

“仲間とカラオケに行けるようになりました!!”
80代女性。趣味は昔からの仲間と温泉旅行だったりカラオケに行くこと。
3年ほど前から、庭の手入れ、家事などをしている最中に腰が痛くなることが増えていった。特にお風呂掃除をすると、腰から左脚にかけて重だるい感じや、トントンと手で叩きたくなるような痛みで嫌気がさしていた。
昔から腰が痛くなることはあったが、昔はすぐに気にならなくなる程度だった。しかし、ここ数年はすごくに気になりだし、「この痛みをどうにかしたい」という事で近くの整形外科を受診した。
整形外科では、「とりあえずリハビリと注射、痛み止めの薬で様子を見ましょう」と言われ、3年ほど通院したが、なかなか改善には至らなかった。手術については、年齢と体力的に厳しいと言われた。
診断名は「腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」。最近では、5分から10分ほど歩くと足に力が入りにくくなったり、重だるさや痛み痺れが出て歩く事ができなくなり、座って休憩して回復するのを待つという状況が続いていて
整形外科でも改善せず、旅行にも行けなくなってしまっている状態でさらにカラオケにも行けなくなったらどうしよう、もっと歩けなくなって寝たきりになったらどうしようと不安な毎日を過ごしている時に当院のことを知り、当院であればなんとかなるかもしれないという思いで来院された。
胸腰椎移行部の肌のカサつき
頚肩部の強い筋緊張
左腰背部脊柱起立筋の強い筋緊張
4週目(8回目のアジャストメント)では、本人の自覚症状の変化はないが胸腰椎移行部の肌のカサつきが落ち着いてきた。また若干ではあるが浮腫感の減少も認められた。
9週目(15回目のアジャストメント)では、さらに胸腰椎移行部の肌の質感はしっとりしてきた。浮腫感もさらに減少。本人の自覚症状の変化はなく辛い日々が続いているが皮膚の変化や体表温度の変化が確認できている為、経過は良好と判断した。
14週目(22回目のアジャストメント)では、本人の自覚症状に変化が出てきた。間欠性破行は出現するが、朝起きた時や家事をする時の腰の痛みが楽になってきたとのこと。
15回目のアジャストメント時と肌の質感にそれほど大きな変化はないが自覚症状の変化は出てきているのでやはり、客観的な検査の重要性を感じた。
23週目(36回目のアジャストメント)では、やっと頚肩部、腰背部筋緊張が落ち着いてきた。
以前は5分から10分で破行が出現してきていたが30分は歩けるとのことで本人の気持ち的にもプラスの変化が出てきておりカラオケにも行ってきて楽しい時間を過ごせたとのこと。
46週目(55回目のアジャストメント)では、胸腰椎移行部の肌の質感はすごく良くなっていた。腰の痛みが全く出ないわけではないが歩行距離も満足いく距離感になってきて歩きすぎて翌日には筋肉痛が出るほどになってきてカラオケにも頻繁に行けるようになっていて嬉しそうだった。今度は温泉旅行に行ってみたいとおっしゃられていた。
一般的に腰部脊柱管狭窄症では、病院やクリニックで服薬、またリハビリ、電気治療やマッサージ、それから注射で様子を見ていくという治療法が取られます。もしくは手術をして回復を図るということが一般的であります。
しかしながら、手術後の予後が良好というわけではありません。また、局所のマッサージや電気療法で改善するケースはほとんど見かけることがありません。
そこでカイロプラクティックでのアプローチとしては、局所、つまり腰の部分にのみアプローチを行うのではなく、背骨全体を見て神経の伝達機能の不全といったところに目を向けていきます。
つまり、構造的に骨が変形してしまっていたり、関節が変形してしまっていても、神経の機能が回復していくことによって、患者様の症状が改善していくとカイロプラクティックでは考えます。
今回の症例では、初めの頃、ケアを始めてから4週目、9週目あたりに関しては、肌の質感であったり、背骨付近の浮腫(ふしゅ)感が減少したり、肌の質感が良くなってきているにもかかわらず、患者様本人の自覚症状の変化はありませんでしたが、客観的な検査によって経過良好だと判断することができました。
それによって、カイロプラクティック・アプローチを続けていくことが本人にとっても良いのではないかという判断ができたので、その後もカイロプラクティック・アプローチを続けていきました。
すると、14週目に客観的な検査ではそれほど大きな変化は出ていないにもかかわらず、本人の自覚症状に変化が出てきました。脊柱管狭窄症による間欠性跛行(かんけつせいはこう)は出現するものの、本人の副主訴である腰痛に関しては変化が出てきたのです。つまり、客観的な検査と本人の自覚症状との間にはギャップがあるということも確認することができました。
また、23週目には間欠性跛行が出る時間も延びていきました。以前は5分から10分で間欠性跛行が出現していましたが、30分は歩けるようになってきました。
そして46週目に関しては、肌の質感であったり、背骨付近の浮腫感、また筋肉の緊張も落ち着いてきて、結果的には患者様は仲間と一緒にカラオケに頻繁に行くこともできるようになり、温泉旅行に行ってみたいという意欲も湧いてきました。
このことから、高齢の患者様であっても、長い期間ではありますが、しっかりとカイロプラクティック・ケアをすることによって神経の機能が回復し、それによって患者様の症状も落ち着いてきたと言えると思います。
局所のマッサージや投薬による治療では改善が行われないケースはほとんど見かけることはないですが、カイロプラクティック・アプローチによる神経機能の回復を行ったことによって、患者様が回復したという良い例であったと言えると思います。


執筆者細井カイロプラクティック細井 康隆
埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。