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治りきらない偏頭痛

治りきらない偏頭痛

“長年の頭痛から解放されました”

20代女性
主訴
偏頭痛
来院に至った経緯

首の痛みと長引く片頭痛に悩まされている。
ここ1週間ほど、毎日のように頭痛が続き、特に偏頭痛の症状がしつこく残っているという。ピークは2〜3ヶ月前から始まり、慢性的に頭が重い、ズキズキするような感覚が抜けない。以前は薬を飲めば何とか落ち着いていたが、最近はバファリンも効かなくなり、仕事にも集中できずに困っている状態だそうだ。

夜間もつらい。寝ている間に首から肩にかけてしびれが出てきて、途中で目が覚めてしまうことが続いており、朝起きたときからすでに疲れているような感覚に陥っているという。
睡眠の質が下がり、日中のパフォーマンスも落ちてきたことが、自分でもわかるという。さらに、不調が続いていることで気持ちも沈みがちになり、どこかスッキリしない毎日を過ごしている。

普段はデスクワーク中心の仕事をしており、一日中パソコンの前に座りっぱなしになることが多い。首から肩にかけての負担は明らかに大きく、1日の終わりには重だるさが取れずに残ってしまう。
また、最近は仕事も忙しく、後輩の育成や指導の場面も多く、責任やプレッシャーを感じる機会が増えてきているという。身体のつらさに加えて、精神的な疲労感も重なっているようだ。

運動してリフレッシュしたいという気持ちはあるものの、体が重く、なかなかその一歩が踏み出せない。疲労が溜まりやすく、無理をすると翌日に影響が出てしまうため、自然と体を動かすことから遠ざかってしまっているのが現状だという。

お風呂に入ると首や頭が少しラクになる感覚があることから、血流や緊張の問題を自覚しており、単なるストレスや疲れではないという実感もある。
そうした背景のなか、これ以上悪化する前に何とかしたいという思いが強くなり、今回の来院に至ったようだ。

初診の状態
  • 01

    寝ていると首肩に痺れが起きてしまう

  • 02

    普段治る頭痛が長引いている

  • 03

    後頭部周辺の筋緊張

経過と内容

腰椎側面像、頚椎側面像において、椎間板の慢性化が確認できるため、サブラクセーションが発生してから、かなりの時間が経過している。そのため、初期集中期として週に2回のケアを推奨するも、院から多少遠方でかつ仕事の都合上でまずは週に1回とし、ケアをスタートした。

2週目(2回目のアジャストメント)では、前回より頭痛はマシになった感覚があるそう。首の痛みが少し残っている感覚はある。寝ている際のしびれは無くなった。

11週目(8回目のアジャストメント)では、頭痛はあれから一切出なくなった。調子は良好だそう。首の痛みも起こりにくくなってきた。後頭部の筋緊張はかなり軽減している。

28週目(14回目のアジャストメント)では、頭痛も疲労困憊な時以外は出なくなった。また、頭痛が起きても基本的に寝れば引きづらなくなった。首の緊張、神経圧迫も初診よりかなりの減少傾向にある。

今では頭痛の頻度も減り、経過も良好である。月に1回のメンテナンスを続行している。


考察

この方は、長年続く偏頭痛と首の痛み、さらに眠りの浅さや日中の集中力の低下に悩まされて来院されました。特に来院前の1週間は毎日のように頭痛が起きていて、市販薬のバファリンも効かない状態だったそうです。

レントゲン検査では、首や腰の骨の間のクッション(椎間板)がすり減っている様子が見られました。これは、体の神経に負担がかかる「サブラクセーション(背骨のゆがみによる神経の乱れ)」が長く続いていたことを示しています。

また、この方はデスクワーク中心の生活で、首や肩の筋肉が慢性的に緊張している状態でした。加えて、目の疲れやストレスも重なり、自律神経の中でも「交感神経」が必要以上に働きすぎていたと考えられます。この状態では、血流が悪くなり、筋肉のこりや痛み、頭痛が起こりやすくなります。

さらに、夜に手足のしびれを感じたり、眠りが浅かったりと、「リラックスをつかさどる副交感神経」がうまく働いていない兆候もありました。

そこで、神経のバランスを整えるために、特に副交感神経と関係の深い「首の2番目の骨」と「仙骨(骨盤の真ん中にある骨)」に対してアジャストメント(調整)を行いました。

すると、2回目の施術の後には頭痛が軽くなり、夜のしびれも消失。8回目には頭痛が出なくなり、首のこりもかなり楽になりました。14回目の時点では、ほとんど頭痛は出なくなり、もし出てもぐっすり眠ると自然に回復できる状態まで改善しました。

このような経過から、神経の働きが少しずつ元に戻り、体の緊張や血流の乱れも改善していったと考えられます。結果として、自律神経のバランスも整い、頭痛や体の不調が和らいでいったのです。

頭痛は単なる首や肩のこりだけが原因ではなく、神経の働きや自律神経の乱れとも深く関係しています。このケースは、アジャストメントによって神経の流れを改善し、体全体のバランスが整ったことで症状が改善された、非常に良い例と言えるでしょう。

現在は、月に1回のメンテナンスケアを続けながら、生活習慣の見直しやストレスのケアについてもアドバイスを行い、再発を防ぐためのサポートを続けています。

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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