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肩が激痛で呼吸も苦しい

肩が激痛で呼吸も苦しい

30代女性
主訴
首の凝り、左肩の凝り、腕の上りにくさ
来院に至った経緯

中学時代からソフトテニスを、高校では本格的に硬式テニスを始めて以来、常に「腰を落として上体を起こす」というフォームを意識するあまり腰を反らせがちな姿勢が染みついてしまっていた。学生当時は気づかないままこの姿勢と動作を続けており、社会人になってからも日常生活の中で、自分では特に違和感なく過ごしていたが、周囲から「猫背とは違うけど、お腹が前に突き出しているように見えるよ」「腰が反っていて疲れそうだね」などと指摘を受けるうちに、自分が反り腰なのだと初めて認識した。

さらに、就職してからは長時間のデスクワークが増えたことや、繁忙期が続いて昼夜逆転に近い生活を送らざるを得なかったことも重なり、身体の不調が徐々に目立つようになってきた。特に肩周りや首のコリは、パソコン作業が続くと急激に締め付けられるような痛みが生じ、肩を回すにも可動域が狭く「思うように腕が上がらない」「背中が張りすぎて呼吸まで苦しい」と感じる日も増えた。さらには自宅ではなく車の座席で寝てしまうことも度々あり、負担がかかった状態のまま疲れが抜けない日々を過ごしていた。

そうした状態を数年間放置していたところ、5年ほど前から肩こりが一段と悪化し、突発的に痛みが走るようになった。最初は右肩に症状が出ていたが、それが落ち着いたかと思うと今度は左肩に強い痛みが集中するようになり、日常生活にも支障を来すまでになってしまった。具体的には仕事中に物を移動する動作や、ちょっとした荷物を持ち上げるときにもズキッと痛みが走り、「仕事に集中できない」「仕事量を同僚に任せなければならない」という状況になっていた。

自宅で独学のストレッチや筋トレを試しても、自己流では痛みの根本解決にはいたらず、マッサージやリラクゼーションを受けても「肩と背中が非常に硬いですね」と口をそろえて言われるだけ。一時的には楽になるものの、すぐに元の緊張状態に戻ってしまっていた。睡眠も万全ではなく、昼夜逆転で生活リズムが乱れ、寝ても疲労がとれない悪循環が続くうちにストレスも溜まり、自律神経の不調を自覚するようになっていた。

そんな折に、周囲の勧めや知人の紹介もあり、「本来の身体のバランスを取り戻すケアがあるなら、ぜひ受けてみたい」とカイロプラクティック施術に興味を持った。30代を迎えるにあたり、自分の力だけでは不調の解決が難しいと感じている。
現在は、左肩の痛みが最も強い症状になっているが、過去に右肩へ同様の症状が出ていた経験もあるため、負荷が繰り返し身体にかかっているのではないかとも考えており、早い段階でプロの施術を受けることで、将来的にさらに症状が悪化するのを防ぎたいという思いがある。

姿勢の乱れ、長時間のデスクワーク、不規則な生活リズム、慢性的な肩こりや突然の痛みによって仕事や生活の質が落ちてしまっているため、「そろそろ根本的に体を見直したい」という強い思いがあり、今後の人生をより健康的に過ごすため身体の不調をリセットすることを目的として来院された。

初診の状態
  • 01

    左腰部起立筋の過緊張

  • 02

    左胸鎖乳突筋の緊張

経過と内容

初診(1回目のアジャストメント)時、腰椎の前弯が強く左肩の可動域制限と痛みが顕著だったこと、さらに睡眠不足や生活リズムの乱れにより疲労が抜けにくい状態が続いていたため、初期集中として週1回のケアを提案した。
仙腸関節と上部頚椎にサブラクセーションが認められ、そこが肩・首周辺の筋緊張および可動域制限に大きく影響していると判断し、副交感神経領域に着目してアプローチを始めた。

2週間後(3回目のアジャストメント)では、初回時は肩関節の外転が左右120度しか上がらず、痛みも伴っていたが、左仙腸関節と左アトラスをアジャストした後は背部の緊張が抜け、肩の可動制限も大幅に改善。患者本人も「肩が軽くなり、動かしやすさが増した」と実感していた。

