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坐骨神経痛を伴う腰痛

坐骨神経痛を伴う腰痛

40代女性
主訴
腰痛とそれに伴う坐骨神経痛
来院に至った経緯

美容師として長い期間にわたって腰に痛みを抱えながら仕事を続けてきた。子供も生まれ、抱っこをする機会が増えたりしたことで慢性的にあった腰痛が徐々に強くなり、3年後には朝起きると足の感覚が弱く抜けてしまう感覚に陥った。
無理して動いているうちに感覚は戻ってくるが、右足臀部から足先までの痛みと痺れが出ていて、日常生活中も立ち姿勢が30分続くと座らなければいられない状態だった。ついには両足の裏にも痛みが出るようになり、流石に日常生活に支障が出ているためカイロプラクティックを受け始めた。しかし長期間定期的に通うも症状が変化することはなく、症状はどんどん進行していった。
寝起きの足の感覚は無くなり、日中は腰痛がひどく常に痛みを感じている状態で、子供を連れて出かけることも困難になり始めた。
そんな中でもカイロプラクティックに通い続けていたが、あるときに塩川カイロプラクティックを知り、最後の望みをかけて来院された。

初診の状態
  • 01

    臀部から足先にかけての痺れ

  • 02

    30分の立位で座らなければいけない腰痛

  • 03

    寝起きの足首と足の裏の痛み

経過と内容

4回目のアジャストメントの際、右仙腸関節にアプローチを絞って続けていたが症状はもちろん、有意な変化は特に見られなかった。
右仙腸関節のフィクセーションは依然として残っており、仙骨の浮腫や体表温度検査にも変化がない状態だった。
その中でも症状は進行し続けている状態で、寝起きに立ち上がった際に右足の感覚が弱い状態から無くなるような感覚までになっていた。
しかし、足の裏は以前よりも若干痛みは減ってきている状態だった。

8回目のアジャストメント時までも、アジャストメントはしっかりと行えているものの有意な変化は見られなかったが、右足の痛みが外側に移動してきた。足の裏の痛みは両足とも少しずつ変化しており、もう少しといった感じだった。

12回目のアジャストメント時までは右PIEXでのアジャストメントを続けていた。しかし足の裏などの症状には少し変化あるものの、検査上では明らかな変化は見られないため、仙骨S3Pでのアプローチに切り替えた。

19回目のアジャストメント時までに徐々に浮腫の大きさに変化が見られ、20回目には有意な変化が見られるようになってきた。寝起きの腰痛が緩和し、足の感覚も戻ってきた。
右仙腸関節のフィクセーションも仙骨アジャストメントのみで動きが見違えるように出始め、右足の痺れの頻度も少し減ったとのことだった。

27回目のアジャストメント時には仙骨全体にあった浮腫が一ヶ所に集まってきた。
臀部から足先までの痺れは足先だけになり、頻度や強さも緩和していた。立ちっぱなしの腰痛も徐々に緩和され、日常生活では気になることが減ってきた。また、子供と普通に遊びに行くことができるようになり、会話中の笑顔も増えてきた。

このタイミングから徐々に間隔を開け、10日に1回、14日に1回としていった。
現在は2~3wに1回のペースで来院を続け、さらなる改善に向けてカイロプラクティック・ケアを続けている。


考察

今回は常時ある腰痛に加え、坐骨神経痛などが見られたケースでした。
腰痛の問題は多くの場合、骨盤・腰部のサブラクセーション(神経伝達の異常)が原因と考えられます。
骨盤部に問題がある場合、どの姿勢をとっても痛い、座り姿勢が30分ほどで腰痛が出てくる、痛みで座ることができない、膝まで痛みが広がるなどが特徴として多く見られます。
腰部部に問題がある場合では、座り姿勢から立つ時に痛み、座り姿勢が1時間以上続くと痛みが出たり、足先まで痛みが広がる、歩行時は比較的楽になったりなどが特徴として多く見られます。

今回のケースでは足先まで痛みが広がり、寝起きの腰痛・座り姿勢30分程での腰痛、立ち姿勢での腰痛など、骨盤部と腰部の両方の問題が考えられましたが、検査では右仙腸関節の可動制限・仙骨3番を中心とした大きい浮腫など、骨盤部の問題の兆候が顕著に見られました。
こういったケースの場合、
・腰部にも骨盤に問題があるケース
・骨盤のサブラクセーションによって腰部に負担がかかっているケース
・骨盤のサブラクセーションを補正して腰部がにも負担がかかっているケース
などが考えられます。

今回は骨盤部のアジャストメントから始めましたが、右腸骨のアジャストメントを続けているなかで症状はもちろん、検査にも目立った変化は見られませんでしたが、その後仙骨にアジャストメント部位を切り替えてからは仙骨の浮腫感や右仙腸関節の可動制限などが明らかに変化しました。そのタイミングから症状にも変化が現れ始め、徐々に腰椎5番の動きにも変化が出てきたことから、骨盤部のサブラクセーションが腰椎にも影響を与えていたことが分かりました。
今回の症例では骨盤のサブラクセーションを取り除いた結果、腰部にかかる負担が減ったことで症状の改善に繋がったと考えられます。

高島 克哉

執筆者塩川カイロプラクティック治療室高島 克哉

神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。

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