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パソコンを使用するようになってからの肩甲骨の痛み

パソコンを使用するようになってからの肩甲骨の痛み

体中が痛む症状の改善例

50代女性
主訴
肩甲骨の痛み、右腕のしびれ、腰・右膝の痛み、睡眠の質の低下
来院に至った経緯

肩甲骨の痛みについては30代に入り事務の仕事でパソコンを使用するようになった頃から出現した。肩こり自体は小学生の頃より持続しており、長い付き合いである。首は動かないわけではないが、右に倒すと左側にツッパリを感じる。また、時々右側の首(胸鎖乳突筋)が攣りそうになることがある。

痛みは鈍痛であり、右腕の小指側に痺れが生じるほか、右手に冷感を覚えることがある。腕の曲げ伸ばしには支障を来していないが、手首がわずかに反りづらく、少し痛みを伴う。また、握力の低下を自覚しており、痺れが発現するとさらに力が入らなくなる。頭痛も伴うことがある。頭痛は低気圧の影響で発現することがあり、頻繁に頭が「ぼわっと」軽く回るような感覚に陥る。

腰の痛みは、上方の腰および骨盤周囲に感じている。特に骨盤周囲の痛みが強く、30代で事務仕事を始めて以降、症状が悪化したとのことである。朝の起床時に痛みを感じることが多く、丸くなる姿勢で軽減する。短時間の座位や長時間の歩行で痛みが悪化するが、立ち上がり動作には支障を来していない。マットレスを腰用に変更しても改善は見られず、腰の痛みも付き合っていかなければいけないのかと考えていた。

右膝は内側に痛みを感じることがあり、座った時に発現することがあるが、明確な原因については思い当たる節はない。

全身の状態としては、高血圧、冷え性、むくみ、睡眠の質の低下(中途覚醒)などがある。冷え性は特に手足に感じている。むくみは夕方になると足に感じる。睡眠時間は7〜8時間を確保しているものの、十分な休息感を得られていない状況である。

整形外科で腕のレントゲン撮影を行った際、「うまく付き合うしかない」と言われたものの、少しでも症状を改善したいと思っていた。そんな時、当院へ通院している患者からの紹介により、来院された次第である。

初診の状態
  • 01

    右耳介上方

  • 02

    頚部全体の過緊張

  • 03

    右仙腸関節の可動域制限

経過と内容

初診時の状態では、体表温度検査では骨盤・下部頚椎・上部頚椎に左右の温度差が確認された。静的触診では左側の仙腸関節・下部頚椎に浮腫感や可動域制限がみられた。また頚部全体は過緊張状態であった。

レントゲン評価では、頚椎側面像ではC5/6椎間板の段階はD3レベル、腰部側面像ではL2/3椎間板の段階はD4レベルと慢性的な状態であった。初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

初回アジャストメント後は手足だけでなく、全身が暑くなるような感じがしたとの事。また頚部の可動域も増大していた。初回からかなり状態の変化を感じていた。後日、手のしびれが一時的に強くなり、少し痛みを伴っていた。

4週目(5回目のアジャストメント)には、主訴である肩甲骨の痛みや肩こりはほぼ良くなった。肩が張るようなことはあまりないとのご報告。静的触診では頚部から背部までの筋緊張が減弱しており、通常の硬さとなりつつあった。しびれはまだ感じているが、生活が少し楽になる。たまに右腕のしびれが強くなり、痛みを呈することもあるが、全体には調子が良い。

この時には肩甲骨より腰痛が気になってきた。腰痛もあるが、以前よりも日常生活では気にならなくなってきている。そういえば右膝も最近は問題ない日が続いていると認識できた。場合によっては膝に対するアジャストメントを行わないこともあり、安定・保持していると考えられる。サブラクセーションの兆候が少し落ち着いてきたため、ペースを1/Wとした。

11週目(9回目のアジャストメント)には、 腰痛が回復しつつあり、残るは夜に寝ている時の痛みのみとなった。しかし、以前よりも調子は良く動きやすくなっているとの事。このころには右手のしびれも軽減し、家事などをしていても特に気になることはなくなった。最近は手足も少し暖かい気がしているとの事。特に足は夕方のむくみも良い模様。

15週目(12回目のアジャストメント)には、寝ている際の腰痛も軽減した。実はこの週に福島県へ旅行をしたが、特に体調も問題なかった。睡眠でも途中で起きるようなことは少なくなり、快適に過ごせていられるようになった。現在では体のメンテナンスを兼ねて定期的に通院中である。


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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