仕事中に突然起こる大きなめまいが再発しなくなった
今年(2024年)の3月に急に大きく前に倒れるようなめまいに襲われる。もともと、残業が多く常に画面を見るような仕事であることから、眼精疲労などはあったが、こんな大きなめまいは初めてであった。それ以降、小さいものから、当時のような大きなめまいに悩まされるようになってしまう。
首を回したり、ちょっとした動きでめまいが大きくなること自体が今までに無い感覚であることから、ギャップに苦しむ。
また1年前より耳鳴りにも悩まされていて、それも放置していたがめまいを伴うようになってから、いよいよまずいと自分の身体に危機を感じ始めた。
めまいや耳鳴りに良い治療法はないかとネットにて必死に対策方法を探しているうちに、カイロプラクティックを知り、当院を発見。
仕事への支障が少しでも減ってくれればを藁をも座る思いで来院を決心する。
仙骨3番を中心としたスポンジ状の浮腫
右後頭部周囲のスポンジ状の浮腫
主に左耳に高い音の耳鳴り
頚椎、腰椎ともに椎間板はD3を確認することができ、神経圧迫の慢性化が進行している状態である。初期集中期として週2回の提案をするも、テレビ業界で編集に追われており、なるべく週1度はお越しいただけるよにケアを開始した。
2回目(2週目)のケアでは、アジャスト後めまいが強くなった感覚があるとのこと。ブレイク自体は大きくなっているわけでもないため、神経の回復過程だと推察できる
3回目(3週目)のケアでは、めまいの数が減ったと報告してくださった。ブレイク自体は変化していないが、後頭部の浮腫が少し減少している感覚がある。
10回目(12週目)のケアでは、めまいは相当おさまってきたという感覚があるそう。ブレイクに関しては小さくなってきており、後頭部の浮腫感は右の後頭部に限極化されてきている。
11回目(13週目)のケアでは、めまいがないことは継続できており、耳鳴りが大きな音から奥の方に移動してきている感覚がある。
16回目(16週目)のケアでは、めまいは消失しており、耳鳴りも音は小さいが、まだしているため現在もケアを続けている。また、めまいが無い生活によって健康の大切さに気がつき、転職を決意された。
本症例は副交感神経サブラクセーション(神経圧迫)によってめまいが発生してしまい、サブラクセーションによって慢性化してしまった例であります。
今回の患者様で言えば、パソコン作業に熱中した際に頭部が前方に変位したり、そこから急に振り向いたりと、頭部の移動によってめまいが発症しており、それは”内耳神経”という神経がが大きく関与していると考えられます。
内耳神経は体における平衡感覚を司っており、副交感神経支配の神経にサブラクセーションが発生することでめまいが発症してしまうと言われています。本来、三半規管内にある内リンパ液が移動することで、頭部の傾きを神経を通じて脳が認知するという仕組みがあり、そこに視覚や筋反射などで補正することで、適切な姿勢を取り平衡感覚が機能していきます。
ところが、今回のような頚椎1番をはじめとした副交感神経サブラクセーションが発生すると、リンパ液の吸収がスムーズに行われず、内耳が浮腫んだ状態となってしまいます。また、内耳と脳がうまく連携を取れないことから、小さな揺れを過剰に大きな揺れと誤って認知してしまうことで、めまい様の症状が発生してしまうのです。
また土台である仙骨のサブラクセーションにおいても、副交感神経に機能低下が発生しており、土台の部分からも診ていく必要がありました。
今回のような、頭部の傾きなどによってめまいが発症するような場合は、まず内リンパの代謝異常を考え、副交感神経エリアのサブラクセーションに注目することで、結果に結びつきやすくなると考察できます。
土台である仙骨をアトラスの副交感神経領域に絞ってアジャストメントを実施することで寛解へと進んでいった良い例でありました。
執筆者NEOCHI関野 貴友
1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。