
左耳介上位
右仙骨翼の浮腫感
右短下肢
初診時の状態では、下部頚椎と骨盤には明らかな可動域制限と強い浮腫感、体表温度検査では明らかに左右の温度の誤差が確認された。
初期集中期として週に2回のペースでケアを提案したが、仕事の関係上週1回のケアも難しく、可能な限りお越し頂いた。
4週目(3回目のアジャストメント)には、腰部脊柱起立筋の筋緊張軽減、仙骨翼の浮腫感軽減。右下腿の痛みは改善し、右臀部の痛み残存、大腿後面の痛みは疲労が溜まる頃に出やすい。
11週目(3回目のアジャストメント)には、バイクの免許を取るために教習所へ通い始めた。最初は腰の痛みから教習所へ行くことを悩まれていたが、腰痛の症状も落ち着き決断した。
13週目(7回目のアジャストメント)には、仕事で出張後に来院された。前かがみの動作で腰の痛みがある。腰部脊柱起立筋の筋緊張のはみられたが、仙骨翼の浮腫感は改善し維持できている状態と確認できた。
現在は症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。
今回の腰から右脚にかけての痛みは、骨盤のバランスの乱れが長期間にわたって腰椎へ負担をかけ続けたことにより生じたものと考えられる。
問診では、自律神経系の症状は特にみられず、主に筋骨格系の問題としてアプローチを開始した。検査では、腰部の椎間板の段階はD5レベルであり、これは少なくとも10年以上前から腰椎の椎間板に負担がかかり続けていたことを示している。
骨盤のサブラクセーションが長期的に続いたことで、背骨全体の配列に負担となり、その結果、腰椎の椎間板には日常的に捻じれのストレスがかかっていたと考えられる。このような状態を放置していたことで、次第に腰椎の神経に過度な圧迫がかかるようになり、その影響が腰部から右脚へと広がる形で痛みとして現れるようになったと考えられる。
右脚の痛みが強くなった背景には、骨盤のバランスの乱れによって腰椎の神経が圧迫され、下肢への神経伝達が正常に機能しなくなったことが影響し、この結果、神経の働きが低下し、痛みやしびれといった症状が現れたと考えられる。
問題の根本原因を特定しアジャストメントによって骨盤のバランスが整い、神経の流れが正常に働くことで自然と回復することに繋がったものと考えられ、神経の働きの重要性が分かる症例である。
執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。