日常生活に支障をきたすまでの膝の痛みが改善した
仙骨全体の浮腫感
左胸鎖乳突筋の過緊張
左アトラス、後頭部の浮腫感、過緊張
左膝の水腫
腰椎の椎間板の段階がD5レベルであったことから初期集中期の治療として、週3回のケアを提案したが諸事情により週1回のケアから始めた。
3週目(3回目のアジャストメント)では、左膝の炎症も軽減がみられ、来院する前は2週間に1度は水腫を抜く状態であったが、抜かずにすんでいる。
5週目(5回目のアジャストメント)では、骨盤部の浮腫感、腰部起立筋の緊張が以前より軽減していて、前回の治療が維持できてきているように感じた。 歩行も改善がみられた。
9週目(9回目のアジャストメント)では、膝が痛くなってから階段を避けていたが、階段の上り下りで使用痛みが出なくなった。
初回から約3か月経過した13週目(11回目のアジャストメント)では、移動で長時間歩いたが膝は痛みが出なくなった。 膝の症状は、立っていて体の向きを変えようとした際に膝に張り感と痛みが気になる状態。
18週目(20回目のアジャストメント)では、日常生活でも左膝の痛みはほぼ気にならなくなった。立っている際に体の向きを変える動作でも痛みは出なくなった。
現在は、月に1回から2回のペースでケアを継続している。
毎年決まって6月と10月の頃に腰の痛みが強くなっていたが痛みが出ずに生活できている。
さらに、夕方以降に出やすかった頭痛も以前より回数が減ってきており、睡眠の質も安定してきて途中で起きる回数が減ってきた。
今回の左膝の痛みは、徒手検査では、靭帯や半月板損傷はみられなかった。 病院で変形性膝関節症と診断を受けている通り変形している部分の炎症が痛みの原因と考えられるが、その膝関節が変形してしまうほど負担をかけている原因があり、ほとんどの場合が骨盤部から負荷がかかったことである。
骨盤の動きが妨げられることで股関節の可動域は大きな影響受けやすい。股関節の役割の一つとして、上半身の重さを二分し左右均等に分散する働きがあるが、これらが上手くできないと膝関節への負担も大きくなってしまう。
さらに、骨盤や腰部から出る神経は膝関節にも関与しており、体の土台である骨盤部で長期的に神経の流れに負担がかかっていたことも、左膝の損傷部分の回復も低下してしまったものと考えられる。 骨盤の安定性が向上してきたことで左膝への負担が軽減したことと、神経の流れが正常に戻り自然に損傷部分が修復され左膝が改善したのだと考える。
今回の患者様は、膝の痛み以外にも就寝中何度も目を覚ましてしまという睡眠の質の低下や頭痛などの自律神経系の症状がみられた。 自律神経は交感神経と副交感神経で構成されている。交感神経は日中活動する時間帯で優位に働き、副交感神経は寝るときや体を休めるときに優位に働く。
就寝中、何度か目を覚ましてしまう問題では、交感神経のスイッチが切れずに、睡眠中も緊張状態が続いてしまっている状態である。 頭痛の問題では、決まって夕方から出る頭痛は緊張性の頭痛であり、交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。
検査でも上部頚椎と骨盤に反応が顕著にみられ、これらの症状から副交感神経に絞ってアプローチをした。
今回の症例では、骨盤のサブラクセーションの下肢への影響、自律神経系の症状もみられ、初めから問題の神経系を絞ってアプローチをすることにより段階を踏んで経過をみていくことが出来ることを改めて実感できた。
執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。