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サッカーでの足首捻挫による繰り返すケガと不安

サッカーでの足首捻挫による繰り返すケガと不安

側弯症の疑いで2度病院を勧められた不安が解消

10代男性
主訴
腰痛
来院に至った経緯

小学生の頃からサッカーを始め、競技に打ち込む中で右足関節の捻挫を負傷。中学生になると捻挫を繰り返すようになり、足を捻る頻度が増えた。その影響で試合や練習時に踏ん張りがきかず、思うようなプレーができないと感じることが増えていった。

また、小学生の頃と高校生の頃の2回にわたり、学校検診で側弯症の疑いを指摘されたため、病院で検査を受けたが異常はみつからなかった。しかし、小学生の頃から受験勉強に励む中で、長時間座ることが習慣化し、次第に腰の痛みを感じるようになった。姿勢を意識しても痛みが軽減せず不安が募るようになった。

さらに、2年前から午後の授業中に頭痛を発症するようになり、特に長時間の集中後にこめかみのあたりがズキズキと痛むことが多くなった。痛みが強いときは頭痛薬を服用していたが、根本的な解決には至らず、疲労やストレスが蓄積すると症状が悪化する傾向があった。

これらの体の不調が積み重なり、サッカーへの影響だけでなく、日常生活でも支障を感じるようになった。側弯症への不安も拭えず強くなった。そこでご両親と相談し、スポーツを思い切り楽しめる体にしたい、そして長年の悩みを根本から改善したいという思いで、インターネットで検索し来院を決意した。

初診の状態
  • 01

    右上部頚椎の過緊張

  • 02

    腰部脊柱起立筋の筋緊

  • 03

    右仙骨翼の浮腫感

経過と内容

初診時の状態では、上部頚椎と骨盤には明らかな可動域制限と強い浮腫感、体表温度検査では明らかに左右の温度の誤差が確認された。
初期集中期の段階では1週回のケアから開始した。 

5週目(5回目のアジャストメント)には、座っている時間が長いことが多いが腰の痛みが改善されてきた。仙骨部の浮腫感、腰部脊柱起立筋の筋緊張の緩和がみられた。

11週目(7回目のアジャストメント)には、頭痛は1か月程、回数と頭痛が発症している時間が減り頭痛薬も服用していない。腰痛も発症していない。  

18週目(10回目のアジャストメント)には、練習や試合が多いが、繰り返していた右脚関節捻挫は1か月ほど安定している。足関節外側に慢性的な浮腫感がみられてていたが改善している。頭痛も発症せず安定している。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。 


考察

今回の慢性腰痛、足首捻挫、2度の側弯症の再検査になる原因は、骨盤のバランスの乱れが考えられた。

側弯症は、2度の再検査では異常はみられなかった。背骨は体の土台である骨盤の上に乗っているため骨盤の左右のバランスの乱れは背骨の配列に影響を与える。背骨の捻じれや傾きは、単なる背骨の湾曲ではなく体が神経の働きを守るための適応的な反応の一つで、脊髄や神経の圧迫を回避しようとする体の防御機能が働いている可能性も考えられる。

骨盤の左右のバランスが崩れると脊椎の土台が不安定になり、それを補正するために背骨が側方へ湾曲することがある。骨盤でのサブラクセーションによって、結果として側弯症が進行することが考えられる。

腰痛も通学や勉強で長時間座っていることも多く、骨盤のバランスの乱れが腰部に負担となり腰痛を発症したものと考えられた。

右足関節捻挫は、骨盤の左右のバランスが乱れることで、股関節の可動域に大きな影響を及ぼす。股関節は上半身の重さを左右均等に分散させる役割を担っているが、この機能が十分に果たされないと足関節への負担が増大する。

夕方以降に出る頭痛は交感神経が過剰となってしまっている状態の特徴でもある。

検査では、骨盤と上部頚椎、下部頚椎、胸椎での体表温度検査の左右の誤差、浮腫感を確認した、上部頚椎と骨盤ではより強く反応があったため副交感神経に絞ってアプローチを開始した。

アジャストメントによって、サブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、骨盤の安定性が向上することで足関節への負担が軽減されたことと神経の流れが正常化し自律神経のバランスが整ったことで自然な修復が促された結果、症状の改善がみられたと考えられる。

悩んでいた症状が、神経の流れを整え、回復力を高めることの重要性が確認できる症例である。

中島 恵

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。

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