
自律神経のバランスが整いPMSが改善した!
現在の仕事はデスクワークが中心で一日中座っていることが多い。体を動かすことが好きでアクティブな趣味を楽しんでいるものの、仕事の日は長時間同じ姿勢を続けるため、血行が悪くなっているのを実感することが増えてきた。
学生の頃は生理痛に悩まされることが多く、特にお腹の痛みが強かった。年齢を重ねるにつれて生理が始まる前から下腹部の違和感、締め付けられるような腹痛を感じるようになり、最近では生理痛による生理前のメンタルの不調にも悩まされるようになってきた。
生理前になると気分が落ち込みやすくなり、イライラや不安感も強くなることがあり、以前は生理中の痛みが一番の悩みであったが、今では生理前の体調変化のほうが気になることも増えてきた。
体を動かす時間をもっと大切にしながら生理前後の不調と向き合っていきたいという思いと、ワクチンの副作用が出たこともあり自分に合った方法をインターネットで検索していてカイロプラクティックを知り、来院に至る。
左仙腸関節の明らかな可動域制限、左脊柱起立筋の筋緊張
仙骨全体に広がる浮腫感
左上部頚椎部位での強い浮腫感
初診時の状態では、上部頚椎と骨盤には明らかな可動域制限と強い浮腫感、体表温度検査では明らかに左右の温度の誤差が確認された。
初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。
4週目(4回目のアジャストメント)には、いつも月経の10日前くらいから腹痛が発症していたが、腹痛はあるが期間が短くなった。仙骨翼の浮腫感の軽減を確認。
9週目(6回目のアジャストメント)には、仕事で長時間座っていることが多いが、腰の痛み、怠さが軽減していると話されていた。
13週目(8回目のアジャストメント)には、以前はお腹を締め付けられるような痛みで仕事に支障があったが、腹痛が緩和し仕事での影響はなくなってきている。腰部の脊柱起立筋の筋緊張も左側の筋緊張つ強く左右差があったが改善してきている。
現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。
今回のPMSは、自律神経の乱れたことが原因であったと考えられる。
PMSは、生理前に起こるさまざまな身体的・精神的症状の総称であり、特に腹痛は多くの女性が経験する代表的な症状の一つでもある。このPMSに伴う腹痛は、プロスタグランジン、女性ホルモン、そして自律神経の影響が複雑に絡み合っていると考えられる。
PMSの症状が現れる主な要因は、女性ホルモンの変動であるが、生理前の排卵後から月経開始までの期間(黄体期)にはエストロゲンとプロゲステロンのバランスが変化し、それに伴って体のさまざまな機能が影響を受ける。このホルモンの変動がプロスタグランジンの分泌量にも影響を与えるため腹痛が引き起こされる。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させる働きを持つホルモン様物質であるが、生理前や生理中にプロスタグランジンの分泌が増加すると子宮が過剰に収縮し、下腹部に強い痛みを引き起こす。さらにプロスタグランジンは子宮だけでなく腸の蠕動運動にも影響を及ぼすため、下痢や便秘といった症状もPMSと共に現れることもある。
エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れると、痛みを感じるレベルにも影響を与える。特にエストロゲンの急激な低下は、 痛みを抑える働きを持つβエンドルフィンの分泌を減少させる ため、PMSの腹痛を強く感じる原因となる。また、ホルモンバランスの乱れは血流の低下を引き起こし、子宮周辺の筋肉が硬くなることで痛みが増す可能性もある。
自律神経である交感神経と副交感神経は、女性ホルモンの調整に関与している。生理前にはホルモンバランスの影響で交感神経が優位になりやすく、血管が収縮し、血行不良を引き起こす。これにより子宮周辺の筋肉が硬直し、腹痛が悪化することがある。さらに交感神経が過剰に働くと、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増え、体が緊張状態になりやすくなり、その結果、子宮の収縮が強まりプロスタグランジンの影響を受けやすくなるため、より強い痛みを感じることにも繋がる。
生理前(黄体期)に 交感神経が優位になりやすい理由はエストロゲンとプロゲステロンの変動によって、特にプロゲステロンが関与しており、その影響で交感神経が活発になりやすくなる。黄体期では、排卵後に黄体が形成されプロゲステロン(黄体ホルモン) の分泌が増加する。このプロゲステロンは、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きを持つが、同時に基礎体温を上げる 体温を上げることで エネルギー消費が増加、血管を収縮させる働きがあるがこの結果、体が緊張状態になりやすくなり、交感神経が活発になりやすくなると考える。
生理前は エストロゲンの分泌が急激に低下する。エストロゲンには副交感神経を優位にする作用がある。しかし、生理前になるとエストロゲンが減少するため副交感神経の働きが低下し、結果として交感神経が優位になりやすくなる。
また、エストロゲンは脳内の セロトニンの分泌を促進する。生理前にエストロゲンが低下するとセロトニンも減少し、ストレス耐性が低下する。交感神経がより活発になり精神的にも不安定となりやすくなると考えられる。
生理前は、ホルモンの変動によって 精神的・肉体的ストレス を感じやすくなる。このストレスに対抗するため、副腎から コルチゾールが分泌される。コルチゾールの増加は交感神経をさらに活性化させ、心拍数の増加や血圧の上昇を引き起こす。その結果、緊張感や焦燥感が増し、生理前にイライラや不安を感じることが多くなる。
このように、自律神経のバランスが乱れることでホルモンの急激な変動がホルモンバランスに影響を与える。生理前に交感神経が優位になることで、イライラ、不安、冷え、頭痛、肩こり、腹痛などのPMS症状を引き起こしやすくなる。
アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、PMSの改善に繋がったと考えられる。
長年続いていたPMSで悩んでいたが、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。