再びカイロプラクティック・ケアを継続されている。
今回のケースでは、腰痛、肩こり、頭痛、不眠など複数の症状がみられ、その背景には、骨盤や背骨への慢性的な負担に加え、自律神経を含めた神経系の働きが関係していた可能性が考えられる。
初診時には、右仙腸関節周辺の浮腫および可動制限が確認され、レントゲン画像では腰椎にD3レベルの変性所見がみられた。骨盤部のサブラクセーション(身体の正常な神経機能を妨げる状態)が長期間存在していたことで、腰椎や椎間板、周囲の筋肉や関節にかかる負担が偏り、慢性的な腰痛や身体の不調につながっていた可能性がある。
また、頭痛や寝つきの悪さについては、日中に高まった交感神経の働きから休息時の状態への切り替えが十分に行われず、自律神経のバランスが乱れていたことも一つの要因として考えられる。
さらに、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、脳と卵巣の情報伝達によって調節されており、妊娠に関わる身体の機能を考えるうえでも、神経系と内分泌系の連携は重要である。
定期的なカイロプラクティック・ケアを継続する中で、腰痛、肩こり、頭痛、不眠などの症状には段階的な変化がみられた。その後、ケアは一旦中断となったが、約1年後、患者様は出産を経て赤ちゃんを抱いて再来院された。
本症例は、個々の症状だけに着目するのではなく、骨盤や背骨の状態、さらに神経系を含めた身体全体の状態を評価し、神経機能が適切に働く環境を整えていくことが、妊活を含めた身体の健康を考えるうえで重要であると、改めて考えさせられる症例であった。


執筆者ルミナカイロプラクティック北野 大輔