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膝の痛みにより仕事に支障が出始めた

膝の痛みにより仕事に支障が出始めた

“趣味の筋トレができるようになりました!”

カテゴリ: 膝の問題細井 康隆
50代男性
主訴
膝の痛み(変形性膝関節症)
来院に至った経緯

50代の男性。長年、運送業に携わっており、日々トラックの乗り降りや荷物の積み下ろしなど、膝に負担のかかる動作を繰り返して来られました。
5
年ほど前から右膝の内側に違和感を感じ始め、次第に痛みが強くなっていったとの事でした。整形外科では「変形性膝関節症」と診断され、水を抜いたりヒアルロン酸の注射を受けたりしましたが、満足のいく結果は得られなかったといいます。

仕事中はどうしても膝に力を入れる場面が多く、痛みを我慢しながらの毎日が続いていました。階段の昇り降りやトラックの荷台の上り下りをするたびにズキッと痛みが走り、「このままでは仕事を続けるのが難しくなるのではないか」という不安を感じるようになったとの事です。

最近では左膝にも重だるさを感じ始め、「両膝とも悪くなったらどうしよう」と焦りを覚えたとおっしゃられていました。
「もう一度、普通に動けるようになりたい」「好きな筋トレも再開したい」という気持ちが強くなる一方で、これまでの治療では根本的な改善を感じられず、他の方法を探すようになりました。

そんなときに当院のホームページを見て
痛みのある部分だけでなく、背骨や骨盤、神経の流れを整えるという説明に納得され、「もしかしたら自分の体もまだ変われるかもしれない」との思いで、来院されました。

初診の状態
  • 01

    歩行時右膝内側痛

  • 02

    膝関節前後面に浮腫

経過と内容

頸部、腰部ともにレントゲンにて椎間板の段階がD5,6と確認できたため週3回からのケアが好ましかったが、スケジュールの都合上週1~2回を目標にカイロプラクティックケアをスタートした。

8週目(7回目のアジャストメント)では、仕事中の膝の痛みが気にならないくらいに減少してきた。膝周囲の水(関節水腫)もかなり減少している。

12週目(14回目のアジャストメント)では、電車に乗り遅れそうになって階段を駆け上がった際も痛みを感じなくなっていたとの事。腰部の浮腫感や仙腸関節の動きも良くなってきている。

16週目(18回目のアジャストメント)では、趣味の筋トレでスクワットができるようになったと嬉しそうに話されていらっしゃいました。

体の神経の流れが良くなったような感じがすると喜ばれていました。

今後も健康促進、病気の予防のためカイロプラクティックケアを継続していく予定です。


考察

膝の痛みでお悩みの方に対して、整形外科では一般的に、体重を減らすための指導や日常生活の動作の改善、筋力をつけるための運動療法、またはサポーターや装具によるサポートが行われます。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤などの薬を使って炎症を抑える処置が取られます。
しかし、これらの方法はあくまで「痛みを和らげるための対処療法」であり、根本的な改善にはつながらないことが多いのが現状です。

症状が長引くと「膝に水が溜まる」と言われる状態になることがあります。
このときは、ヒアルロン酸注射やステロイド注射が行われることもあります。
ヒアルロン酸は関節の中にある潤滑液の主成分で、炎症によって弾力や粘りが失われると関節の動きが悪くなります。注射をすることで一時的に関節の動きが滑らかになり、痛みが軽くなることもありますが、その効果は一時的で、根本的な原因の解決には至りません。

実は、膝の痛みの多くは「膝そのもの」だけに問題があるわけではありません。
膝は体幹と足をつなぐ中間の関節であり、骨盤や股関節の動きと深く関係しています。
特に骨盤の中でも仙腸関節と呼ばれる部分の動きが悪くなると、股関節や膝にかかるバランスが崩れ、膝の一部に大きな負担が集中してしまいます。
その結果、膝の内側や外側に痛みが出たり、関節に炎症が起こったりします。
さらに、痛みをかばうような姿勢や歩き方を続けると、骨盤が傾き、背骨にまで影響が広がり、慢性的な痛みを引き起こしてしまいます。

また、膝に水が溜まることは、実は体が自分を守ろうとする自然な反応でもあります。
その関節液には、損傷した組織を修復するための栄養や成分が含まれており、自然治癒の一環として起こる現象です。
ですから、むやみに水を抜いてしまうと、体が本来持っている回復のプロセスを妨げてしまうことにもつながります。
大切なのは、「なぜ水が溜まったのか」という原因をしっかり見極めることです。

カイロプラクティックでは、膝の痛みを単なる局所の問題とは考えません。
膝を支配している神経は、腰や骨盤のあたりから出ています。
そのため、骨盤や背骨に神経伝達の阻害(サブラクセーション)があると、神経の働きが悪くなり、膝の筋肉や関節の修復能力が低下してしまいます。
神経の流れが滞ると、体が本来持っている「自然に治る力」が十分に発揮できず、炎症や痛みが長引く原因となります。

痛みは、体が「何かおかしい」と教えてくれているサインです。
薬で一時的に痛みを抑えても、原因が残っていればいずれ再発します。
また、炎症そのものは悪いことではなく、傷ついた組織を修復するための大切な反応でもあります。
重要なのは、炎症を無理に止めることではなく、なぜ炎症が起きたのか、その根本原因を見つけることです。

膝の痛みが長引く背景には、関節の老化や軟骨のすり減りだけでなく、骨盤や仙腸関節の動きの悪さ、そして神経の働きの低下が深く関係しています。
脳は決して間違った命令を出すことはありません。水が溜まることや炎症が起きるのは、体が「今は修復が必要だ」と判断しているからです。
それが長引いてしまうということは、脳と膝をつなぐ神経の伝達がうまくいっていないというサインでもあります。

したがって、膝の根本的な改善には、骨盤や背骨を整え、神経の流れを正常にすることが欠かせません。
それこそが、カイロプラクティックが目指す「根本から治すためのアプローチ」です。

細井 康隆

執筆者細井カイロプラクティック細井 康隆

埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。

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