体の内側に意識が向けられた時に健康の在り方が変わる
不調を感じたとき、私たちは体を「敵」にしてしまう
体に痛みが出たとき、不調を感じたとき、多くの人は無意識にこう思います。
「どこが悪いのだろう」「壊れてしまったのではないか」「早く取り除かなければ」
その瞬間、体は“直すべき対象”となり、ときに“敵”のように扱われてしまいます。
しかし、インサイドアウト健康文化の視点に立つと、この捉え方は大きく変わります。
体は、あなたに逆らっているのではありません。むしろ、必死にあなたを守ろうとしている存在なのです。
症状は、体からのメッセージである
体は言葉を持ちません。けれど、沈黙しているわけでもありません。
疲労、違和感、痛み、緊張。
それらはすべて、体が「今の状態」を伝えるために発しているサインです。
それは、罰でも失敗でも敵意でもありません。体が調整しようとしている“働きの結果”なのです。
熱が出るのは、体が外敵に対処しているから。
痛みが出るのは、無理を止めさせようとしているから。
そこには一貫して、「守る」「保つ」「回復させる」という方向性があります。
体は、常にあなたの側に立っています。
それでも、私たちが体を信じられなくなった理由
それほどまでに賢い体なのに、なぜ私たちは体を信じられなくなったのでしょうか。
理由はとてもシンプルです。
現代社会では、
・数値
・結果
・スピード
・コントロール
こうしたものが重視されてきました。
その中で、体の「プロセス」や「内側で起きている調整」は、見えにくく、評価されにくいものになっていきました。
気づけば私たちは、体の声よりも、外から与えられる基準を優先するようになったのです。
しかし、外側の基準が増えれば増えるほど、内側の感覚は鈍くなっていきます。
体が味方だと気づいた瞬間、関係は変わる
体を敵だと思えば、戦いが始まります。抑える、消す、我慢する。短期的にはうまくいくこともあるでしょう。
けれど、体を「味方」だと捉えた瞬間、選択は変わります。
・何を伝えようとしているのか
・どこに無理があったのか
・何を休ませる必要があるのか
こうした問いが、自然に生まれてきます。
それは、「治そうとする姿勢」から「聴こうとする姿勢」への転換です。
この姿勢の変化こそが、インサイドアウト健康文化の入り口なのです。
体を信じることは、甘えではない
体を信じるというと、「何もしないこと」「放っておくこと」だと誤解されることがあります。
しかし、それは違います。
体を信じるとは、体の働きを尊重し、回復のプロセスを邪魔しない選択をすることです。
必要なケアを受け、必要な休息をとり、必要な調整を重ねる。そこには、無責任さではなく、深い理解と信頼があります。
最後に
体は、あなたを困らせるために反応しているのではありません。
体は、あなたを守るために、今日も働き続けています。
それに気づかず、体を疑い、責め続けてきたのは、もしかすると私たち自身かもしれません。
インサイドアウト健康文化は、「何をするか」よりも前に、「どう向き合うか」を問いかけます。
体を敵にしないこと。
体の声を無視しないこと。

執筆者塩川カイロプラクティック塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。