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左脚の痺れと寝返りができない腰痛

左脚の痺れと寝返りができない腰痛

“日常生活での支障は無くなりました!”

70代女性
主訴
左脚の痺れと痛み、腰痛
来院に至った経緯

50代から脊柱管狭窄症と診断され、整形外科でMRIを撮影した結果、特に目立った症状は見られなかった。しかし、最近1ヶ月ほどで左脚のしびれやつるような痛みが悪化し、日常生活に支障をきたすようになった。特に長時間座っていると痛みが強くなり、観劇が大好きだったが、1時間ほど座っているだけで足がつり、しびれがつま先、特に親指の方向にまで広がっていく。元々は快適に楽しんでいた観劇も、腰や脚の痛みのせいで見られなくなってしまい、非常に残念に感じている。

また、以前はヨガをして体調管理に気を使っていたが、コロナ禍で運動量が減少し、体の不調が目立つようになった。歩行時にも腰に痛みを感じ、6~7千歩歩くだけで腰に負担がかかるのを感じる。さらに、仕事の現場では保育士として、長時間子供を抱っこすることが多く、その際に腰に強い負担がかかっていたため、腰の痛みが日常的になってしまった。寝返りを打つ度に腰に痛みを感じ、寝ている間も十分に休むことができない。

そんな中、娘が当院に通院しており、良い結果が出ていると聞き、紹介を受けて来院を決意した。自身の症状を何とか改善したいという強い思いから、治療を始めることにした。日常生活や趣味である観劇を楽しむためにも、早期の改善を目指していきたいと考えている。

初診の状態
  • 01

    腰が痛く背中が丸まった状態で来院される

  • 02

    左脚全体に爪先までしびれとジンジンするような痛みを伴う

  • 03

    腰の痛みが激しく長時間座っていることができない

  • 04

    腰部脊柱起立筋の緊張がとても強い

  • 05

    腰部の皮膚の質感は乾燥している

経過と内容

腰椎側面像ではL5の椎間板はD5~6へと変遷していることが確認できるため、かなり慢性化が進んでいることが推察できる。また頚椎側面像においても、C5の椎間板はD4~5とかなり慢性化が進んでいるため、全体を通じてサブラクセーションがかなりの時間放置されていることが確認できるため、初期集中期としては週に2〜3回を推奨したが、遠方から当院にお越しいただくことになるため、週に1回のケアからスタートすることとする。

4週目(4回目のアジャストメント)では、腰自体の調子が良くなってきているとのこと。仙骨の動きはまだ完全ではないが、動き始めている。ただ、寝返りをする際はまだ痛みが強く出てしまう。また、痺れも同様で依然左足全体に感じていた。

7週目(7回目のアジャストメント)では、年末の大掃除でいままでよりもしっかりと動けた感覚があり、少し自分の体に自信を持てたと喜んでいらした。仙骨の動きも出始めて、神経圧迫も減少傾向である。

11週目(9回目のアジャストメント)では、普通に生活をしている分には、しびれが気にならなくなったとのこと。歩いていると少し痺れるとのことで、経過を追いたい。また、仙骨の圧痛や動きの悪さもとれたため、左のPIEXに骨盤はリスティングを変更する

16週目(11回目のアジャストメント)では、もうしびれや痛みはほぼなく、あっても元が10だとすれば1か2くらいまで減退している。また腰部の皮膚の質感が、以前までは乾燥していたが、上下と比較しても正常な皮膚の質感に近づいてきている。

22週目(13回目のアジャストメント)では、あれから再発することもなく日々生活を送ることができている。左の仙腸関節は動きが出てきているため、経過は良好と言える。朝も気持ちよく起床することができ、お孫さんと遊んだりしても、全く問題ないそう。

現在は、月に1回メンテナンスでケアを続けている。今後、大好きな劇の鑑賞に復帰できるようにしていきたいと目標を掲げている。


考察

この方は50代の頃から「腰部脊柱管狭窄症」と診断されており、最近になって左足にしびれや、つるような強い痛みが悪化してきたため来院されました。特に長く座っていると症状が強くなり、大好きだった観劇にも行けなくなってしまったことが大きなストレスになっていたそうです。

検査を行ったところ、腰の骨(L5)の椎間板に大きなすり減りが見られ、10年以上前から骨や神経に負担がかかっていた可能性があるとわかりました。また、首の骨(C5)にも同じような古いダメージがあり、背骨全体にわたって神経の働きが弱まっていたことが考えられました。

このような状態では、骨の隙間が狭くなり、神経が圧迫されて、しびれや筋肉のつりといった症状が出やすくなります。整形外科では牽引や注射での治療が一般的ですが、カイロプラクティックでは神経の働きを回復させ、体が本来持っている治る力を引き出すことを大切にしています。

今回は特に、腰の一番下の骨(L5)と骨盤の間にある神経の圧迫が症状の原因と考え、そこに集中的にアプローチをしました。

初めのうちは、左足全体のしびれや、寝返りすら辛い状態が続いていましたが、4回目のケアを終える頃には、骨盤の動きが少しずつ戻り、痛みも軽くなってきました。7回目のケア後には、大掃除をしても動ける感覚があり、ご本人も「これは希望が持てる」と前向きな気持ちに変わっていきました。

その後は、神経の回復にともなって「麻痺 → しびれ → 違和感 → 正常」という段階を経て、11週目には普段の生活でしびれをほとんど感じないまでに改善しました。骨盤のバランスも整い、新たな調整ポイントに切り替えていくフェーズへと入りました。

さらに注目すべき変化は、腰の皮膚の質感が明らかに良くなったことです。これは神経の働きが戻り、血流や代謝が良くなったサインであり、体の内側から変化が起きている証拠でもあります。

22週目には「もう一度観劇を楽しみたい」という目標を掲げながら、お孫さんと元気に遊べるほどに日常生活での不安がなくなりました。これは単に痛みが消えただけではなく、生活の質が大きく向上したことを意味しています。

今回のケアでは、痛みが出ている部分だけでなく、体の土台である骨盤と、神経バランスに大きく関わる首の骨(第一頚椎)を調整することで、体全体の神経の働きが整い、結果として腰の安定にもつながったと考えられます。

これからも月に1回のメンテナンスケアを通じて、神経の安定と体の柔軟性を保ち、「やりたいことを我慢せずに楽しめる体づくり」をサポートしていく予定です。

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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