1人の想いだけでは、インサイドアウト健康文化にはたどり着かない
一人の思想では、文化は生まれない
これまで私たちは、健康をどう捉えるか、体とどう向き合うか、その「考え方」について話してきました。
・内側を信じるという視点。
・体は育ち、整っていくという感覚。
・管理よりも、信頼を土台にする生き方。
どれも、とても大切なものです。けれど、ここで一つ、どうしても向き合わなければならない現実があります。
どれほど正しく、どれほど深い思想であっても、一人の中だけでは、文化にはならないということです。
点の理解は、やがて消えていく
一人で気づいたこと。
一人でたどり着いた答え。
それらは、とても尊いものです。人生を変えるほどの力を持つこともあります。
しかし、その多くは、その人の人生と共に終わってしまいます。
なぜなら、文化とは「理解」ではなく、共有され、繰り返され、引き継がれるものだからです。
どれほど美しい考え方でも、一度きりで終わるなら、それは点のまま消えていきます。
文化とは、点が線になり、線が重なり、やがて面になることで生まれます。
文化には「場」が必要だった
文化が育つために、欠かせないものがあります。
それは、「場」です。
同じ価値観が語られ、同じ言葉が使われ、同じ在り方が自然に選ばれていく場。
そこでは、誰かが声高に主張しなくても、空気として伝わっていきます。
人は、説明されて変わるよりも、その場に身を置くことで変わるからです。
インサイドアウト健康文化も、同じです。
本や文章だけでは、どうしても伝えきれない部分があります。体感し、感じ取り、繰り返し触れることで、少しずつ「当たり前」になっていく。
そのためには、個人ではなく、場として存在することが必要でした。
継続と再現性がなければ、文化にはならない
もう一つ、文化に欠かせない条件があります。それは、継続できることと再現できることです。
特別な人にしかできない。限られた状況でしか成り立たない。それでは、文化として広がることはありません。
- ・誰が関わっても、同じ方向性に戻ってこられること。
- ・迷ったときに、立ち返る基準があること。
インサイドアウト健康文化が「感覚的な話」で終わらず、日常の中で息づくためには、この再現性が必要でした。
文化には「母体」が必要である
文化は、自然発生的に生まれるようでいて、実はとても繊細なものです。支える土台がなければ、簡単に薄れてしまいます。
だからこそ、文化には「母体」が必要です。価値観を守り、育て、次へと手渡していく存在。
インサイドアウト健康文化も、例外ではありません。
- 一人ひとりの実践を、点で終わらせないために。
- 気づきが、偶然で終わらないために。
受け止め、育て、広げていく器がどうしても必要でした。
最後に
文化は、強い思想から生まれるのではありません。続けられる場から生まれます。
正しさよりも、揃った在り方。
声の大きさよりも、静かな積み重ね。
インサイドアウト健康文化がここから「数の力」を語り始めるのは、この文化を、一人の理想で終わらせたくないからです。

執筆者塩川カイロプラクティック塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。