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階段がつらい…在宅ワークで悪化した膝の痛み

階段がつらい…在宅ワークで悪化した膝の痛み

50代女性
主訴
歩く時、寝返りや動かす時に膝が痛い
来院に至った経緯

この2〜3年で在宅ワークが増えたことによって日常的な歩行や外出が激減した。

運動不足から筋力低下と体重増加が重なって両膝への負担が大きくなったことから、膝の痛みが気になり始めた。普通に歩くだけなら痛みはないが、徒歩10分以上などまとまった距離を歩くと痛くなりやすく、とくに階段の上り下りがつらく、鋭い痛みが出るため、痛みを回避しながら一段ずつ上り下りする状態が続いていた。

膝に負担がかかっていることがわかるため、体重を減らすために運動をすることもできず、長い距離を歩くことも避けて生活をしている。

また、高校時代に尾てい骨を強く打撲してから、疲れがたまると腰や仙骨付近がポキポキ音がしたり、違和感や痛みがあるなど、骨盤周辺に悩みを抱えることが多かった。若い頃に何度かぎっくり腰になり、それ以来、再発の前兆を感じたときは自己流のストレッチで予防できているものの、年齢を重ねて腰への不安が出てきていた。

「膝の痛みを改善したい」「腰の状態を安定させたい」という思いでいろいろなリラクゼーションサロンなどに通っていたところ、娘から「カイロプラクティックで身体の症状が改善した」という話を聞き、当院を紹介された。

レントゲンなども活用して、詳細な検査で施術方針を決めていくということから「骨格や姿勢からしっかり整えてみたい」と期待され、来院に至った。

初診の状態
  • 01

    左側の胸鎖乳突筋の過緊張

  • 02

    左仙腸関節の可動域制限

経過と内容

初診(1回目のアジャストメント)では、レントゲン評価の結果、L5の椎間板変性(D4)と前弯カーブの増大、C1の前弯減少が確認された。さらに、左仙腸関節の可動域制限と左胸鎖乳突筋の過緊張、右膝のP-EX変位が見られたため、これらを優先的にアジャストメントする方針とした。施術計画としては、週1回のペースでケアを開始することにした。

2週間後(2回目のアジャストメント)では初回施術後に階段を下りるときの痛みはゼロではないが、歩くときの痛みが軽減し、なるべく階段を使おうという気持ちになれたとのこと。

痛みの出方に波はあるものの、痛みを恐れて極力動かさなかった膝を少しずつ使えるようになってきた。引き続き左仙腸関節(PIEX)と上部頸椎、右膝へのアジャストメントを継続。

3週間後(3回目のアジャストメント)には、施術後はしばらく階段を使えるほど膝の動きが楽になることを実感しており、エスカレーター・エレベーターを使わずにすむ場面が増えてきた。

痛むタイミングはまだあるが、仙腸関節と上部頸椎、右膝のリスティングは継続し、状態を安定化を図った。

7週間後(6回目のアジャストメント)には初診時から2か月弱経過し、膝痛は日常生活で支障を感じにくくなっていた。寝返り時の右膝痛も軽度だが軽減。これまでと同じリスティングで施術を行った。

14週間後(8回目のアジャストメント)には、階段の登り下りで感じていた左膝裏の痛みがまったくなくなったとの報告があった。以前は痛みを恐れて階段を避けていたが、意識しなくても普通に昇降できるようになった。腰への不安感も軽減しており、定期的なケアで状態を安定させる方針。

16週間後(9回目のアジャストメント)には、走るとズキズキしていた右膝の痛みが消失し、「前より走ることができるようになった」と本人が喜ぶほどの改善を示した。骨盤アライメントが安定し、神経伝達が正常化してきたことで腰への負担も少なくなり、ギックリ腰への不安感も減ったとのこと。

19週間後(10回目のアジャストメント)の時点では、膝の痛みは日常生活はもちろん、長めの距離を歩いてもほとんど気にならなくな理、腰の状態も安定していたため、施術間隔を広げながらメンテナンスに移行する方針を提案。今後は、副交感神経サブラクセーションを中心に上部頸椎と骨盤をチェックしながら、全身状態を維持していく。


