1日コルセットを巻いていないと生活できない状態の腰痛
美容師のお仕事をしていて、4年前から腰痛で悩まされている。仕事で朝8時から22時まで1日14時間と長時間の立ち姿勢が続いたことで腰痛になってしまった。
整形外科でのレントゲン診断では、特に異常は見つからず、コルセットを処方された。現在は、1日コルセットを巻いていないと生活できない状態となってしまった。また、左下で寝ると腰に痛みが走るため、現在ではコルセットを巻いて寝るようにしている。
他にマッサージで腰痛の対処もしてきたが、一向に完治に至らず。現在では、腰をかばっていたせいか、首を左右に動かしたときも腰に違和感が出てきているため、動作の開始時には、慎重に動かしている。職場の店長に心配され、当院を紹介され来院した。
また、幼少期の時から副鼻腔炎で悩まされていた。
左仙腸関節の可動域制限
腰と骨盤周りの温度誤差(低温)
骨盤左側に浮腫の確認
初診時では、左仙腸関節の可動域制限と大きな浮腫が仙骨に確認された。脚長差も左足が2センチ長下肢になっていた。また、腰部全体が低温も確認された。レントゲン評価では、椎間板の段階を確認した。腰部のL5の椎間板がD3の状態で、お仕事でも日常生活でも支障をきたしていたため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。
1回目のアジャスト後から、コルセットを外したまま仕事をすることができた。ケアを始めて2週後(4回目のアジャスト)では、コルセットを外した状態でも左下で寝れるようになった。コルセットを外したまま仕事ができているが、夕方から夜になると未だ腰に違和感で出る。
4週後(8回目のアジャスト)では、仕事、日常生活ともに1日の終わりになっても腰に違和感が出ることは無くなった。現在は、身体のメンテナンスとして週1回で来院しているまた、幼少期から患っていた副鼻腔炎も腰の違和感がなくなると同時に鼻の通りがスムーズになった。
コルセットに頼らなければいけないほどの腰痛になった原因は、左仙腸関節のサブラクセーションが考えられる。サブラクセーションが存在することで、脳と体の繋ぐ神経伝達に妨害が発生します。その結果、きちんと脳が腰の状態を把握することができなかったために、完治することはなくコルセットに頼らなければいけないくらい状態が悪化したと考えられます。
左仙腸関節のサブラクセーションが解放したことによって、脳が体の状態を把握し自然治癒力が正常に働き、長時間の立ち仕事でも対応できる状態へと改善した。
副鼻腔炎は、ウィルスや細菌などにより、副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。通常の場合、ウィルスや細菌の死骸などの老廃物を副鼻腔から排泄することで改善しますが、この排泄物が副鼻腔に溜まってしまうことで副鼻腔炎の症状に悪化していきます。特に、分泌液が過剰で、排泄がスムーズに行われない原因は、交感神経が過剰になっている状態にあります。
今回、ケースでは、副交感神経の支配である骨盤部のサブラクセーションがアジャストメントによって解消。交感神経の過剰な状態が解消したことによって副鼻腔炎も同時に改善したと考えられる。
執筆者塩川カイロプラクティック治療室塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。