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変形性膝関節症を伴う膝の痛み

変形性膝関節症を伴う膝の痛み

日常生活に支障をきたすまでの膝の痛みが改善した

50代女性
主訴
左膝の痛み、腰の痛み、頭痛、睡眠の質の低下
来院に至った経緯

中学生の頃に転倒して棚の角に腰をぶつけ負傷し、その頃から腰痛が続いていた。当初は痛みが強くなることは少なかったが、長時間同じ姿勢を続けたり運動後に違和感を覚えることがあった。高校時代はソフトボールをしていたため、痛みが出ることもあったが、ストレッチや湿布などの対処でやり過ごしていた。

社会人(20代前半)になってからは、年に1回ほどぎっくり腰を発症するようになったが、安静にしていれば痛みが落ち着くため、本格的な治療やリハビリには取り組まずに過ごしていた。しかし、デスクワークが増えるにつれて慢性的な腰痛が悪化し、特に長時間座った後の立ち上がり時に強い痛みを感じるようになった。また、立ち仕事の際にも腰に負担がかかり疲労がたまりやすくなった。

さらに、社会人になってから頭痛が出やすくなり特に夕方に頻発するようになった。目の奥がズキズキするような痛みや後頭部から首にかけての重だるさを感じることが多かった。

また、就寝中に何度も目が覚めるようになり、ぐっすり眠れない日が増えていった。この状態が長年続き、慢性的な睡眠不足により日中の集中力低下や倦怠感を感じることが多くなった。

来院する3か月くらい前に歩行中に体の向きを変えようとした際に左膝を負傷。初めは軽い違和感程度だったが、徐々に痛みが強くなり病院を受診したところ変形性膝関節症と診断された。しばらくは痛みを抱えながら日常生活を送っていたが、階段の上り下りが困難になり歩行時にも痛みが増し、足を引きずるようになってしまった。痛みのために運動が制限され日常動作にも影響が出るようになり、不安が募るようになった。

膝の痛みが日常生活に支障をきたすほど悪化したため家族とともに改善策を模索。ご家族がインターネットでカイロプラクティックについて調べるうちに膝の痛みだけでなく体全体の不調を根本的に改善する可能性があることを知った。これをきっかけに膝の痛みだけでなく長年抱えてきた腰痛や頭痛、睡眠の質の低下なども改善したいという強い思いを抱き、来院に至った。

初診の状態
  • 01

    仙骨全体の浮腫感

  • 02

    左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    左アトラス、後頭部の浮腫感、過緊張

  • 04

    左膝の水腫

経過と内容

腰椎の椎間板の段階がD5レベルであったことから初期集中期の治療として、週3回のケアを提案したが諸事情により週1回のケアから始めた。

3週目(3回目のアジャストメント)では、左膝の炎症も軽減がみられ、来院する前は2週間に1度は水腫を抜く状態であったが、抜かずにすんでいる。

5週目(5回目のアジャストメント)では、骨盤部の浮腫感、腰部起立筋の緊張が以前より軽減していて、前回の治療が維持できてきているように感じた。 歩行も改善がみられた。

9週目(9回目のアジャストメント)では、膝が痛くなってから階段を避けていたが、階段の上り下りで使用痛みが出なくなった。

初回から約3か月経過した13週目(11回目のアジャストメント)では、移動で長時間歩いたが膝は痛みが出なくなった。 膝の症状は、立っていて体の向きを変えようとした際に膝に張り感と痛みが気になる状態。

18週目(20回目のアジャストメント)では、日常生活でも左膝の痛みはほぼ気にならなくなった。立っている際に体の向きを変える動作でも痛みは出なくなった。

現在は、月に1回から2回のペースでケアを継続している。
毎年決まって6月と10月の頃に腰の痛みが強くなっていたが痛みが出ずに生活できている。
さらに、夕方以降に出やすかった頭痛も以前より回数が減ってきており、睡眠の質も安定してきて途中で起きる回数が減ってきた。


考察

今回の左膝の痛みは、徒手検査では靭帯や半月板損傷はみられなかった。病院で変形性膝関節症と診断を受けている通り、変形している部分の炎症が痛みの原因と考えられる。しかし、膝関節が変形してしまうほど負担をかけている根本的な原因は骨盤部からの負荷によるものである。

骨盤の動きが妨げられることで股関節の可動域は大きく影響を受けやすい。股関節の役割の一つとして上半身の重さを二分し、左右均等に分散する働きがある。しかし、これが上手く機能しないと膝関節への負担が増大し、結果として膝の変形や痛みを引き起こす要因となる。

さらに、骨盤や腰部から出る神経は膝関節にも関与しており、体の土台である骨盤部で長期的に神経の流れに負担がかかっていたことも、左膝の損傷部分の回復が低下してしまった要因と考えられる。

骨盤の安定性が向上したことで左膝への負担が軽減し、また神経の流れが正常に戻ることで自然な損傷部分の修復が促され、左膝の改善につながったと考えられる。

今回のケースでは、膝の痛み以外にも就寝中に何度も目を覚ましてしまう睡眠の質の低下や、夕方になると発生する頭痛など、自律神経系の症状がみられた。

自律神経は交感神経と副交感神経で構成されている。交感神経は日中の活動時に優位に働き、副交感神経は就寝時や体を休めるときに優位に働く。就寝中も交感神経のスイッチが切れず、緊張状態が続いてしまっていたことが睡眠の質に影響を与えたと考えられる。

夕方から出る頭痛は緊張性頭痛の特徴であり、交感神経が過剰に働いている人に多くみられる。検査では上部頚椎と骨盤に顕著な反応がみられた。

アジャストメントによってサブラクセーションを取り除き、神経の流れが正常に戻ったことで、症状が改善へと向かったと考えられる。

長年にわたり悩まされていた症状が、神経の流れを適切に整え、脳と体の情報伝達をスムーズにすることの重要性を示す貴重な症例である。

中島 恵

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。

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