立ち上がれず日常生活に支障をきたすほどの激しい腰痛
右PSIS下端に大きい浮腫
右臀部に神経痛のような刺される痛み
両足先の痺れ
今回のケースは鋭い痛みに加え、両足先の痺れ・歩行時の痛みなどの症状は骨盤部のサブラクセーションの可能性が考えられたことに加え、右の仙腸関節部に大きい浮腫が確認され、はっきりとした可動制限が見られたため、まずは骨盤部のアプローチから始めることにした。
またレントゲン評価ではL5の椎間板レベルがD5-6とかなり慢性的で、少なくとも10年から15年負担がかかり続けていたと考えられる。
骨盤部は副交感神経領域によって支配されており、上部頸椎もそれに当てはまる。今回のケースでは骨盤部だけでなく上部頸椎にもはっきりとした可動制限と浮腫・緊張が確認できたことから副交感神経領域のサブラクセーションによって交感神経が過剰に働いた結果、不眠などの症状も出てしまっていたと考えられるため、今回は副交感神経に絞ってアプローチを開始した。
アジャストメントを続けていく中で、骨盤部と上部頸椎の安定とともに症状が安定してきたことから、副交感神経領域のアジャストメントによって脳が身体の情報を正しく認識できるようになったことで自然治癒力が最大限発揮され、症状の改善につながったと考えられる。
執筆者塩川カイロプラクティック治療室高島 克哉
神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。