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頭からの転倒で全く動かなくなってしまった首

頭からの転倒で全く動かなくなってしまった首

40代男性
主訴
転倒によるムチウチでの首の痛み
来院に至った経緯

もともと力仕事をやっていて、体をよく鍛えていた。体を動かすのも好きで、趣味のサーフィンなど休日を使って活発に行っていた。健康志向も強く、体の不調とは無縁の生活を送っていた。

しかし、ある波の強い日に足を取られ、サーフボードからすべり落ちてしまった。不運にも浅い場所で、しかも頭から落ちてしまったため、首に全体重がかかるような姿勢で首を強打した。

それからと言うもの首の痛みがずっと取れず、左右を向くのが困難になってしまっていた。今まで大きな不調などもなく仕事や趣味を楽しんでいたため、このような状態になったのは初めてだった。

首を左右に動かすことができないことで、仕事は愚か趣味にも支障が出始めた。日常生活は何とか送れていたが仕事や趣味を満足にできないことに日々ストレスが募り、周りの人間関係も少しギクシャクしたような形が続いてしまっていた。

そんな中で地元の整体などに通い筋肉をほぐしてもらうが、一時的に良くなっても根本的な解決になる事はなく趣味などを楽しむことができるようにはならなかった。

様々な治療法を調べている中でサーフィン仲間が教えてくれたことをきっかけにカイロプラクティックを知った。様々なカイロプラクティック院を調べていく中で当院が有名なカイロプラクティック院であることを知り、ここだったら良くなるかもしれないと思い、来院を決意した。

初診の状態
  • 01

    上部頸椎の過緊張

  • 02

    左仙腸関節の可動制限

  • 03

    頸部左右回旋30度

経過と内容

レントゲン評価では、椎間板にすごく負担がかかっていると言うわけではなかったが、症状として仕事や趣味を満足に行うことができず、どうにかして日常を取り戻したいと言う思いから、まずは週に1回のペースでケアを始めることにした。

3回目のジャスメント時には何か少し楽な気がすると話していた。検査上ではそこまで顕著な変化は見られていなかったが、リスティングに確信を持つことができていたため、そのままアジャストメントを続けることにした

7回目の来院時には、検査でも良い傾向が見られた。明らかに頚部の筋緊張があり、頭が右に傾いていたのが筋肉の緊張も半減していて、頭部の傾きも落ち着き始めていた。そこで再度状態を聞いてみるとかなり楽になっているとのことで、そろそろサーフィンを再開しようか検討しているとの事だった。このタイミングから2週間に1回に来院頻度を切り替えた。

11回目の来院時には、体表温度検査でも顕著な反応はなくなっており、首の緊張もほとんどなくなっていた。サーフィンも問題なく行えており、仕事も充実しているとのことだった。このタイミングから、来院頻度を月一回に広げることにした。

現在は症状も落ちついているものの、メンテナンスを兼ねて月一回の頻度で来院を続けている。


考察

今回のケースは、浅い浜辺でのサーフボードからの転倒という交通事故のムチウチのような状態での来院だった。上部頸椎はガチガチに固まっており、頭が右に傾いたまま固定されてしまっていた。左右をほとんど向くこともできず、サーフィンはおろか、周りを見渡したり、重いものを持ったり、いろいろな姿勢を取る仕事にも影響が出ている状態だった。

このようなケースでは、頸部(特に上部頸椎)のサブラクセーション(根本原因である神経伝達の異常)がはっきりと見られるケースが多い。特に頸部の回旋運動は、第一頸椎・第二頸椎の関節である環軸関節で5割以上が行われている。そのため、上部頸椎のサブラクセーションによって頸部の回旋運動に制限かかかるケースは多く見られる。また、上部頸椎のサブラクセーションによって頭部の傾きがはっきりと出てくるケースも非常に多い。今回もそれらに当てはまるケースだった。

問診や検査、レントゲン評価の結果、副交感神経に絞ってアプローチを行った。アジャストメントを続けていく中で、サブラクセーションが正確に取り除かれたことによって人間が本来持つ自然治癒力が正常に働き、症状の改善につながったと考えられる。

また経過をたどっていく中で、首の痛みとは関係はなかったが、その外傷以来睡眠がうまく取れなくなっていたことも判明した。本人は全く関連があると思っていなかったことに加え、年齢的なものだと思っていたが、その不眠もジャスメントを続けていくうちに改善し今ではしっかり眠ることができている。

不眠に関しても、副交感神経領域である上部頸椎のサブラクセーションによって交感神経が過剰になってしまい引き起こされているケースが考えられる。

副交感神経領域に絞ったアジャストメントを続けていく中で、神経と脳が正常につながり、自律神経が安定してきたことによって過剰な働きを起こしてしまっていた交感神経が落ち着いてきたことで、頸部の症状だけでなく不眠の改善にも繋がったと考えられる。

このように、外傷があった場合でも慌てることなく、サブラクセーションを特定し、それを取り覗くことによってより早期の段階での改善につながった。また不眠の状態も含め、改めて神経系を絞ってアジャストメントしていく重要さがわかる症例だった。

高島 克哉

執筆者塩川カイロプラクティック治療室高島 克哉

神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。

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