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15年来の右側頭部が痛い偏頭痛

15年来の右側頭部が痛い偏頭痛

“長年の頭痛が緩和されて仕事に集中できます!”

カテゴリ: 頭痛関野 貴友
50代男性
主訴
右側頭部、前頭部の偏頭痛
来院に至った経緯

長年にわたり右側の頭痛に悩まされている。頭痛は右のこめかみから前頭部にかけてジンジンとした痛みを伴い、時には3〜4日間続くこともある。日によっては軽い日もあるが、痛みが強いと何も手につかなくなるほどで、日常生活や仕事にも影響が出ていたという。

周期的に現れる頭痛は15〜16年前から続いており、「ないときは2〜3週間ほど空くが、またいつ襲ってくるか分からない」という不安を常に抱えていたようだった。

脳神経外科でCTを撮った経験もあるが、脳に異常は見られなかった。そうした検査結果に安心した一方で、「ではなぜこんなに長く頭痛が続くのか?」という疑問と、根本的な解決策が見つからないまま、薬に頼る日々が続いていたとのことだった。

また、過去に「右肩が下がっている」と整形外科で診断されたことがあり、本人としては姿勢のゆがみや体のバランスが頭痛の原因になっているのではないかと感じていた。ストレートネックとも言われており、実際に首に負担がかかると頭痛が強くなる感覚もあったという。首の右側には重さや痛みを感じることが多く、時には朝起きた瞬間からすでに違和感がある日もある。ただ、基本的には夕方〜夜にかけて悪化する傾向があり、1日の疲労とともに痛みが強まるようである。

普段の生活では立ち仕事と座り仕事が混在しており、特定の姿勢を長く続けることが難しいと感じる場面も多いようだ。加えて、腰の左側にも常に違和感があり、過去には右手の小指周辺にしびれを感じたこともあった。こうした複数の症状が同時に存在していることに対して、「自分の体はどこかおかしいのではないか」という不安が拭えなかったという。

これまでさまざまな方法を試してきたが、なかなか根本的な改善には至らず、今回初めてカイロプラクティックを受ける決意をした。「薬で抑えるのではなく、体の根本から整える方法があるのなら試してみたい」という強い想いが背中を押したようだ。

長年悩んできた頭痛や身体の不調が、構造的な問題から来ているのかもしれないという視点で、ようやく本格的に自分の体と向き合うスタートを切った形である。

初診の状態
  • 01

    右の胸鎖乳突筋の過緊張

  • 02

    右後頭部、側頭部に強い頭痛がある

  • 03

    右乳様突起周辺にブヨブヨした浮腫感

経過と内容

腰椎側面像、頚椎側面像において、L5,C6と椎間板の減少が確認できるため、サブラクセーションが発生してから、かなりの時間が経過している。そのため、初期集中期として週に2回のケアを推奨するも、当院からの距離や、仕事の都合上でまずは週に1回とし、ケアをスタートした。

2週目(2回目のアジャストメント)では、頭痛の性質が変わったとのことである。側頭部や後頭部の痛みは、和らぎ首の緊張が取れてきたそう。神経圧迫自体は残存しているが、周囲の筋緊張は初診時よりもかなり少なくなっている。

4週目(4回目のアジャストメント)では、頭痛は頻度がほとんど毎日あったものが、4〜5日に1回あるかないか位まで軽減している。また腰の痛みも大きく改善された。第一頚椎の浮腫はほとんど確認されない。

7週目(5回目のアジャストメント)では、頭痛は改善された状態が維持できている。首の伸展がスムーズにできるようになり、仕事の支障がかなり減ってきた。

9週目(6回目のアジャストメント)では、頭痛は出なかったとのこと。仕事が忙しくなると怪しい時はあったが、しっかりと休息を取れば何の問題もないとのことであった。初診時の筋緊張や浮腫はまるで感じられない。

現在は、3週に1回程度のケアを続行している。現在の会社を辞職し、セカンドライフとして、自らのカフェオープンすべく、体が資本ということもあり、生活を見直している。


考察

この方の頭痛は、15年以上も繰り返し続いてきたもので、右のこめかみからおでこ、後頭部までジンジンと痛むのが特徴でした。日常生活や仕事に支障をきたすほどつらい症状でしたが、病院で検査を受けても原因は見つからず、薬でなんとかやり過ごすしかなかったとのことです。

以前には「右肩が下がっている」「首のカーブがなくなっている(ストレートネック)」と指摘されたことがあり、首や腰のハリ・違和感も慢性的にありました。こうしたことから、体のゆがみや姿勢の崩れが神経の働きに影響を与え、それが頭痛の原因のひとつになっていた可能性があります。

実際にケアを行ったのは、首のいちばん上の骨(第一頚椎)と左の骨盤でした。ここは、体を休ませたり回復させたりする「副交感神経」と深く関わる場所です。ストレスが続いたり、緊張が強い生活を送っていると、この神経の働きがうまくいかなくなり、頭痛や体調不良が起きやすくなります。

この方の場合、特に「午後から夕方にかけて頭痛が強くなる」という傾向があり、これは緊張や心身のストレスによる頭痛の典型的なパターンです。また、画像で確認したところ、首と腰の一部にクッションの役割をする軟骨がすり減っている様子も見られました。これは、長い間、神経に負担がかかっていた証拠でもあります。

ケアを始めてから、2回目にはすでに痛みの感じ方に変化が現れ、4回目以降では「頭痛がほとんど起きなくなった」とご本人も感じておられます。これは、神経の流れがスムーズになり、体が本来のリズムや回復力を取り戻してきた結果だと考えられます。

このケースは、単に「痛みを抑える」のではなく、「なぜ頭痛が起きていたのか」を根本から見直し、体のバランスを整えることで健康を取り戻していった好例です。症状の改善だけでなく、体や生活に対する意識も前向きに変化していったことが、何よりの成果だといえるでしょう。

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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