直接肌に触れて検査する理由:カイロプラクティックの視点から
カイロプラクティックのアプローチでは、腰痛やその他の体調不良の根本原因を見つけるために、単なる骨の問題にとどまらず、神経伝達や脊椎の機能に注目します。私たちが目指しているのは、脊椎の神経伝達に影響を及ぼすサブラクセーションを特定し、取り除くことです。
5つの検査で全体的に判断
当グループでは、以下の5つの検査を行い、総合的に状態を判断します。
・体表温度測定
・視診
・静的触診
・動的触診
・レントゲン評価
これらの検査を通じて、体の内外の情報を把握しますが、その中でも「肌に直接触れて検査する」ことには特別な意義があります。肌の状態からは、サブラクセーションの兆候やその他の体調不良が見て取れるからです。
肌から読み取る体のサイン
1. 皮膚の色や発赤
皮膚が赤くなっている場合、血流が増加していることを示し、体が損傷や炎症に対処していることがあります。逆に、発赤がホルモンバランスや体内毒素の影響である場合もあります。このため、甲状腺や腎臓、肝臓などの臓器に関わる神経の状態を確認することが大切です。
2. 斑点や色の変化
茶色や白色の斑点は、代謝異常や長期間の血流不良を示す場合があります。これが慢性的なサブラクセーションによるものであることも考えられます。
3. 体毛の変化
体毛は体の重要な部分や弱い場所を保護します。背骨周囲の体毛が変化する場合、その部位の耐久性が低下している可能性があります。例えば、腰周囲の体毛の変化は、病理的な状態があるかもしれません。
4. 腫脹や浮腫
腫脹や浮腫は、組織の修復過程でよく見られます。背骨の椎間板が損傷した場合や、慢性的な神経供給の減少によっても浮腫が現れます。
5. 肌の質感
正常な肌はスムーズで滑らかですが、部分的に張り付くような質感は急性の問題を示し、カサカサして乾燥している場合は慢性的な問題が考えられます。
直接触れる重要性
これらの情報を得るために、私たちは患者様の肌を直接触れて確認することが必要です。体表温度やレントゲンだけでは見逃してしまう微細な変化や情報が、肌の状態からは読み取れるのです。このアプローチにより、より正確で総合的な診断が可能になります。
最後に
健康は一生の付き合いです。腰痛やデスクワークによる体の不調に悩んでいる方は、自分の体の状態に敏感になり、カイロプラクティックの検査やケアを受けることで、健康的な生活をサポートすることができます。肌からのサインを見逃さず、体の声に耳を傾けていきましょう。
執筆者塩川カイロプラクティック治療室金城 寿生
1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティック治療室に入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。