シオカワグループ シオカワグループ

長引く腰の痛み、慢性肩こりと睡眠の悩み

長引く腰の痛み、慢性肩こりと睡眠の悩み

20代男性
主訴
腰を痛めやすい 、慢性肩こり
来院に至った経緯

来院の約半年前、運搬作業で重い荷物を持った瞬間に腰に違和感を感じた。「ぎっくり腰」とまではいかないものの、それ以来なんとなく腰の調子が気になりはじめた。

立位時や長時間の同一姿勢で腰の左側に違和感があり、重心もしっくりこない。
座位だと更に違和感を感じる。特に前かがみになった際に腰の左側が気になる。
最近になってこの違和感の頻度が高まり悩んでいる。

腰の怪我は経験がないが、中学・高校の学生時代にハンドボールで左足首をよく捻挫していた。
足首が弱いのか最近では中指と薬指を強くぶつけて1ヶ月以上痛みが続いた。足首の弱さや捻挫癖は普段の生活には特に支障はないものの腰の不調につながっている可能性があるのではと思っている。

また普段から寝つきが悪く、夜中2時半就寝になりがちで睡眠不足と慢性疲労がある。
ひどい肩こり、首こりにも慢性的に悩まされている。きっかけはわからないが気づいた時には肩こりが普通の状態になっており、長年続いている。

最近の腰の痛みが気になり、なんとかしたいと思っていたところ、知人から当院を紹介されて来院。この機会に慢性的な肩こり首こり、睡眠によるスッキリ感が得られないことも改善できたらいいと思っていた。

初診の状態
  • 01

    左腰部起立筋の過緊張

  • 02

    両側の僧帽筋の過緊張

  • 03

    左胸鎖乳突筋の緊張

経過と内容

初診時の評価では、腰椎前弯カーブの減少(L5椎間板D2~D3レベルの変性)や頚椎後弯傾向(C6周辺の軽度な変形)が確認され、患者の主訴である睡眠不足や首・肩こり、足首の捻挫癖などから、交感神経が優位な状態が長期間続いていると考えられたため、骨盤部(左PIEX)と上部頸椎(ASL)を主要なサブラクセーションとして週1回のケアを開始した。

2週間後(2回目のアジャストメント)には入眠がスムーズになり睡眠の質が向上し、腰の違和感も軽減したが、腰部や仙骨(S3)の浮腫が残存していたため、引き続き左PIEXとASLを中心にアジャストメントを継続した。3週間後(3回目のアジャストメント)には腰の違和感がさらに軽減し、日常動作にほぼ支障がなくなり、肩や首の凝りも慢性的ではあるが痛みは感じなくなった。4週間後(4回目のアジャストメント)には座位での腰の違和感がほぼ消失し、首こりもわずかに残る程度となったが、C6付近とT12付近に温度測定上の変化があったため、骨盤部と上部頸椎へのアプローチを継続した。

5週間後(5回目のアジャストメント)には映画撮影で睡眠不足が再発し、撮影中に頭部を強打した影響から首~上部胸椎の熱感が強く、腰のしんどさも感じていたため、仙骨S3へのアプローチを検討し始めた。撮影スケジュールが落ち着いた6週間後(6回目のアジャストメント)には睡眠のリズムが改善し、腰の不調はほぼ感じなくなり、仙骨(S3)のブレイクも明確になったため、左PIEXからS3へのアジャストメントに移行した。

8週間後(7回目のアジャストメント)には腰の違和感が完全に消失し、日常生活で腰の負担を感じることがなくなり、背中から腰にかけて肌のトーンが均一になり、体表温度も安定した。9週間後(8回目のアジャストメント)も腰の状態は安定しており、首や肩の重さは若干残る程度で、仙骨(S3)へのアジャストメントにより上部頸椎(ASL)のブレイクが早期に消失するようになったことから、副交感神経へのアプローチの有効性が示唆された。10週間後(9回目のアジャストメント)には全体的に調子が良好で、スクワット時にわずかな腰の張りを感じる程度に改善し、翌日には回復していた。

