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腰椎分離すべり症

腰椎分離すべり症

腰の手術後でも痛みが続いていた症例

50代男性
主訴
腰椎分離すべり症の術後に伴う左足のしびれ
来院に至った経緯

去年の8月、仕事を終えた後、足先が動きにくくなっていることに気づいた。特に足の親指に力が入らず、反らせるような動作が出来なくなった。休めばよくなるものと思っていたが、数日経っても症状は変わらないため、近くの整形外科で診察を受けた。

レントゲンを撮影したところ、「脊柱管狭窄症」ではないかと疑われ、大きな病院でMRI検査を受けたところ「第5腰椎分離すべり症」との診断を受けた。治療には手術しかないと言われ、8月末頃に腰部をボルトで固定する手術を受けた。

手術後しばらくは症状が安定していたが、3か月後の11月頃から再び腰痛やしびれが出現し始めた。気になって再度病院で診察を受けたところ、手術は成功しているので、様子を見るとの回答だった。しかし、時間がたっても腰痛やしびれは変わらず、趣味のゴルフを再開しようとしたが、痛みが強く、中止せざるを得なかった。

疼痛は夕方に特に強い気がする。夜中に起きるということはないが、寝ていても腰に痛みを感じるため、寝つきが悪い。

また、手術後は週末にはジムに通い、姿勢改善や筋力トレーニングを行うように指導されていたが、運動時に痛みを感じることがあるため、思うようにはトレーニングができていない。営業職のため車の運転をする機会が多いが、運転中に足の違和感を強く感じるようになり、仕事にも支障をきたしている。

しびれは左足に感じる。左足のしびれは特に親指に強く、筋力が入りにくい感覚がある。特に運転時に症状が気になることが多い。次に長時間の立ち仕事が気になる。このままでは仕事が出来なくなるだけでなく、趣味のゴルフもできないため、焦りを感じていた。そんな時に奥様が元々当院に通院されており、相談を持ち掛けられたところから来院に至った。

初診の状態
  • 01

    左側の仙腸関節の可動制限

  • 02

    腰部から殿部にかけての起立筋の緊張

  • 03

    左短下肢

経過と内容

初診時の視診では、左耳介上方および左短下肢が確認された。体表温度検査では、S2、C7、C1に誤差が認められた。静的触診では、左仙骨翼にスポンジ状の浮腫が確認され、加えて左側のアトラス横突起にも浮腫が認められた。動的触診では、左SIおよびC1に可動制限が確認された。レントゲン評価では、腰椎側面像にて腰椎骨盤と腰椎の移行部に手術用ボルトが確認され、さらにL5の椎間板はD6と慢性的な段階であった。また、胸椎側面像では、T1からT12までの胸椎に右凸の側弯が見られた。

レントゲン評価より、週3回のケアを提示したが、仕事の都合上、週2回のケアから開始した。初回のアジャストメントには、腰椎と骨盤の移行部に手術用ボルトがあるため、負担がかからないよう注意しながら施術を実施。アジャストメント後でも腰の突っ張り感は残存していた。足のしびれは継続していたものの、動作時の痛みの変化は見られなかった。

3回目のアジャストメントには、レントゲン画像を基に再評価。腰部の突っ張る感じは変わらず、足のしびれは依然として気になっているが、歩行には大きな支障がない。運転中の違和感が減少し、ジムでの軽い運動は続けられているとのこと。

7回目のアジャストメントには、足先の感覚が徐々に戻ってきた。これまでなかなか改善が見られなかった筋力低下についても、若干の改善傾向が見られ、ジムでの運動時に力が入るようになった。仕事の際の運転中に感じていた足の違和感が軽減し、長時間の運転にも耐えられるようになってきた。

8回目のアジャストメントには、来院前に病院で定期診察を受け、手術部位のボルトに問題がないことを確認。痛みは依然として残るものの、日常生活での不便は徐々に解消されつつあり、姿勢の変化を自覚できるようになってきた。

13回目のアジャストメントには、ゴルフの打ちっぱなしで練習を開始した。また、ジムでも違和感は少し残るものの、トレーニングを行うことが出来ているという報告を頂いた。このままいけば春にはゴルフに出れることが嬉しい様子であった。引き続き、メンテナンスを行いながら経過を見ていくこととした。


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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