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朝の指のこわばりが強い関節リウマチ

朝の指のこわばりが強い関節リウマチ

”生きるのが楽しくなりました”

80代女性
主訴
関節リウマチによる手足のこわばり,腰痛
来院に至った経緯

約3年前にリウマチと診断され、その際にリウマチ因子が高いことが確認された。診断のきっかけとしては、コロナワクチン接種後に関節のこわばりが強く感じられるようになったことがあったそう。その後、朝起きた時に関節がこわばり、時間が経過すると少しずつ楽になるものの、日常生活に支障をきたしていると感じるようになった。特に、手首に力が入らず、フライパンを持つ時などに痛みを感じることが多くなった。寒い時期は特に痛みがひどくなり、関節のこわばりが気になるとのことだ。また、足の親指の付け根にも違和感を感じており、こちらも改善したいと考えている。

右腰にも違和感があり、過去に雪かきをしていた際に腰を痛めた経験がある。そのため、寝起きに右腰に痛みを感じることが多い。特に寒い日には腰の痛みが悪化し、歩いている最中にも右側の腰が時々痛むことがある。これらの痛みが続くと、日常生活に大きな影響を与えており、何気ない動作に不安を感じることも多い。

加えて、脚が重く感じることがあり、スムーズに歩けない状態が続いている。寝起きにも慎重に起きないと腰に不安を感じ、恐怖感がある。これらの体調不良を改善したいと考え、治療を受けることを決意した。息子さんが当院に通院しており、その改善を見て自身も治療を受けようと思ったことが、来院のきっかけとなった。患者様も息子さんも麻雀が大好きで、指のこわばりを気にせずに一緒に麻雀ができることを心待ちにしている。

初診の状態
  • 01

    下部頚椎周辺に浮腫が強い

  • 02

    手指の関節にこわばりがある

  • 03

    腰部の皮膚の乾燥が目立つ

経過と内容

この患者様のC6はD4、L4,5はD5〜6と慢性化が進んでいるので、週3回提案をする。しかしご年齢が80歳ということもあり、体力的に週一回が限界とのことで、週一回からケアをスタートすることにした。

5週目(5回目)のアジャストメントでは、もともと痛かった肩の動きが改善した。腰の寝起きのこわばりは継続。頸部の浮腫感は少し軽減を見せるも、まだ無くなるには程遠い。

6週目(6回目)のアジャストメントでは、指のこわばりがかなり軽減されてきた。寝起きこわばると、夕方まで辛く、動き気力もなかったとのことであったが、来院時(11:00)にはもうだるく無くなるようになる。頚椎の浮腫も少し軽減されてきて、動きも出始める。

8週目(8回目)のアジャストメントでは、こわばりは改善傾向にあり、歩行距離が伸びたことに驚いていた。また階段昇降も順調にできるようになり、以前は外に出るのも億劫であったが、5000歩は歩けるように。

14週目(14回目)のアジャストメントでは、手のこわばりはほとんど気にならなくなり、ジムにも通うように。また麻雀も順調にできており、リウマチの話はほぼせず、麻雀の話に花を咲かせる。肩の関節や腰の強張りもほとんど気にならない。

19週目(19回目)のアジャストメントでも、体調は良く、下部頚椎の浮腫はかなり軽減。動きも出ていて良好である。腰のカサついた皮膚も元に戻っている。現在は2週に1回のペースに切り変えてメンテナンスを続けている。


考察

今回の関節リウマチの原因は、首の下の方の骨のずれによる神経の圧迫(サブラクセーション)が影響して、甲状腺の働きが落ちたことで体の代謝が悪くなり、それが免疫のバランスを崩して関節に炎症が起きたことだと考えられます。

検査で特に問題があったのは、首の下の骨と胸の上の方の骨でした。首の骨は甲状腺につながる神経を通していて、甲状腺ホルモン(T3やT4)が作られるのに重要な場所です。この甲状腺ホルモンは、体の中で細胞の修復や新陳代謝を助けるだけでなく、炎症を抑える役割もあります。特にT3というホルモンは、体の炎症を減らす物質を増やし、逆に炎症を起こす物質を減らす働きがあることが分かっています。だから、甲状腺の働きが悪くなると、体の免疫が過剰に反応してしまい、関節に炎症が出やすくなるのです。

胸の骨のあたりは、副腎という臓器と関係があります。副腎から出るホルモン(コルチゾールなど)も炎症を抑える働きがあるので、骨のずれがこの部分の神経にも影響を与え、副腎の働きが弱まったことも炎症を悪化させていたと考えられます。

患者さんは最初、関節の腫れや朝のこわばりで生活に支障がありましたが、首や胸の骨のずれを正すカイロプラクティックの施術を続けることで、神経の流れが良くなり、甲状腺や副腎の働きも回復して炎症が落ち着きました。

また、腰や骨盤のバランスの悪さも関節の動きを悪くしていたため、体の動きを安定させる調整を行ったことで、歩いたり立ったりするときの不安定さもなくなりました。

なによりも心の面での変化が大きかったです。発症した時は「このまま一生リウマチと付き合っていくしかないのか」と不安でいっぱいでしたが、施術を続けて痛みや腫れが改善し、今では趣味の麻雀を楽しめるほど元気になりました。痛みのために動けなかった日々が嘘のように、自分の体を信じられるようになり、今では「健康な自分」に希望を持てるようになり、未来に対して明るく前向きな気持ちで日々を過ごされています。

この症例は、首や背中の骨のずれが神経の働きを妨げ、それが内臓の働きや免疫のバランスに影響して、関節リウマチのような症状を引き起こす可能性を示しています。そして、神経の流れを整えるカイロプラクティックが、その根本原因に働きかけ、体を健康な状態に戻す力があることをあらためて教えてくれました。

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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