4週間後(5回目のアジャストメント)のアジャストメント後はいつも以上に眠れ、翌朝の怠さはあったものの起き上がると身体が楽に感じられたとのこと。ただし、仕事が忙しく睡眠不足も続いていたため、1週間ほど経過すると左肩に可動制限や鋭い痛みを感じることがあった。

6週間後(7回目のアジャストメント)では、来院時、左肩の痛みや首の緊張は初回と比べて明らかに落ち着いてきていた。肌質も上部頚椎から上部胸椎にかけて汗ばむような状態だったのが緩和し、施術後の疲労回復スピードが上がったと本人も実感していた。

10週間後(10回目のアジャストメント)では、初回に比べ肩甲骨まわりの緊張が抜け、左肩(僧帽筋)の凝りや痛みは大幅に減少。テニス時も疲れにくく姿勢が良くなったことを実感している。ただし、左腰部にはまだ緊張や膨隆が残り、定期的な経過観察が必要と判断。全体的に肌の質感はしっとりしてきており、自律神経のバランスが向上した結果、睡眠の質も少しずつ安定している。


考察

本症例の肩こりや腕の可動域制限には、筋骨格形の影響と自律神経の乱れが原因していると考えられる。

本人も自覚している反り腰は、骨盤が後方下方に傾いている状態であるため、身体の補正作用によって、腰椎の前湾のカーブを増大させる。腰椎のカーブが増大すると、その影響で胸椎の後湾のカーブも増大する。すると、肩甲骨が本来のポジションより外側に開いてしまうため、猫背や肩甲骨の稼働制限といった症状が起き、腕の上がりにくさにもつながっていたと考えられる。

また、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経は車で例えるとアクセルの働き、副交感神経はブレーキの役割を持っている。日中は交感神経が優位になり、適度な緊張感をもちつつ身体に活力を与える役割を果たし、夜は副交感神経が優位になり、リラックスして休息することで身体の回復の役割を果たす、というバランスの取れた状態が理想的であるが、交感神経が優位になり過ぎるとリラックスモードに切り替えることができず身体の回復も十分に行うことができない。

本症例の昼夜逆転で生活リズムが乱れ、寝ても疲労がとれないといった症状は、交感神経が過剰に働きすぎたことによる自律神経のバランスの乱れが影響していると考えられる。
首、肩、背中のこりに関しても、副交感神経のサブラクセーションによって交感神経優位の状態で、筋肉の過緊張による血流不全が引き起こされ、慢性的な症状となっていたことが考えられる。さらに、副交感神経機能の低下により睡眠の質が落ち、疲労の蓄積や身体の回復力低下にも影響していた可能性がある。

このことから、土台としての骨盤部と副交感神経領域のサブラクセーションを取り除くことに集中してアプローチした。

骨盤と上部頚椎のアジャストメントを中心に行ったことで、神経伝達が改善され、初回から背部の筋緊張の軽減と肩関節の可動域の改善が確認された。特に施術直後から可動域が改善し、痛みが軽減したため、同部位のアジャストメントを継続したところ、10回目のアジャストメント時点では、肩甲骨周りの痛みがほぼ解消し、テニス時のパフォーマンス向上が報告されたことから、姿勢および神経伝達の改善が運動機能にも良い影響を与えたと考えられる。

本症例は、症状に対してあちこち触れるのではなく、副交感神経に直接影響する骨盤部および上部頚椎への施術に絞ったことが改善につながった典型的な例である。神経系の正常化により自然治癒力が引き出され、姿勢改善、筋緊張軽減、可動域回復、運動パフォーマンス向上まで多面的な効果が得られることを裏付けた症例といえる。

菊地 雄介

執筆者塩川カイロプラクティック・埼玉カイロプラクティック 大宮Kソレイユ菊地 雄介

埼玉県熊谷市出身。スポーツインストラクターを専門的に学び、大手整体サロンに就職。副店長として施術と人材育成にも携わるが、本格的な施術で多くの方を健康に導きたいと思い独立。様々なセミナーを通じ探求する中で塩川カイロプラクティックに出会う。身体が劇的に変化していくのを目の当たりにし、この道を極めたいと考えてシオカワスクールに入校。本物のカイロプラクティックの可能性と奥深さに感動し「本物の技術を学び、より多くの人に伝えたい」という想いが強くなり、塩川カイロプラクティックでの勤務をきめた。カイロプラクティックの力で皆様の健康を全力でサポートします。

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