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腰痛に伴う右股関節の痛み

腰痛に伴う右股関節の痛み

庭作業中(草刈り・草むしり)での腰の痛みの改善例

60代男性
主訴
腰痛、右股関節痛
来院に至った経緯

思えば約10年前、仕事で右足に負担がかかる作業の後に右股関節を痛めたのがすべての始まりだった。その時はまだ働き盛りであり、体の事は二の次。当時は整体や接骨院で治療を受けたり、もしくはストレッチや安静にしていればすぐに楽になったため、だましだまし体を働かせていた。

仕事を退職した後、実家で植木や柿の木の剪定に忙しい日々を送っていた。しかし、来院の4日前、剪定作業中に腰と右側の股関節の前面に痛みが走った。その時は安静とストレッチで一時的には落ち着いたものの、次の日にはまた草刈りと長時間の車の運転が続き、痛みは一気に悪化した。

特に同じ姿勢を長く続けたあとに鋭い痛みを感じ、車から降りた瞬間は足が前に出せないほど歩行困難な状態になった。痛みは右股関節の前面から腰のベルトライン付近にかけて集中しており、草刈りや長時間の運転、座位からの立ち上がりの際にも激しい腰痛が襲ってきた。夜は眠れるものの、寝返りや起床時に鋭い痛みが走るため、痛みの恐怖を感じるようになった。

今回もストレッチや安静で乗り切ろうと思ったのだが、時間が経っても改善の兆しが見えず、「これは今までと違う」と強く感じた。そんな折、実の母親が当院に通い、症状が安定してきた様子を間近で見てきた。それを思い出し、「自分も早く良くなりたい」「草刈りを再開したい」という思いから当院へ来院の運びとなった。これからの夏場から秋に向けて、柿の木を選定し、美味しい実がなることを楽しみにしている。

初診の状態
  • 01

    頸部から両肩への過緊張

  • 02

    右PSIS下端にくぼんだ浮腫

  • 03

    腰部起立筋・右殿部の過緊張

経過と内容

初診時の状態では、頸部から両肩にかけて明らかな筋緊張が認められ、左環椎後頭関節の可動域制限が確認された。また、腰部起立筋および右殿部にも強い緊張が確認され、右PSIS下端にはくぼんだ浮腫と、右仙腸関節に可動域制限、右足の長下肢が確認された。

レントゲン分析では、頸椎側面像において椎間板はD4レベルの変性を示し、長期にわたる慢性的な段階であることが確認された。さらに頸椎の前弯カーブは減少し、ストレートネックに近い形状を呈しており、C6からT1にかけては橋状仮骨の形成も認められた。腰椎側面像では、椎間板はD4レベルの慢性的な変性を示していた。そのため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

2回目のアジャストメントには、腰痛が大きく軽減した。ただし、最大屈曲・最大伸展時にはまだ腰痛を感じ、動かしにくさを感じている。

5回目のアジャストメントには、腰部状態が大きく改善した。具体的には草刈りが再開できるようになるほど。同時に、右股関節の痛みも徐々に改善され、歩行に感じていた痛みも気にならなくなってきた。骨盤の動きが改善され、兆候も落ち着いたため、腰部のアジャストメントに移行。

8回目のアジャストメントには、木の剪定や草刈りを頑張っても腰痛は出現せず、思うように作業が進んでいる。この頃には寝返り時の腰痛もほとんど感じない。現在、ほとんどの症状は落ち着き、とにかく安堵している。しかし、これから秋にかけて、柿の剪定がさらに忙しくなる見込みである。体の状態を維持するため、定期的なカイロプラクティックケアを継続中。柿の収穫が楽しみであるとのご報告を頂いた。

 


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKAカイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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