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足の痛みから発生した腰痛

足の痛みから発生した腰痛

足の症状から発生した長引く腰痛

70代女性
主訴
腰痛、左下肢の痛み、右腕の痛み
来院に至った経緯

5年前のある日、介護の仕事中に洗濯物をかごに入れて持ち上げようとした際、左膝が「ギクッ」と音を立て、強い痛みが生じた。湿布で対応したが改善せず、翌日整形外科を受診。膝に溜まった水を抜く処置を4回受けた。その後、漢方薬を服用し、一時的に痛みは改善したが、痛みへの恐怖から積極的に動かなくなった。

その1年後、再び左膝内側に痛みが出現し、同時に腰と左足にも痛みとしびれがみられた、整形外科を受診したところ「神経痛」と診断され、処方薬で症状は緩和。しかし、その後、左膝をかばいながら生活していたせいか、坐骨神経痛を発症し、現在も神経痛の薬を服用しながら経過をみていた。

最近では、腰の中央部に痛みがあり、左大腿前面から足先にかけて痛みとしびれが持続している。年に数回、両足がつることがあり、漢方薬を服用すると改善する。左膝を痛めた際に運動量が減り、食事量が増えたことで体重が増加し、これが腰痛の一因ではないかと考えている。痛みのため動くことを避けているが、仕事に支障が出ることを恐れ、常に鎮痛薬を服用している状況である。

右腕の痛みは、おととい自宅の庭で1〜2時間、ほうきを使って落ち葉を集めたり、草取りをしたことがきっかけで発症。翌日、包丁で食材を切っていた際に前腕内側に痛みを感じるようになった。腕を伸展させると楽になるが、屈曲させると痛みが増す。

友人と年に数回の旅行を計画しており、症状が改善したらまた旅行を楽しみたいという思いがある。そこで、当院へ通院中の患者の紹介を受け、根本的な改善を求めて当院を受診した。

初診の状態
  • 01

    右側の仙腸関節の可動制限

  • 02

    左耳介上方

  • 03

    右長下肢

経過と内容

初診時の視診では、左耳介上方および右長下肢が確認された。体表温度検査では、C1およびS2に左右の温度誤差が見られた。静的触診では、左後頭骨(Occ)にスポンジ状の浮腫が確認され、加えて右PSIS下端・内側にくぼんだ浮腫が認められた。動的触診では、左後頭骨(Occ)および右仙腸関節(SI)に可動制限が確認された。

レントゲン評価では、頚椎側面像にて逆カーブが確認され、さらにC5/6間の椎間板がD4と慢性的な段階であった。また、腰椎側面像では、L5/S1間の椎間板がD4と慢性的な段階が見られた。レントゲン評価より週2回のケアから開始した。初回のアジャストメント直後は、なんだか体が温かく、少し身体が軽い気がするとの事であった。初回に右肘をアジャストメントしたところ、日が浅かったためか、2回目にはほとんど症状はなかった。

4回目のアジャストメントに際しては、先の3回の治療と比較し、明らかに歩行時の快適さが増していることが確認された。以前は歩行に苦慮していたが、顕著な改善が見られた。

7回目のアジャストメント時には、患者の足の運びが著しくスムーズになり、右側の腰症状も好転している。腰の痛みや違和感が軽減されてきているが、左足に体重をかけた際の左膝の痛みが見られた。検査の結果、膝に明確な内方や外方の変位は見られなかったため、膝へのアジャストメントは行わなかった。

10回目のアジャストメントにおいては、患者は跛行を示すことなく自然に歩行できるようになっている。腰の痛みはほぼ消失し、膝も違和感無くに動けている。患者からは、現時点では旅行の予定はないものの、近いうちに友人との計画を立てるというご報告をいただいた。


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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