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2025.09.30

カイロプラクティックと姿勢 ― 真っ直ぐが健康の条件ではない

カイロプラクティックと姿勢 ― 真っ直ぐが健康の条件ではない

カイロプラクティックというと、「背骨を真っ直ぐにするもの」「姿勢を良くするためのもの」と誤解されがちです。確かにケアの結果として姿勢が整うことはありますが、それは目的ではなく結果にすぎません。

カイロプラクティックが本当に目指しているのは、神経と脳の伝達を整え、身体が本来持っている治る力(自然治癒力)を最大限に発揮できるようにすることです。

背骨は真っ直ぐでなくても問題ない

人間の身体は本来、左右差を持っています。手足の長さや筋肉のつき方、姿勢の癖など、完全に左右対称の人はいません。したがって、脊柱が多少曲がっていても、それがすぐに「不健康」という意味ではありません。

大切なのは「背骨が真っ直ぐかどうか」ではなく、そこにサブラクセーション(神経伝達の異常)が存在するかどうかです。サブラクセーションがなければ、多少背骨が曲がっていても身体は十分に適応し、健康を保つことができます。

逆に、見た目に背骨が真っ直ぐで姿勢が良く見えても、サブラクセーションがあれば自然治癒力は妨げられ、不調や不具合につながります。

サブラクセーションと3つのストレス

サブラクセーションは、神経が身体的・化学的・精神的ストレスに適応しきれなくなったときに起こります。

  1. 身体的ストレス(転倒、ケガ、長時間の同姿勢など)
  2. 化学的ストレス(食事、薬、添加物、大気汚染、代謝産物など)
  3. 精神的ストレス(不安、心配、緊張など)

これら3つのストレスを完全に取り除くことは不可能です。

  • 世界中のバナナの皮を拾って転倒を防ぐことはできません。
  • 空気が汚れているからといって呼吸をやめることもできません。
  • 24時間患者さんと一緒にいたとしても、ストレスをすべて取り除くことはできません。

だからこそ、神経の流れを整え、ストレスに適応できる状態にしておくことが重要なのです。

もちろん、物質的な限界もあります。橋から落ちればサブラクセーションは起こりますし、有害物質を大量に摂取すれば健康を損ねます。だからこそ、日常的な調整=アジャストメントによって神経系を整えておくことが、健康を維持するうえで欠かせません。

姿勢は「結果」である

背骨の調整は、単に背筋を真っ直ぐにすることが目的ではなく、神経の流れを回復させる手段です。神経が正しく働けば、身体は自然とその人にとって最適な状態に整い、その結果として姿勢も改善されます。

つまり、姿勢の変化は「目的」ではなく、神経伝達が整った結果として現れるものなのです。

まとめ

  • 背骨は真っ直ぐでなくても健康でいられる
  • 姿勢が良く見えても、サブラクセーションがあれば問題は起こる
  • 3つのストレスは避けられないからこそ、神経系を整えて適応力を高めることが大切

カイロプラクティックの価値は、「背骨を真っ直ぐにすること」ではなく、自然治癒力を引き出し、日常をより快適に過ごせる身体へと導くことにあります。

 

金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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