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頭痛(寝起き)

頭痛(寝起き)

寝起きの頭痛も便秘も解消された!

50代女性
主訴
頭痛(寝起き)、腰痛、下肢の痺れ、便秘
来院に至った経緯

高校生くらいから頭痛があり、いつも決まって寝起きの時間帯に頭痛が出ていた。朝だけ辛くて学校を休みたくなったが、親からそんなもの学校に行けば治るから行きなさいと毎朝たたき起こされていた。

頭痛の質は頭全体がズキズキ、ガンガンするような頭痛で、学校に行って授業を1~2時限くらい受けていると気づくと治まっており、親に言われた通りだなと思って特に気にはしてこなかった。

大人になっても寝起きの頭痛は変わらず、酷いときには家から出られなくなってしまうほどの頭痛で仕事に遅刻してしまうようになった。それからというもの寝起きにまず頭痛薬を飲むということを繰り返していたが、次第に薬も効かなくなり午前中いっぱいは頭痛が続くということがあった。

仕事は介護職を28年間やっており、介護職を始めた当初から腰痛があった。ぎっくり腰も何度も経験しており、そのたびに腰椎コルセットを巻いて対処していた。5年くらい前からは両脚が痺れるようになり、ぎっくり腰の頻度も増えてしまった。

腰痛は特に寝起きが辛く、朝の準備は頭痛と相まって特に辛かった。仕事中は介護でお客様を支えるときは腰の痛みを顕著に感じたが、それ以外に長時間座っている姿勢や座った後の立ち上がる瞬間は特に腰痛を感じた。

動いている方が楽で歩くと少し腰痛が落ち着いたが、歩きすぎると痛みがまた出てしまうので、そういうときは座って少し休むと楽になった。あまりにも辛いときは介護用のベッドに横になると痛みが多少は緩和される気がしたので、休憩時間中はベッドで横になる時間が多かった。

脚の痺れは、両方のお尻から太もも裏から外側を通って、ふくらはぎから足の裏に痺れを感じていた。特に両足の裏は正座をしたあとのような痺れ感で、歩いていても地面を踏めていないような感覚だった。

また高校生の頃から便秘があり、それが年々酷くなっていて酷いときには5~6日間出ないこともあった。背中の張り感も年々酷くなっていたので、近所の接骨院や整体院、針鍼灸院などに通ってみたが、症状はまったく変わらず。むしろ寝起きの頭痛が酷くなったのではないかと感じるようになった。

年齢的にも介護の仕事はかなり限界だなと思っていたところ、職場の同僚がカイロプラクティックで腰痛が改善したと当院を紹介されて来院された。

初診の状態
  • 01

    隆椎(頚椎7番・胸椎1番)に強い浮腫感

  • 02

    腰部起立筋の過緊張

  • 03

    両肩から両背部の過緊張

経過と内容

腰部の椎間板にD4レベルと慢性的な段階が確認されたため、週2回のケアを提示したが、仕事の関係上どうしても週1回しか来られないとのことで、週1回のケアを長めに診ていくというケア計画でスタートすることにした。

5週目(5回目のアジャストメント)には、便秘の感じが少し楽になってきた。お腹の張り感も明らかに楽に感じ、2日に1回は便が出るようになった。また寝起きの腰痛が硬直はしているものの、痛みはそれほど感じなくなった。寝起きに頭痛が出ている感じはあるものの、寝起きの1時間くらいで午前中いっぱい頭痛がするということはなくなった。

9週目(9回目のアジャストメント)には、寝起きの頭痛はまったく感じなくなり、頭痛薬も完全に手放すことができた。また便秘もほとんど気にならなくなり、最低でも1日1回は便が出るようになった。

12週目(12回目のアジャストメント)には、背中の張り感も仕事終わりに少し感じる程度になり、身体全体が軽いと感じるようになった。

15週目(15回目のアジャストメント)には、脚の痺れはまったく感じなくなり、仕事中の腰痛も気をつけながらやっていれば問題なくなった。寝起きの頭痛や腰痛もまったく感じなくなり、学生の時以来の身体の軽さを感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとしてケアのペースを3週間に一度に広げてカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回の頭痛(寝起き)の原因は、甲状腺、副腎、肝臓、腸などの臓器によって解毒、排毒する機能の低下が原因だと考えられる。特に人間の代謝を司っている甲状腺は注目すべきところであり、検査でも反応があった上部胸椎は甲状腺と密接な関係がある。

体の代謝が低下している状態で睡眠の入ると、睡眠時はさらに代謝が低下するため、寝ている間に体に毒素が停滞してしまい寝起きの頭痛となるケースがある。今回は代謝を司る神経系に負担がかかることで、排毒を促す機能が低下した結果、寝起きの頭痛となっていたと考えられる。

また寝起きの頭痛が出始めた頃から便秘の症状も出ていたが、便秘が続くことでさらに体に毒素が停滞しやすい体内環境であったのだろう。便秘はさまざまなことが考えられるが、検査で中部胸椎に強い反応があったことからも、肝臓や膵臓と繋がる神経系に負担が掛かっていたと考えられる。

肝臓からは胆汁というものが休みなく生成されて、胆のう貯えられている。食事などの刺激で胆のうが収縮すると、胆汁は胆管を通って十二指腸に流れこみ、脂肪の消化酵素であるリパーゼの働きを助けるが、この胆汁の生成が上手くいかなくなると便秘の原因となってしまう。

腰痛や脚の痺れに関しても、寝起きや長時間座っていると出やすい腰痛は腰の問題であるケースが多い。上部胸椎、中部胸椎、腰部とすべて交感神経支配の部位であり、寝起きの頭痛や便秘など代謝が低下していたことを考えると、自律神経のバランスが乱れて交感神経機能が上手く働いていなかったのだろう。

検査によってサブラクセーション(根本原因)を見つけて、問題となっている神経系を絞ってアプローチした結果、体の排毒機能が向上して症状に改善に繋がったのだろう。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けてあげることの重要性が分かる症例である。

前田 一真

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院前田 一真

1982年、神奈川県生まれ。シオカワスクール在学中から塩川カイロプラクティック治療室にて内弟子として学ぶ。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。2023年に前田カイロプラクティック藤沢院を開院。一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくため、カイロプラクターとして尽力している。またシオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。

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