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脊柱管狭窄症症による間欠性跛行

脊柱管狭窄症症による間欠性跛行

サイクリングができるようになった

70代男性
主訴
脊柱管狭窄症症による間欠性跛行
来院に至った経緯

一昨年3月、サイクリングに出かけていてバランスを崩して転倒し、腰を負傷した。病院で検査を受けたところ、「第2腰椎圧迫骨折」と診断された。圧迫骨折であるが、特にコルセットなどは処方されなかった。近所の整形外科でフォローを受け、飲み薬やシップなどで対処していたが、腰の症状がどんどん進行していた。この時期には歩いていても途中で腰に痛みを感じて歩けなくなることもあった(間欠性跛行)。

痛みが続くため一昨年6月に整形外科の紹介で、別の病院にてMRI検査を受けたところ、「腰部脊柱管狭窄症」と診断された。そこからも飲み薬やシップをしていたが変わらなかったため、地元の鍼灸院で治療を受けていた。しかし、2か月ほど定期的に通院したが、あまり効果がみられなかったため通院を中止し、リハビリを行っている病院で運動療法や生活指導を受け、少し生活の中で動きや痛みが軽減したものの、今度は前かがみの姿勢が強くなっていった。この姿勢では急激に老化が進んだような感覚になり、これからの自分の身体に不安を覚えるようになる。姿勢を伸ばそうとしても、腰を反らせると痛みがあり、伸ばしにくい。これと同時に座るときにも腰痛を感じる。

また趣味のサイクリングも最近は思ったようにはできず、以前は50kmほどの距離を走行しても問題なかったのであるが、現在は不安から走っていないので、寂しさを感じていた。他に何か手立てはないものか探していたところ、2つ隣の町ではあるが、当院患者の脊柱管狭窄症症が回復したというインターネットの口コミを見つけ、自分も何とか痛みから回復できればと思い、来院に至った。

姿勢が悪くなってから肩こりも感じるようにもなっていた。自分では特に対処などはせず、病院などで診察も受けてはいない。高血圧の影響もあるため、そのせいであるとも思っていたとの事。去年の2月には病院の検査で大動脈狭窄症と診断され、3月に手術を済ませている。

初診の状態
  • 01

    胸椎下部から殿部までの過緊張

  • 02

    頸部全体の過緊張

  • 03

    立位での前かがみ姿勢(前傾姿勢)

経過と内容

初診時の状態では、下部腰椎と上部胸椎に浮腫感や可動域制限がみられた。体表温度検査では骨盤、下部腰椎、上部胸椎に左右の温度差が確認された。頚部と胸椎下部から殿部までが過緊張状態であった。レントゲン評価は腰椎部のみではあるが、L1/2、L2/3椎間板の段階はD4レベルである。初期集中期では週2回のケアを提示したが、遠方のため途中で週1回のペースとなっている。

3週目(4回目のアジャストメント)には、腰を伸ばすとまだ痛みはあるが、伸ばしやすくはなっている。歩くリハビリにおいてはしやすくなった。

6週目(8回目のアジャストメント)には、自分でもわかる程、姿勢が改善してきたとの報告をいただいた。以前は前かがみのまま元に戻らなかったが、自分で姿勢を正してリハビリをできるようになってきている。またストレッチも痛みなくできるようになってきた。最近は肩こりも気にならなくなってきている。そろそろサイクリングの練習をしてみたいとの意欲が聞かれた。

12週目(12回目のアジャストメント)には、継続した体調の良さを感じている。姿勢はほとんど曲がっておらず、病院のリハビリでは回廊を5周ほど歩いても痛みなく歩くことができており、自信がついてきた。また、このタイミングでサイクリングを再開した。走行中iPhoneのアプリで計測したところ、38kmもの距離を走行できるようになっており、このサイクリングの後にも腰痛が強くなることはなかった。

現在では健康維持のために、月1回程度のペースでメンテナンスとして継続中である。


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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