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膝の痛み・めまい・立ち眩み・不眠症

膝の痛み・めまい・立ち眩み・不眠症

50代女性
主訴
肩こり・膝の痛み・めまい・立ち眩み・不眠症
来院に至った経緯

仕事はホテルのリネン類を交換する仕事についており、案件によっては山奥まで重さのあるマットレスやシーツを運ぶ仕事をしているため、左の肩こりや右膝の症状を訴えていた。また、右膝は病院での診察の結果、「変形性膝関節症」と診断された。左中指は以前仕事中の事故で深く切り、それ以来しびれを訴えている。

身体の症状としてはめまい・立ち眩み・不眠症などがきになり、特に不眠症で夜に眠れず、疲れを持ち越してしまうことが多かった。旦那様が東京に勤務しており、知り合いから塩川カイロプラクティックのことを聞き、受診。その後、地元に近い当院へ紹介された。

初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の可動域制限

  • 02

    下部頸椎の過緊張

  • 03

    左中指のしびれ

経過と内容

最初に塩川カイロプラクティックにて3度のアジャストメントをされているため、実質4回目であるが初回では、副交感神経サブラクセーションと判断し、骨盤部と下部頚椎のアジャストメントをし、交感神経を落ち着かせる目的で施術を行った。

1週目(2回目のアジャストメント)には、不眠傾向が改善され、よく眠れるようになった。1回目アジャストメント後に好転反応が強く出たためか、1日不眠であったが、2日目からはよく眠れるようになったという報告を受けた。

2週目(3回目のアジャストメント)には、右膝の状態が改善される。かなり痛みの強かった右膝の痛みが、歩くが気にならないほどになった。このころから右の腸骨やC1のアジャストメントの後、顕著に右腰部起立筋・下部頸椎の過緊張が抜けていた。

4週目(5回目のアジャストメント)には、頭部前方位の姿勢も改善され、全体的には調子の良い状態になった。めまいや立ち眩みといった症状も改善され、仕事がやりやすくなったと報告をいただいた。初診からも1か月経過し、自律神経の状態も落ち着いていると判断し、メンテナンスをおすすめした。


考察

今回のめまい・立ち眩み・不眠症などの症状は、自律神経の乱れが原因と考えられる。検査上では上部頸椎や骨盤に兆候が見られ、この部位は副交感神経領域である。

めまいや立ちくらみの原因は多岐に渡るが、一般的には内耳の問題、頚部の障害、脳出血など頭部の問題が挙げられる。特に脳から出る12種類の末梢神経(脳神経)のうち、内耳へ続く「内耳神経」が関与する。内耳にある三半規管により人間は平衡バランスが保つことができる。

三半規管の中はリンパ液という液体で満たされており、体の動きを感知する。リンパ液の量が異常に増えると、体が静止していても動いていると誤認し、めまいが起こる。今回のケースでも仕事中、特に何もしていなくてもめまいや立ちくらみで悩まされており、病院で処方された薬を服用していた。通常、めまいの薬は、水分の代謝を促すの効果が一般的である。しかし、薬では改善に至らなかった。それは副交感神経の神経伝達に異常が生じていたものと考えられるためである。

不眠症も交感神経が過剰に働くことにより、体が興奮状態になることで、自律神経が乱れることにより発生する。仕事中も眠気があったのは、交感神経と副交感神経が切り替わることができず、交感神経が過剰に働いている状態で体が興奮状態にあり、眠れなくなったものと考えられる。

以上のように、めまい、立ち眩み、不眠症などの自律神経に関連する症状が観察されたため、副交感神経と交感神経を区別してアプローチした。今回は副交感神経領域を対象とし、アジャストメントを通じて交感神経の活動を抑えることを目的とした。臨床では、アジャストメントの効果を最大限に引き出すために、神経システムと椎骨を特定して評価する。

アジャストメントにサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いた結果、徐々に神経の流れが整い症状の改善に至ったと考えられる。検査によってしっかりと自律神経を区別することが重要であると考えられる症例である。

岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・整体院岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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