考察

本症例の膝痛は、在宅ワークによる運動不足と体重増加が直接的な引き金となっていたが、高校時代の尾てい骨受傷によるダメージも長期にわたり脊柱全体のバランスを乱し、結果的に膝関節へ不必要な負荷をかけていた可能性が考えられる。

実際に、膝の問題は骨盤の不調から派生して起こることが多い。

人間には、自然に治癒する力が備わっているため、通常、膝関節を痛めても時間の経過とともに痛みは改善されていくが、膝の痛みを繰り返してしまう、なかなか完治せず慢性的な痛みが続いてしまう、という場合は、脳と神経の繋がりに問題があると考えられる。

脳は、神経を通じて身体の損傷個所を瞬時に把握し、対処を行うが、神経の流れに妨害(サブラクセーション)が生じることで、脳が体の状態を把握することが出来なくなり、自然に治癒する対処が正確に行われない。特にカイロプラクティックでは、膝関節の問題の根本的な原因が骨盤や腰部から出る神経に関連していると考えられる。

今回の膝の痛みも、根本的な原因は骨盤部の慢性的なサブラクセーションが原因なのではないかと考えられる。

このサブラクセーションは長年の腰の違和感を抱えていたことから、尾てい骨受傷の外傷によるものの可能性が考えられた。

骨盤部は副交感神経領域であり、検査でも腰の筋肉の緊張が強く、膝の痛みが鋭い痛みであるという特徴は、副交感神経領域のサブラクセーション当てはまる。

また、膝の外側に痛みが出るという症状は、骨盤のサブラクセーションの変異の一つであるPIEXの特徴と一致する。筋骨格的な面からは、PIEX腸骨の特徴として、膝の外側に痛みがあり、疲れやすく、仙腸関節に負担がかかるためすぐに休みたくなるといった特徴があるが、これも今回の症例に当てはまる。

以上のことから、副交感神経のサブラクセーションに対してのアジャストメントと、筋骨格的なアプローチとして膝のアジャストメントを行う方針を立てた。

左仙腸関節(PIEX)や上部頸椎(C1 ASL)をアジャストし、さらに右膝のP-EX変位も同時にアジャストメントを行ったことで膝への負担が軽減され、ぎっくり腰への不安を含む腰部の問題にも良い変化が出てきた。

神経伝達が正常化することで、脳と体のコミュニケーションが回復し、個々の生理機能が適切に働き始めたことも主訴である膝痛の改善を後押ししたと考えられる。

さらにアジャストメントを繰り返していくことで、膝痛や腰の症状の改善だけでなく、副交感神経の働きの正常化に伴い、下肢の筋力低下や足のむくみ、さらには五十肩や婦人科系の不調なども変化が期待できる。

本症例では、尾てい骨受傷や体重増加、筋力低下の問題から表面化した膝痛という一見局所的な問題であっても、その根本にある神経伝達を改善させるために、全身をみた上で、副交感神経サブラクセーションに絞ってアプローチしたことがきわめて有効であった。サブラクセーションを取り除くことによって、脳が全身の状態を正しく把握・制御し、身体が本来の治癒力や機能を最大限に発揮できるようにアプローチすることが重要だとわかる典型的な症例である。

菊地 雄介

執筆者塩川カイロプラクティック・埼玉カイロプラクティック 大宮Kソレイユ菊地 雄介

埼玉県熊谷市出身。スポーツインストラクターを専門的に学び、大手整体サロンに就職。副店長として施術と人材育成にも携わるが、本格的な施術で多くの方を健康に導きたいと思い独立。様々なセミナーを通じ探求する中で塩川カイロプラクティックに出会う。身体が劇的に変化していくのを目の当たりにし、この道を極めたいと考えてシオカワスクールに入校。本物のカイロプラクティックの可能性と奥深さに感動し「本物の技術を学び、より多くの人に伝えたい」という想いが強くなり、塩川カイロプラクティックでの勤務をきめた。カイロプラクティックの力で皆様の健康を全力でサポートします。

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