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首が硬くてハマっていない気がする上に、顎関節に違和感がある

首が硬くてハマっていない気がする上に、顎関節に違和感がある

”首がいいところにハマった気がします”

カテゴリ: 肩こり関野 貴友
50代男性
主訴
首の硬さ,顎関節のズレ
来院に至った経緯

首の違和感を長年抱え、日常生活の中で不快感を感じることが多くなっていた。特に頚椎の歪みやズレが気になり、それが原因で首が常に硬く、スムーズに動かせないような感覚があった。デスクワークをしていると、首が正しい位置にハマっていないような違和感が強まり、作業に集中しづらくなることも多かった。首のこわばりがひどくなると、肩や背中まで張ってくるようになり、仕事が終わる頃には全身がどっと疲れるようになってしまった。

さらに、顎関節の動きにも違和感を覚え、首の状態と何か関係があるのではないかと感じていた。噛み合わせや口の開閉がスムーズにいかないことがあり、食事の際にもなんとなく顎が引っかかるような感覚があった。朝起きたときに顎が固まっているような気がすることもあり、寝ている間の姿勢や歯ぎしりの影響も考えたが、根本的な原因がわからずに困っていた。

この違和感をどうにかしたいと思い、インターネットやYouTubeでさまざまな施術方法を調べてみた。ストレッチやマッサージを試してみたものの、一時的には楽になるものの根本的な改善には至らず、違和感が再び戻ってしまう。そんな中で、カイロプラクティックの施術動画を見つけ、骨格の歪みを調整することで神経が回復し、身体の不調を改善できるという理論に納得感を覚えた。「これなら改善できるかもしれない」と直感的に思い、試してみようと来院を決意した。

また、「自分は頚椎の1番、3番がずれているのではないか」と様々な動画を見て感じ、それを相談したいとの要望もあった。

初診の状態
  • 01

    頸部全体の緊張が強いが不安定さがある状態

  • 02

    肩に力が入っている

  • 03

    右胸鎖乳突筋の過緊張

  • 04

    頚椎7番にスポンジ状の浮腫

  • 05

    脊柱起立筋の過緊張

経過と内容

腰椎側面像において、椎間板がD5とかなりの慢性具合が確認できるため、サブラクセーションが発生してから、かなりの時間が経過している。そのため、初期集中期として週に2〜3回のケアを推奨するも、仕事のスケジュールとの兼ね合いでまずは週に1回とし、ケアをスタートした。

4週目(4回目のアジャストメント)では、顎関節の動きが改善されてきた傾向にあるとのことであった。首の不安定さが落ち着いてきたと自覚している。実際、C4付近の過剰な可動域は少しずつ正常になってきていることが、確認できる。

21週目(21回目のアジャストメント)では、下部頚椎の動きがスムーズになってきており、ご自身の感覚的にもスムーズさが出ている。神経の圧迫も徐々に落ち着きを見せる。

39週目(33回目のアジャストメント)では、顎関節がしっかりはまった感じがするとのこと。第一頚椎のブレイクや可動域制限がこれまでで一番安定している。頚椎の可動域のバランスも落ち着いている。

最近は首や顎の違和感が解消されたため、トレーニングをしており、そのコンディションを整えるためにも1〜2週に1度メンテナンスを続けている。


考察

この方は、首の違和感や動かしにくさに加えて、あごの引っかかるような感覚や食事中の不快感を訴えて来院されました。ご本人は「首の1番と3番の骨がズレている気がする」と感じていたようですが、検査をしてみると、首の3番目の骨(C3)は逆に動きすぎていて、7番目の骨(C7)に動きの悪さ(固さ)がある状態でした。

これは、動かない部分をかばって別の場所が必要以上に動いてしまう、「代償的な動き」が起きていたと考えられます。

実際にアジャストメントしたのは、以下の3ヶ所です。

・骨盤の安定化
・首の7番目(C7)
・首の1番目(C1)

つまり、症状が出ていた首の3番目には直接触れず、動きが悪くなっていた部分(C7)を整えることで、過剰に動いていたC3が落ち着いていったという経過でした。このように、「神経の圧迫があり、かつ可動域が制限されている場所を整えることで、周りの負担が自然と減る」というのは、カイロプラクティックの基本的な考え方です。

また、首の1番目(C1)の調整が、あごの調子にも良い影響を与えたのが印象的でした。その理由として、いくつかの体のつながりが考えられます。

1.首の奥にある筋肉(後頭下筋)と、あごを動かす筋肉(咬筋や側頭筋)は、動きにおいて連携している

2.首の上の方には、あごや口の動きに関係する神経(例えば三叉神経など)が近くを通っている

3.猫背やストレートネックのような姿勢が、あごの関節や筋肉に悪影響を与えることがある

特に、「朝起きたときにあごがこわばっている」「ご飯を食べるときに引っかかる感じがする」といった症状は、寝ている間の姿勢や、無意識の食いしばり、ストレスによる筋肉の緊張が関係していると考えられます。

C1の調整によって、首の奥の筋肉の働きがよくなり、神経の働きもスムーズになったことで、あごの可動性が自然と回復していったのです。

この症例を通して改めて感じたのは、
あごの症状でも、「首の状態」を丁寧に見ることがとても大切
ということです。

特に、
・あごの痛みや違和感があるけれど、歯医者で異常が見つからない
・ストレートネックや姿勢の崩れを感じる
・朝や食事のときにあごがスムーズに動かない

といった方は、首の上の方(C1)や、首の動き、神経の圧迫など全体を整えることで改善する可能性があります。

体は一部分だけで働いているわけではなく、全体のバランスが連動しているということを、改めて実感できた症例でした。

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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