
長期化にわたる腰痛と坐骨神経痛
約14〜15年前に、特に重労働を行ったわけでもなく突然腰に痛みが生じた。当初の痛みは漠然としており、その原因も明確ではなかったが、持続する不快感によりかかりつけの病院を訪れた。診察の結果、「腰椎のすべり症変形性腰椎症」との診断が下され、痛みを和らげる湿布と神経の流れを良くするための内服薬が処方された。当初はこれらの薬剤で症状が一時的に軽減され、何とか日常生活を送ることができた。
しかし、数年の時間が経過するにつれて、腰痛は次第に悪化し、湿布や痛み止めの薬だけでは対処しきれないほどになった。そのため、痛み止めの服用量を増やすことで何とか痛みを抑えようとしたが、ある時点からは薬の効果も薄れ、痛みと向き合う日々が続いた。姿勢が悪くなることに加え、肩こりも感じる。腰痛が出るようになってから、肩こりも段々と感じるようになった。
2年前に別の整体院で1か月ほど治療を試みたものの、症状の改善は見られず、続いて昨年には新たに紹介された病院でMRI検査を受け、「脊柱管狭窄症」と診断された。医師からは症状の進行に伴う手術の提案もあったが、近所の方で手術後に歩行困難となった方がおり、手術に対してはネガティブな印象を抱いていた。
ここ半年は、特に横になっている際に痛みが強まり、夜間には臀部から足にかけての激しい痛みで何度も目覚めるという事態が続いていた。このため、睡眠は非常に浅くなり、日中の活動にも影響が出ており、体力の低下が明らかになっていた。
さらに、座っているのも困難であり、短時間(20分ほど)座っていると、立ち上がる際に強い痛みを感じることが多く、痛みが和らぐまでには一定の時間を要していた。加えて最近、右足の親指にしびれを覚えるようになり、夜間には両足が攣るなどの症状も現れ、日常生活に著しい支障を来していた。
以前は趣味であったガーデニングや庭いじりも痛みのために出来なくなり、その生活範囲は狭まっていった。そんな時、近所の人の中には当院で治療を受け、症状が改善した方がおり、手術の回避を望み、当院への来院に至った。
左仙腸関節の可動制限
左腰部の起立筋の緊張
体幹前傾位
2回目のアジャストメント(1週目)には、階段を上る際の左足の動きが改善し、スムーズに足を上げられるようになった。ただし、腰痛自体はまだ強く出ている。
5回目のアジャストメント(3週目)には、痛みはあるものの、短時間なら草むしりができるようになった。以前は屈むだけで辛かったが、作業ができることに喜びを感じていた。
11回目のアジャストメント(9週目)には、腰の痛みが軽減し、30分のウォーキングに挑戦。しかし、ウォーキング後に腰痛が再発。まだ無理をするには早いと判断し、慎重に経過をみることとした。
14回目のアジャストメント(12週目)には、仰向けで寝ることが可能になり、睡眠の質が向上。日常生活での動作も楽になりつつある。
17回目のアジャストメント(14週目)には、左足の状態が良くなり、股関節のストレッチができるようになった。セルフケアの一環として、患者自身がストレッチを取り入れ始める。SLRブラガードサインも陰性となる。
19回目のアジャストメント(17週目)には、サブラクセーションの兆候が軽減。症状の安定を確認したため、来院頻度を変更。
25回目のアジャストメント(25週目)には、再び草むしりができるようになり、作業中の痛みも軽減。休息をとることで回復しやすくなっている。
33回目のアジャストメント(36週目)には、庭先でチューリップの植え替えを行ったが、腰痛が全く出なかったとの報告を頂いた。今まで痛みが出ていた動作でも支障なく行えるようになり、調子の良さを実感している様子。腰椎側面像で椎間板の段階がD6と慢性的な段階であったため、体調管理を含め、現在では2週間に1回のペースで通院している。
執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉
1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。