12週間後(10回目のアジャストメント)には風邪による咳があったものの、体調の悪化はなく、腰仙部の状態も安定を維持した。13週間後(11回目のアジャストメント)には咳の症状がほぼ治まり、左腰部の筋膨隆も大幅に減少、S3とASLへのアジャストメント後には首こりや肩こりの重だるさがさらに軽減され、副交感神経領域の神経伝達のバランスが回復傾向にあると考えられた。

この経過から、初診時に設定した左PIEXと上部頸椎ASLに加え、途中から追加した仙骨S3へのアジャストメントにより腰部の違和感が完全に解消され、睡眠の質の改善や首・肩の慢性症状の軽減といった自律神経系のバランス改善が確認された。現在は患者の生活リズムや疲労度を考慮しつつ、メンテナンスケアへと移行している。


考察

本症例は、腰痛と慢性的な睡眠不足や、長期間に及ぶ肩こりや首こりが主な症状であった。

これらの不調は、副交感神経領域のサブラクセーション(神経圧迫)が原因で副交感神経(リラックスを司る神経)の機能が低下し、交感神経(緊張や活動を司る神経)が過剰に働くことで筋肉が常に緊張し、血流が悪くなってしまった事が原因の一つであると考えられる。

また、重心がしっくりこなかったり、左足首をよく捻挫していたという傾向から左PIEXの可能性も考えられる。PIEXの場合、骨盤が後方に傾くため、脚が短下肢となり、つま先が内側を向きやすくなるので内反捻挫をしやすくなる。

左PIEXの影響により、かなり前から副交感神経領域のサブラクセーションが存在していたことが推察される。
長期的に筋肉の過緊張や睡眠不足によって身体が十分に回復しない状態となっていた事が、この年齢ですでに慢性的な肩こり・首こりに長年悩まされていた原因なのではないだろうか。

今回はこのように、自律神経のバランスの乱れのみでなく、左PIEXという構造的な特徴からも、慢性的な骨盤のサブラクセーションが存在している事が考えられたため、土台のバランス改善と副交感神経領域に絞ってアプローチを行った。

初診時の評価では、特に左腰の筋肉や肩、首の筋肉が過緊張しており、左骨盤周囲には浮腫も見られ、骨盤の動きにも制限があり、これが身体の不調を引き起こしていた可能性が高い。

まず骨盤(PIEX)と上部頚椎(ASL)の調整から始めたところ、初回から睡眠の質が向上し、寝つきが良くなったとの報告があった。アジャストメント回数を重ねるうちに骨盤が安定し、身体の左右バランスが整った段階で、仙骨(骨盤の中心部)の調整を開始したところ、さらに首の状態が安定し、副交感神経の機能がより改善し、腰の痛みの解消と慢性的な肩こり・首こりの軽減という成果につながったと考えられる。

本症例では、身体の不調を引き起こしていた骨盤と首のサブラクセーションに対し、集中的にアジャストメントを行ったことで神経のバランスが整い、身体が本来持っている回復力が十分に発揮された。
あれこれ触らず、重要なポイントに絞ったアジャストメントが効果的であることを示した症例である。

菊地 雄介

執筆者塩川カイロプラクティック・埼玉カイロプラクティック 大宮Kソレイユ菊地 雄介

埼玉県熊谷市出身。スポーツインストラクターを専門的に学び、大手整体サロンに就職。副店長として施術と人材育成にも携わるが、本格的な施術で多くの方を健康に導きたいと思い独立。様々なセミナーを通じ探求する中で塩川カイロプラクティックに出会う。身体が劇的に変化していくのを目の当たりにし、この道を極めたいと考えてシオカワスクールに入校。本物のカイロプラクティックの可能性と奥深さに感動し「本物の技術を学び、より多くの人に伝えたい」という想いが強くなり、塩川カイロプラクティックでの勤務をきめた。カイロプラクティックの力で皆様の健康を全力でサポートします。

pagetop