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猫背

猫背

鏡で自分の姿を見るたびに右肩が下がっている

20代男性
主訴
猫背、肩こり
来院に至った経緯

普段スーツを着てアパレルのお仕事をしている時に、鏡で自分の姿を見るたびに右肩が下がっていることに悩みを感じていた。また、スーツの仕立てる時にも、よく指摘されることがあるくらい左右差があった。 中学の時から右肩に重いショルダーバックを掛けていたことが原因と考えられ、最近ではショルダーバックからリュックに変更した。

接客の対応で常に立ち仕事であり、午後になると疲労感が溜まり呼吸も浅くなり、つい重心を片足に置いてしまう癖が出てくる。その影響で猫背になり、仕事の後半になるにつれ靴の裏に強く擦れた痕が残るような歩き方になることがある。

朝起きる時も疲れが抜けないのでやる気が出ない。自分でストレッチなどをしているが、身体が硬く思うように動きづらかった。知人と体調不良の話題になり、相談していたら紹介され来院される。

初診の状態
  • 01

    仙骨の可動域制限

  • 02

    腰の反る体勢

  • 03

    胸椎の右下がりの傾き

経過と内容

レントゲンの評価は、腰椎5番の椎間板はD3で椎間板の後方が薄くなってたことから、初期集中期(来院から1ヶ月)は週1回のケアを提案する。初回のアジャスト後、翌日の目覚めはスッキリしていて2度寝せずに起きることができた。ケアを始めて1週間後(2回目のアジャスト)では、ストレッチする際に、動きやすくなった。

ケアを始めて1ヶ月後(4回目のアジャスト)には、仕事中の午後の疲労感が消えて前よりも集中できるようになった。少しずつ状態が良くなっていることを患者さんも感じることができた。もう少し頑張りたいということから、もう少し週1回のペースで来院を希望される。

その都度、身体の動きや状態を見て来院のペースを切り替えていくことを話し合った。ケアを始めて2ヶ月後(8回目のアジャスト)では、鏡を見ても右肩が下がっていないことに気づき、自分のスーツを仕立てる際も、寸法の変化が起こり驚かれていた。

身体の状態が良くなると気分いい状態に変わるということで、今も2週間から1ヶ月の期間でメンテナンスとして来院されている。


考察

片足に重心を置く癖によって、骨盤のバランスの乱れが確認された。特に右の仙骨に可動域制限が確認され、右足が1センチほど短くなっていた。骨盤のバランスの乱れは、身体の土台が乱れているのと同じになります。

建物の土台が傾くことは、その建物自体が傾く原因となります。建物と人間の身体には大きく異なる点が1つあります。 それは、人間の身体には補正する力が備わっていることです。仮に土台となる骨盤が傾いたとしても、必ず補正作用が働き、中心を維持しようと働きかけます。

今回のケースでは、レントゲン評価から腰椎5番目の椎間板レベルD3で、2−5年の負荷がかかっていることが確認された。骨盤の状態が慢性化したことで、その上に位置している肩の高さにも影響が出ていたと考えられる。

アジャストメントによって、土台の骨盤が安定したことで、肩の傾きの改善に繋がった。また、神経の流れが改善したことで、身体のONとOFFを切り替えることができるようになりしっかりと休むことが可能になったことで、午後の疲労感も改善したと考えられる。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川カイロプラクティック治療室塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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