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左腕の痺れ、左腕の筋力低下

左腕の痺れ、左腕の筋力低下

左腕の筋力が戻った!

50代男性
主訴
左腕の痺れ、左腕の筋力低下、頭痛、腰痛、膝痛
来院に至った経緯

幼少期から剣道をやっており、時代柄かなりハードな稽古を行っていた。その影響からか2年くらい前から手の痺れを感じるようになり、最近は腕の筋力低下を顕著に感じるようになった。竹刀を握ってもあきらかに力が入らないと感じるようになった。お風呂上りに鏡を見ると右腕と比べて、左腕が顕著に細くなっているのが自分でも分かるほどだった。

仕事は教員職を30年やっており、ずっとデスクワークが続いている。社会人になってから腰痛や膝痛を感じるようになった。それまで学生時代は剣道の稽古がどれほどハードでも腰や膝に痛みが出るということは一度もなかった。

ここ数年は夕方以降になると頭痛を感じるようになっていたが、それが年々酷くなってきて、単純な頭痛ではなく、何か脳の病気なのではないかと思い精密検査を受けた。病院でMRIやCT検査をしたが脳などにはまったく異常はなく、頭痛薬を処方された。毎日のように夕方になると頭痛が出ては薬を飲むという行為に嫌気がしていたが、ついに頭痛薬も効かなくなり、夕方以外も頻繁に頭痛がするようになってしまった。

休日には大学の剣道部でコーチを頼まれており、昔ながらの指導で自分に打ち込ませるということを続けていた。面や突きなどを打たせ続けていた結果、首に違和感を感じるようになったが、これだけ打ち込ませていれば当たり前だよなと思い、特に処置はしてこなかった。

今回、腕の筋力低下に伴い、何かいい治療法はないかなと探していたところ、知人の紹介で来院された。

初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の可動域制限

  • 02

    右腰部起立筋の過緊張

  • 03

    左後頭部の過緊張と強い浮腫感

経過と内容

頸部の椎間板はC5がD6、C6がD5と慢性的だったため、週3回のケアを提示したが、仕事の関係上週1回のケアからスタートすることにした。

3週目(3回目のアジャストメント)には、腰痛や膝痛はまったく感じなくなった。

6週目(5回目のアジャストメント)には、あれほど頻繁に感じていた頭痛はまったく感じなくなり、頭痛薬を手放すことができた。また、それほど気になってはいなかったが、明らかに寝起きがスッキリして、一晩眠ると疲れが取れたと感じるようになった。この段階で、ケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

13週目(8回目のアジャストメント)には、左腕の痺れはまったく感じなくなった。また竹刀を握る際にも握力が戻っていると感じるようになった。

21週目(12回目のアジャストメント)には、お風呂上りで鏡を見た時にも、腕の太さは左右差がないと感じるようになり、筋力もしっかり戻ってきた。

現在は、ほとんどの症状は解消されたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回の左腕の痺れや筋力低下は、後頭骨や上部胸椎のサブラクセーションによって、左腕に繋がる神経に必要以上の負荷がかかっていたものと考えられる。

腰痛や膝痛に関しては、人間の土台の部分である骨盤部のサブラクセーションにより、仙腸関節の可動域制限によって腰部に必要以上の負荷が掛かっていたと考えられる。骨盤には左右に仙腸関節というものが存在しているが、右の仙腸関節の動きが悪くなると補正作用によって反対側の仙腸関節は過剰に動いてしまい、その結果腰部に負荷がかかってしまう。

頸椎5番6番がハイパー(過剰な可動域)によって椎骨の変性が進んでいたが、これも人間の補正作用を考慮しなくてはならない。長年の剣道による外傷にもよるだろうが、後頭骨と胸椎1番という上下の部位にサブラクセーションが存在していた結果、頸椎5番6番と元々頸部の中では可動域がある椎骨が過剰に動いてしまい、椎骨の変性や椎間板の段階の進行の原因となってしまっていたのだと考えられる。

アジャストメントにより、サブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、問題個所の可動域が正常に戻ることによって、ハイパー(過剰な可動域)の部分も安定性を取り戻したのだろう。

また夕方以降に出る頭痛は交感神経が過剰に働いて、体が緊張状態になっている人の特徴でもある。骨盤部と後頭骨は副交感神経支配の部位となるため、そこにサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働いていたと考えられる。

一度のアジャストメントで、交感神経/副交感神経を混ぜることなく、しっかりと神経系を絞ってアプローチしたことが今回の結果に繋がったと考えられる。特にレントゲン上でも頸椎5番6番の椎骨の変性が見られたが、骨が変形している=アジャストメントとはならない典型的な例であり、神経系を絞ってアプローチすることの重要性が分かる症例である。

前田 一真

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院前田 一真

1982年、神奈川県生まれ。シオカワスクール在学中から塩川カイロプラクティック治療室にて内弟子として学ぶ。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。2023年に前田カイロプラクティック藤沢院を開院。一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくため、カイロプラクターとして尽力している。またシオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。

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