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痛くて動けない、月に一度の激しい腰痛

痛くて動けない、月に一度の激しい腰痛

30代男性
主訴
腰痛、臀部の痛み、肩こり
来院に至った経緯

学生時代にソフトテニス部に所属し、競技に真剣に打ち込んでいた。大会が近づくと練習量が増え、筋力トレーニングや技術練習に加え、毎晩遅くまでの自主練習が続いた。ある日、オーバーワークにより腰の筋を痛め、その後2週間程度ほぼ寝たきりの状態となってしまった。

接骨院での治療を受け、痛みは軽減したものの違和感は完全には消えず、叩きたくなるような鈍い痛みが残った。復帰後もバイトでの重労働や長時間の練習後には、腰の違和感や痛みを感じることが増えた。
さらに社会人になって運動量が減少すると、筋力の低下とともに腰への負担が増したと感じるようになった。

特に異変を感じたのは、朝の起床時に左足の付け根(特に臀部)に激痛が走るようになったことだった。
痛みは筋肉痛に似ていたが、より鋭く深いもので、数分間動けないほどの激痛だった。この症状は月に1度程度の頻度で発生し、寝起きに強い痛みがあることで、朝の活動開始に大きな支障をきたすようになった。

病院で検査を受けたものの、明確な異常は見つからず「坐骨神経痛」と診断された。
整体院などで治療を試みたが、一時的な軽減はあったものの、根本的な解決には至らなかった。
仕事の忙しさもあり、痛みが出る日が限られていることを理由に治療を先延ばしにしてしまった。

結果として数年間放置し続けてしまったが、30歳を過ぎても痛みの頻度や程度に変化がないこと、さらに年齢を重ねることで今後さらに悪化するのではないかという不安が募ったため、友人の紹介で来院を決意した。

初診の状態
  • 01

    腰部起立筋の過緊張

  • 02

    C1の左可動制限

  • 03

    左胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容

初診時(1回目のアジャストメント)において、腰部前弯カーブが増大し、L5がD3レベルにあり、頸部の前弯カーブは減少してストレートネック傾向が認められたため、初期集中ケアとして週1~2回のペースでケアを開始した。
S3P(仙骨)およびASL(上部頚椎)のアジャストメントを行い、副交感神経の機能回復を優先的に進めた。

2週間後(2回目のアジャストメント)には、寝不足が続いていた影響で左胸鎖乳突筋の硬さと左側屈制限が顕著であったが、ペルビックベンチでのセットアップ時には前回よりも左臀部の緊張や痛みが軽減していることを確認し、アジャストメント後には腰部の違和感が若干和らいだ。

4週間後(5回目のアジャストメント)では睡眠の質に改善が見られ、従来は0:00に寝て1:30に目覚める状態だったが、一度も起きることなく6:00まで眠れるようになり、副交感神経の機能回復を示唆していた。

6週間後(7回目のアジャストメント)には寝つきが安定し、夜間の覚醒もなくなり、あぐらがかきやすくなるなど日常生活での可動域が改善していた。しかし、下部胸椎(T3、T4)には引っかかりがあり、可動性の制限が認められたため継続的なケアが必要と判断した。

8週間後(8回目のアジャストメント)では腰の重さや違和感が消失し、仕事中も快適に過ごせるようになったほか、首の軽さや可動域の広がりを感じるようになり、寝起きの腰のつらさが改善し身体の回復が早くなったとの報告があった。10週間後(10回目のアジャストメント)には臀部の痛みが一時的に出現したが、その日のうちに改善した。

以前は数日間続いていた痛みも回復が早くなり、長時間の座位でも腰や臀部に痛みが出なくなり、疲れや違和感があってもすぐ回復するようになったことを確認した。仙腸関節の可動性も確認し、リスティングS3Pで継続するが、必要に応じて仙腸関節の調整に移行する可能性があると判断した。


考察

本症例の坐骨神経痛の問題は、土台である骨盤(仙骨含む)の不安定さから腰部に負担がかかり、神経が圧迫されていたことによるものと考えられる。さらに筋肉の過緊張は、副交感神経の機能がサブラクセーションによって低下したことによって、交感神経が過剰に働いてしまっていることも原因だと思われる。

副交感神経サブラクセーションの特徴として、鋭い痛み(Sharp Pain)、早い痛み(Quick Pain)、筋硬直、両側の症状などが挙げられるが、今回の症例では、腰の鋭い痛み、筋肉の過緊張などがみられた。

しかし、学生時代の接骨院治療後に残った違和感は、トントンと叩きたくなるような鈍い痛みであり、症状は左側のみに残ったという状態からは、交感神経サブラクセーションの特徴である、鈍痛(Dull Pain)、遅い痛み(Slow Pain)、片側のみの症状も当てはまっていた。

自律神経症状がある場合、必ずどちらかの神経系に絞ってアプローチする必要がある。今回は、土台の崩れから交感神経領域である腰椎に負担がかかっていたため、土台である仙骨、副交感神経領域からアプローチを開始した。

また、初診時に本人は特に問題を感じていなかったようであるが、ヒアリングの中で中途覚醒など不眠の傾向があることがわかった。これは交感神経が優位な状態のまま睡眠に入ることで深い睡眠が阻害され、夜間の回復力が低下し、疲労の蓄積を招いていたために起こった可能性も考えられた。

結果的に、初回のアジャストメント後から臀部の緊張が軽減し、腰部の違和感も和らいだため、方針を変えずにアジャストメントを継続した。副交感神経の働きが正常化したことによって、睡眠の質が改善し、身体の回復力が向上したことで疼痛が軽減、数日間持続していた臀部の痛みも消失、可動域制限の改善につながったと考えられる。

さらに交感神経の過活動が抑制された結果、長時間の座位でも腰部や臀部に疲労感や痛みを感じにくくなったことも特筆すべき変化である。

今後のケアでは、土台へのアプローチを継続しつつ、変化をみながら腰椎5番(L5)へのアプローチも視野に入れ、長期的な改善を進めていく必要がある。

今回の症例では、副交感神経に絞ったアジャストメントを行ったことで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、慢性疼痛が軽減し、生活の質が改善された。どのような症状でも、問題の神経系を絞ってアプローチし、神経の流れを整えて、身体の情報を脳へ正しく届けることの重要性が分かる症例である。

菊地 雄介

執筆者塩川カイロプラクティック・埼玉カイロプラクティック 大宮Kソレイユ菊地 雄介

埼玉県熊谷市出身。スポーツインストラクターを専門的に学び、大手整体サロンに就職。副店長として施術と人材育成にも携わるが、本格的な施術で多くの方を健康に導きたいと思い独立。様々なセミナーを通じ探求する中で塩川カイロプラクティックに出会う。身体が劇的に変化していくのを目の当たりにし、この道を極めたいと考えてシオカワスクールに入校。本物のカイロプラクティックの可能性と奥深さに感動し「本物の技術を学び、より多くの人に伝えたい」という想いが強くなり、塩川カイロプラクティックでの勤務をきめた。カイロプラクティックの力で皆様の健康を全力でサポートします。

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