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頭痛や吐き気を誘発するほどの慢性的な肩こり

頭痛や吐き気を誘発するほどの慢性的な肩こり

慢性的な肩こりが解消されて初めて肩が軽いと感じるようになった!

30代女性
主訴
肩こり、頭痛、吐き気、全身の冷え、体重増加、腰痛
来院に至った経緯

中学時代から肩こりがあり、よく両親が行っていた整体に一緒に連れて行ってもらった。整体でストレッチやマッサージを受けると肩こりが楽になったように感じていたが、1週間も経たないうちに肩こりが酷くなってくるので、気づけば毎週のように整体に通うようになった。

高校生になると体全体が冷えているような気がして、真夏でも湯船にしっかりと浸かってからでないと眠れなくなってしまった。元々、運動が嫌いだったこともあったが、筋肉が少ないから冷えるのかと思い、大学生からはスポーツジムに通うようになった。

体を動かすと汗はかいているのに、体はどんどん冷えているような気がして、ジムからの帰り道は地獄のように体が寒かった。また、運動していても体重が減らないことに気づいて、それだけ代謝が悪いのかと思うようになった。

社会人になり、金融関係の仕事についたが、オフィス内がエアコンでキンキンに冷え切っていた。真夏は身体の芯から凍えるような温度になるまで冷房で冷やされていて、真夏でも一人毛布にくるまって仕事をしていた。

丸まるような変な姿勢で長時間のデスクワークをしている影響か、次第に腰痛を感じるようになった。特に長時間座ってから立ち上がるときには、ハッキリと腰の痛みを感じていた。一度、痛みを感じると、そのあとは何をやっても腰が痛かった。

社会人になって8年が経つ頃、頭痛や吐き気を伴う異常なほどの肩こりに襲われた。寒くて肩こりが酷いのか、不良姿勢で仕事をしていることで負担が掛かったのか、原因は分からなかったがとにかく肩こりが酷すぎて、そこから後頭部の方まで引っ張られるような感覚だった。

社会人になってからも毎週のように整体やマッサージに通っていたが、頭痛や吐き気を伴うほどの肩こりは経験したことがなく、仕事を早退する日もでてきてしまった。これは、何か手を打たないとまずいと思い、いろいろと試してみた。

鍼灸院、温熱療法、筋膜リリースとありとあらゆるものを試したが、整体やマッサージを受けた時と同じように、受けたその場は楽になる気がするが翌朝にはガチガチに固まってを繰り返していた。

そんな私を見かねて職場の上司が、「そんなに辛いなら、ここの先生すごいから、行ってみな!」とカイロプラクティック院を紹介してくれた。カイロプラクティックはバキバキされて怖いというイメージが強かったので避けてきたが、職場の上司の紹介で一度も行かないわけにはいかず、半信半疑で紹介という形で来院された。

初診の状態
  • 01

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 02

    首・肩周りの過緊張

  • 03

    左仙腸関節の可動域制限

経過と内容

初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部胸椎、骨盤部と下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と左上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認され、首肩周りと腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認できなかったが、首の椎間板の段階は慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、肩こりが少し解消されてきたのか、頭痛や吐き気を伴おうほどの症状は落ち着いてきた。また、仕事中にイスから立ち上がるときに気になっていた腰痛は気にならなくなった。

9週目(7回目のアジャストメント)には、この頃には頭痛や吐き気はまったくなくなった。

22週目(11回目のアジャストメント)には、肩周りが人生で初めて軽いと感じるようになった。

31週目(14回目のアジャストメント)には、仕事中のエアコンの風が苦手で、夏場でもブランケットをかぶっていたが、それほど寒いと感じなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回の肩こりは、骨格が不安定になって神経に負担が掛かり、骨格で頭部の重さを支えきれなくなった結果、首肩の筋肉を過緊張させていたものと考えられる。

肩こりには2種類あり、一つは上記の通り筋骨格系の乱れによって頭部の重さを支えるために起こるケース、もう一つは自律神経のバランスを乱して交感神経が過剰になり全身が過緊張を起こしてしまったケース。今回の肩こりは、前者の肩こりであったと考えられる。

顔を下に向けた時に出っ張る首の付け根の部分を隆椎(りゅうつい)というが、隆椎周辺の筋肉がガチガチに固まっており、血流異常が起こっていたと考えられる。吐き気を催すほどの頭痛などは、この肩周辺の過緊張によって起こる血流異常が原因であったと考えられる。

下部頸椎から上部胸椎にかけての神経は、甲状腺とも密接な関係がある。甲状腺は、甲状腺ホルモンを生成、全身の代謝、エネルギーの産生、体温の維持など、生命維持に欠かすことのできない重要な内分泌器官となる。

今回のケースでは、全身の冷えや太りやすさなどの問題もあったが、これらはまさに甲状腺が関係している。甲状腺機能が低下すると、全身の代謝能力も低下してしまい、痩せにくい体質となってしまう。冷えも同様に、エネルギーの産生や体温維持の機能が低下することで全身の冷えが起こってしまう。

土台である骨盤部の乱れも隆椎周辺に負荷を掛けていた要因の一つである可能性もある。人間には補正作用があるため、背骨を正面から見た時に必ず正中線を保とうとするが、土台である骨盤部の乱れが徐々に大きくなり下部頸椎や上部胸椎などの負荷に繋がっていたのだろう。

また土台である骨盤部の乱れは、当然腰部の神経へも影響を与えてしまう。腰部の起立筋がガチガチに固くなっていたのも骨盤部の乱れから骨格で体の重さを支えられずに腰部の神経に負荷が掛かってしまうために起こっていた防御反応の一種であると考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで、不必要に筋肉を過緊張させる必要がなくなった結果、吐き気を催すほどの慢性的な肩こりや腰痛の改善に繋がったと考えられる。あらためて神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

前田 一真

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院前田 一真

1982年、神奈川県生まれ。シオカワスクール在学中から塩川カイロプラクティック治療室にて内弟子として学ぶ。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。2023年に前田カイロプラクティック藤沢院を開院。一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくため、カイロプラクターとして尽力している。またシオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。

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