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6年前から続くじん麻疹および慢性的なかゆみ

6年前から続くじん麻疹および慢性的なかゆみ

糖尿病の数値も改善

60代男性
主訴
慢性じん麻疹
来院に至った経緯

6年前より突然、背中にかゆみを伴う蕁麻疹が出現。その後、症状は次第に広がり、現在は特に大腿部のかゆみが最も強く、日常生活に支障をきたしている。夜間、就寝後2時間ほどで強いかゆみにより起きてしまい十分な睡眠を確保できていない状況が続いていた。

これまでに複数の医療機関を受診し、血液検査やアレルギー検査などを行ったが明らかな異常は指摘されなかった。原因の特定を試みるため、食生活の見直しや歯科治療(葉の金属除去)を実施したが、症状の改善は認められなかった。

20年前に心筋梗塞、10年前に糖尿病を発症し健康には注意を払っていたが、長年にわたり原因不明のかゆみに悩まされており、これまでの対策では改善がみられないため悩んでいた。そんな中でYouTubeを見てカイロプラクティックを知り来院された。

初診の状態
  • 01

    下部頚椎に浮腫感

  • 02

    右仙骨翼の浮腫感

  • 03

    腰部脊柱起立筋の筋緊

経過と内容

初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部頚椎、胸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。またC7周辺と右仙骨翼に強い浮腫が確認された。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の都合で週1回のペースからケアを開始した。

5週目(5回目のアジャストメント)には、体表温度検査時の肌が赤くなりやすかったが、レスト後には赤みが薄くなり変化がみられた。

10週目(8回目のアジャストメント)には、ナーボスコープの痕の範囲が初回は下部頚椎から中部胸椎までと反応がみられていたが中部胸椎には見られず範囲は狭くなりさらに消えやすくなった。 骨盤、腰部脊柱起立筋の筋緊張も改善していた。

14週目(9回目のアジャストメント)には、体表温度検査時に肌が赤くなりやすかったが、下部頚椎から上部胸椎までと範囲が狭くなり、赤みも消えやすくなった。大腿部はかゆみが出るとアイシングして治めてきていたが、かゆにはほぼ出なくなった。糖尿病の定期的検査では HbA1cの数値が下がっていて薬を1.5以上減薬できたと話されていた 。

21週目(12回目のアジャストメント)には、かゆみは自宅で缶酎ハイを飲んだ時に一時かゆみが出たが、それ以外ほぼ気にならない状態。蕁麻疹は上部胸椎にみられたがかゆみもなく、範囲も狭くなってきている。

現在は症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回の強いかゆみを伴った蕁麻疹は、自律神経のバランスが乱れたことが原因と考えられた。

蕁麻疹は、皮膚に突然あらわれる赤みやかゆみを伴う発疹で、多くの人が経験する症状でもある。アレルギー反応やストレス、食事、気温の変化などの要因で引き起こされます。特に慢性的なじんましんは、明確なアレルゲンが特定できないことが多く、体の内部バランスの乱れが関係している可能性があると考えられ、その原因は多岐に渡るが、自律神経の乱れが深く関与していることが分かっている。

初回の検査では、下部頚椎・中部胸椎・骨盤において、体表温度の左右の温度誤差、浮腫感、および可動域の制限が確認された。体表温度の検査では、ナーボスコープが触れた部分の肌が背骨に沿って赤くなった。これは体内の排毒作用が低下し、化学的なバランス(ケミカルバランス)が乱れることで起こることが多いと考えられる。体の土台である骨盤を安定させることを優先し、下位から順にアジャストメントを実施した。

アジャストメントによって、サブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整ったことと、神経の流れが正常化し、自然な修復が促された結果、症状の改善がみられたと考えられる。

長年、蕁麻疹強といかゆみとに悩んでいたが、神経の流れを整え、回復力を高めることの重要性が確認できる症例である。

中島 恵

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。

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