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更年期障害による体調不良

更年期障害による体調不良

自律神経の乱れから、多岐に渡る訴え

50代女性
主訴
更年期障害(不眠症、不整脈、食欲不振、不安)、左肩の痛み
来院に至った経緯

娘が高校を卒業し、手がかからなくなった春(4月)から、生活のリズムが大きく変わった。長年、娘のために毎朝4時15分に起きるのが当たり前になっていたためか、早朝2時に目が覚めてしまい、特に用意をしなくても良いのに、結局4時には起きてしまうという習慣が抜けず、不眠が続いていた。夜が来ても眠れず、眠りについても浅く、朝起きても「頭が冴えない」「体がどこか重い」という感覚が付きまとった。

同時にどのタイミングかは分からないが、心臓が急にどきどきするようになり、たまにではあるが、不整脈のような症状が現れるようになった。

さらに、食欲が低下し、あまり食事を楽しむことが出来なくなった。食事をとっても通常通りの量を食べることが出来ず、力が入らないことが多くなった。食べたとしても、いの方に違和感を感じる。こうした体調の事もあり、自身の身体に対する不安感が強くなり、焦ってしまっていた。

5月に思い切って医療機関を受診したところ、CTや心電図などの検査でも大きな異常はみられず、「更年期障害の疑いがある」と告げられた。処方された睡眠薬を飲んでも睡眠は改善されず、焦る気持ちが続いてしまっていた。

追い打ちをかけるように、9月のある朝、起き上がろうとした際に突然、左肩に痛みが走った。腕を後ろに回そうとすると強い違和感が走り、洗濯物を干すときの肩の痛みが強く感じていた。また、左肩に加え、首を回すような動作も制限がかかるようになり、不便さを感じるようになった。接骨院で首から左肩をマッサージされたり、電気治療を受けたりしていたが、痛みは思うように改善することはなかった。

娘の手がかからなくなり、ようやく自分の時間が持てるようになり、読書やピアノ、ゴルフなどを楽しむどころか、眠れず、肩も思うように動かず、ただ不安を感じるばかりであった。

このままではいけないと思い、何か改善する方法(ストレッチなど)を探していたところ、偶然目にしたYouTubeで「カイロプラクティック」の事を知り、自分のために投資してみたいと考え、グループサイトから当院へ来院する運びとなった。

初診の状態
  • 01

    左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 02

    第1頚椎左横突起のスポンジ状の浮腫

  • 03

    右仙腸関節の可動域制限

経過と内容

経過と内容
初診時の視診では、左耳介の位置が上方に偏位しており、さらに右下肢の長さに差がみられた。静的触診では、左頚部から肩にかけて明らかな筋緊張が確認され、右PSIS下端にはくぼんだような浮腫感が認められた。また腰部起立筋にも過緊張が強く現れていた。動的触診では、右仙腸関節および第一頚椎に明確な可動域制限が確認され、胸椎のT3からT8にかけては過剰な可動性が確認された。

レントゲン評価では、頚椎側面像において椎間板はD3レベルが確認され、慢性的な段階であることが確認された。さらに腰椎側面像ではD5レベルの高度な変性が認められ、長期にわたる慢性的な段階が確認された。このため、週3回からのアジャストメントを提案したが、遠方よりの来院で現実的に困難であるため、週1回からのケアを開始した。

初回アジャストメント後に、帰りの道中で強い眠気を自覚し、普段はそんなことはないのであるが、車で寝ていたという報告を、2回目の来院時にいただいた。帰宅後は久しぶりに深く睡眠がとれた。その翌日は中途覚醒が再発したが、さらに翌日以降は再び眠れるようになった。

4回目には、食欲が回復し、まだ完全ではないものの、通常に近い量を食べることが可能となってきた。首の回旋可動域がやや改善。読書がしやすくなる。来院4日前から再び睡眠が浅くなる日があった。

9回目には、時期的な花粉症症状が落ち着いたように感じるという、思わぬ効果が見られ嬉しく思っているという報告をいただいた。この頃には不整脈のような症状を全く感じなくなった。自分の時間が取れるようになり、講師の先生と一緒にピアノの練習を再開した。また、左肩の動かしやすさを自覚し、洗濯物を干すのが苦痛ではなくなった。

13回目には、全体的に良い睡眠がとれることが多くなった。体調が安定し、念願であったゴルフの練習を少しずつ再開でき、来週にはコース(グリーン)に出る予定まで回復。現在では身体の兆候を見ながら、間隔をあけつつ、身体のメンテナンスとして継続的にアジャストメントを受けている。まだ夏時期であるため、今後は冷え性についても経過を追っていく。


考察
岡芹 侑哉

執筆者OKAカイロプラクティック岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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