頸部から左背部にかけて突然痛みが生じ、頸部伸展制限により洗顔や目薬をさす等ができず支障をきたしている。発症から2週間後にかかりつけの病院にてレントゲンを撮るも特に問題なし、慢性頸部痛として消炎鎮痛剤の内服と外用薬を処方される。薬を使用するも軽減せず、セカンドオピニオンで他院受診しMRIを撮るも、診断名つかず筋緊張による頚背部痛と診断されリハビリを実施、約3ヶ月行うも症状が改善せず疼痛も増大した為に、以前に通院した当院を思い出し来院する。
左耳介上方
C6からT1の浮腫
右起立筋膨隆
1週目(1回目C6アジャスト後、)6か月間上を向くことができなかったが、頸部伸展動作可となる。6週目(11回目)左肩挙上制限改善、頭部前方変位改善がみられる。患者さん自身の自覚的な症状は大分軽減され、ADLの支障は少なくなりデパートへの外出などをすることができる様になる。 7週目(14回目)アジャスト後、胸椎の後彎の減少がみられ前傾姿勢の改善がみられる。 その後も施術計画通り来院し残存する起立筋などを軽減する為に施術を行う。
今回は頸部の疼痛に対し、MRIを分析したことで病院では何も所見がないと言われていたが、C6の変位がみられ、サブラクセーションを特定してアジャストをしたことで症状の大きな変化をだすことができた。
また、半年間頸部の伸展動作の制限のために、前傾姿勢のままでいたことで、姿勢を正そうとしても保持することができず、起立筋への出力低下により、胸椎への負荷がかかりサブラクセーションを起こし、T9へのアジャストメントが脊柱の生理的彎曲の改善、交感神経による筋肉の活性が姿勢の大きな改善につながったと考えることができた症例であった。
執筆者鶴沢接骨院香山 大樹
千葉県千葉市出身。柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師の資格を取得、整形外科、接骨院の勤務を経て、2008年6月に鶴沢接骨院を開業、外傷やリハビリを中心に勉強をしてきたが、臨床での不定愁訴への対応、根本原因へのアプローチを学ぶ為、シオカワスクールにて学びの機会を得て、カイロプラクティックの可能性に感銘を受け、現在インストラクターとして仲間とともにカイロプラクティックの素晴らしさを伝える為に従事している。