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起床・トレーニング時の腰痛

起床・トレーニング時の腰痛

両足が攣ることも落ち着いた

70代男性
主訴
腰痛
来院に至った経緯

現在は自治体からの依頼を受け、コンサルタント業務に従事している。現役時代は海外出張が多く、国内外を飛び回る多忙な生活を送っていた経歴を持つ。若い頃から活動的であり、中学時代にはサッカーに打ち込み、その際に大きく転倒して腰を痛めた経験がある。その後も大学までサッカーや陸上競技など、さまざまなスポーツに取り組み、身体を動かすことが生活の一部となっていた。

しかし、20代の頃にぎっくり腰を発症し、その際には整形外科医である兄のもとで診察を受け、入院を要するほどの強い症状を経験した。この出来事をきっかけに腰への不安を抱くようになり、その後も現在に至るまでに何度かぎっくり腰を繰り返している。

日常生活においては、朝の体操時に足が攣りやすい状態が続いており、身体のコンディションに対する不安を感じる場面が増えている。健康意識は高く、以前は健康維持のために月間200キロを走る習慣があったが、現在は年齢や体調を考慮し、散歩や自宅での筋力トレーニングへと運動内容を調整している。

現在の腰の状態としては、耐えられないほどの強い痛みがあるわけではないものの、過去の経験から「いつ再発するかわからない」という不安が常に付きまとっている。特にこれまで繰り返してきたぎっくり腰の経緯から、根本的に身体の状態を整えておく必要性を感じるようになっていた。

そのような中、日頃から塩川カイロプラクティックでメンテナンスを受けている妻の紹介を受け、当院の存在を知ることとなった。妻の体調が安定している様子を身近で見ていたこともあり、自身の健康維持および将来的な不安の軽減のためにも、一度しっかりと身体を見直したいと考え、来院に至ったものである。

初診の状態
  • 01

    左仙腸関節周囲の浮腫

  • 02

    左仙腸関節の可動制限

  • 03

    後頭下筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙骨周囲の浮腫、左腰部起立筋の過緊張、左後頭下筋・胸鎖乳突筋の過緊張が確認された。体表温度検査では、仙骨と胸腰移行部と下部・上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙腸関節と頸椎1番に可動制限が認められた。

レントゲン評価では、腰部レントゲン側面像では、前弯カーブ減少傾向でL5がD6レベルと慢性的な段階が確認された。
頸部レントゲン側面像では、前弯カーブは減少傾向で、C7がD5に移行する慢性的な段階が確認された。

初期集中期では本来は週3回の慢性度合だが、仕事の都合上、2週1回のケアから始めた。

6週目(4回目のアジャストメント)には、朝起き上がる時やスクワットをするときの腰の違和感が落ちついて不安感が減ってきた。左仙腸関節の浮腫はまだ見られるが、後頭下筋の過緊張も軽減してきた。

10週目(6回目のアジャストメント)には、日常生活動作では腰の不安を感じることはなくなった。また、睡眠もしっかりとれるようになってきた。運動時はたまに攣ることはある。左仙腸関節周囲の浮腫も軽減してきた。左後頭下および胸鎖乳突筋の緊張も軽減してきた。通院間隔を空けていくこととした。

26週目(10回目のアジャストメント)には、運動しても足が攣ることは無くなってきた。調子が良いので、好きなお酒もたくさん飲めると喜んでいた。

現在も定期的なカイロプラクティックケアを希望しており、メンテナンスをしていくこととした。


考察

本腰部および頸部ともに慢性的な変性が強く、長期にわたる神経への負担が蓄積していたことが示唆される状態であった。

初診時には左仙骨周囲に浮腫が確認され、左腰部起立筋、後頭下筋、胸鎖乳突筋に過緊張がみられた。

体表温度検査では、仙骨、胸腰移行部、さらに上部・下部頸椎にかけて明らかな左右差が認められ、骨盤から頸部にかけて神経伝達の不均衡が存在していたと考えられる。

また左仙腸関節および頸椎1番に可動制限が確認され、構造的な問題と神経機能の乱れが相互に影響している状態であった。

レントゲン評価においても、腰椎は前弯カーブの減少とともにL5がD6レベル、頸椎も前弯減少とC7がD5レベルへ移行する慢性的な段階であり、長期的なストレス環境下にあったことがうかがえる。

本来であれば、こうした慢性度の高い症例では初期集中期に高頻度でのケアが望ましい状態であったが、仕事や通院環境の制約により、実際には間隔を空けたペースでのケア開始となった。

それでも経過とともに、起床時や運動時に感じていた腰の違和感や不安感は徐々に軽減し、左仙腸関節周囲の浮腫や後頭下筋の過緊張にも変化がみられるようになった。

この段階で、神経伝達が少しずつ改善し、身体が回復しやすい状態へと移行し始めていたと考えられる。

さらに経過が進むと、日常生活において腰の不安を感じることはほとんどなくなり、睡眠も安定して取れるようになった。

運動時にみられていた筋の攣りも次第に軽減し、左仙腸関節周囲の浮腫や頸部の筋緊張も落ち着いていったことから、骨盤および上部頸椎を中心とした神経機能の回復が全身の状態改善につながったものと考えられる。

その後は運動時の不調も消失し、日常生活のみならず嗜好面においても余裕が生まれるなど、生活の質の向上が認められた。

本症例において特筆すべき点は、理想的な頻度でのケアが困難であったにもかかわらず、継続的なアジャストメントにより回復に至った点である。

通院間隔が空く状況であっても、一回一回のアジャストメントが神経伝達の改善に寄与し、身体を回復しやすい状態へと整えていくことの重要性が改めて確認された症例である。

遠方からの来院や仕事の都合により十分な通院が難しい患者に対しても、継続的なケアの積み重ねが十分に有効であることを改めて実感した症例であった。

金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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