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子供を抱っこした時から始まった腰の痛み、右のお尻からふくらはぎにかけての痛みとしびれ

子供を抱っこした時から始まった腰の痛み、右のお尻からふくらはぎにかけての痛みとしびれ

仕事に集中できるようになりました!

30代男性
主訴
腰痛、坐骨神経痛
来院に至った経緯

初診時、身体を引きずるようにして来院された男性。中学生の頃から慢性的な腰痛があり、野球部での練習に支障が出るほどだったとのこと。痛みをごまかしながらプレーを続け、なんとか中学まではやりきったそうです。高校・大学時代は比較的落ち着いていたものの、「腰の不安はずっと心のどこかにありました」と静かに話されていました。

転機となったのは育児でした。お子さんが生まれてからというもの、仕事と育児の両立で腰への負担がじわじわと積み重なっていたようです。そしてある日、子どもを抱き上げた瞬間──「ズキンッ!」と腰に電気が走るような激痛が走り、そのまま動けなくなったと話されました。

さらに症状は進行し、右のお尻から足首にかけてしびれと鋭い痛みが走るようになり、特に靴下を履こうと前かがみになる動作では「ズキッ」と突き刺すような痛みが繰り返し起こる状態。痛みの強さは時間帯による波もなく、1日を通してずっとジンジンとした違和感が続いているとのことでした。

過去には何度かぎっくり腰も経験されており、「そのたびに病院で痛み止めをもらって、何とかしのいできた」とのこと。しかし今回ばかりは様子が違った。2週間経っても痛みが引かず、仕事に集中できない日が増え、「このまま一生この腰痛と付き合うのか」という不安が頭から離れなくなったといいます。

「どうにかならないか…」という思いで、知人の紹介をきっかけに当院を受診されました。

初診の状態
  • 01

    腰の筋肉のこわばり 右>左

  • 02

    左短下肢

  • 03

    L4(腰椎の4番)~S3(仙骨の中心付近)領域まで浮腫感

経過と内容

椎間板のスペース自体はD2/3レベルで、仕事の終わる時間が日によって変わってしまうので来院できない日が出てくるとのことだったので、来院できる日に関しては来院していただく方針にさせて頂きました。

初回の施術では、筋肉のこわばりやむくみといった目立った変化は見られませんでしたが、体の神経の反応(体表温度の変化=ブレイク)に関しては、反応の幅が少し小さくなっており、わずかではありますが身体が変化し始めている兆しがありました。

3回目の施術では、腰回りのむくみ感が軽くなってきているのが確認できました。その後も回復は少しずつ進んでいき、7回目の施術ではむくみや筋肉の緊張が明らかに軽減し、ご本人も「痛みがだいぶ楽になった」とおっしゃっていました。初診時には10段階中「10」と最大レベルだった痛みが、この時点では「2」まで下がっていました。

8回目の来院時には、「仕事が立て込んでいて、少し痛みが戻ってきた感じがある」とのことでしたが、体の状態をチェックすると、むくみや筋肉の張り、神経の反応の乱れ(ブレイク)、関節の固さ(fix)も落ち着いてきており、「大きな問題はないので、心配しすぎなくて大丈夫ですよ」とお伝えしました。

11回目の施術では、痛みもほとんど感じない程度まで改善しており、神経や関節の状態もかなり安定してきていました。

12回目の施術は年内最後のケアとなりましたが、この段階で日常生活への支障はなくなっていました。ただし、神経の回復には最低でも3ヶ月、椎間板などの組織がしっかりと再生・安定するまでには半年ほどかかることを、初診時・5〜6回目・10回目のタイミングでもしっかりお伝えしておりました。

そのため、痛みが改善した後も再発防止や健康増進を目的として、年明け以降も定期的にカイロプラクティックケアを継続していく予定です。


考察

一般的な腰痛の治療では、まず痛みを抑えるために鎮痛薬が処方されることが多く、あわせて筋肉のこわばりを和らげて血流を良くする薬(筋弛緩薬)や、神経の回復をサポートするビタミン剤などが使われることもあります。また、湿布や塗り薬が出される場合もあります。

これらの治療で一時的に症状が軽くなることはありますが、「腰痛が起こっている原因そのもの」を取り除けていなければ、根本的な改善にはつながらないというのが現実です。

腰痛で悩まれている方の多くは、腰や骨盤まわりの筋肉が硬く緊張している状態です。この背景には、日常の身体的・精神的なストレスが大きく関係しています。人の体はストレスを感じると、それに抵抗するために“交感神経”が働き続けます。すると血管が細くなり、血の巡りが悪くなってしまいます。その結果、疲労物質がたまり、神経がうまく働かなくなり、「痛み」や「こり」「だるさ」「疲労感」などの不調が引き起こされるのです。

カイロプラクティックでは、この「神経の流れ」に注目しています。脳と体をつないでいる神経の流れに異常があると、脳は体の状態を正しく把握できなくなり、適切な修復指令を出すことができません。どれだけ筋肉をもみほぐしても、どんなに生活習慣を見直しても、神経の流れが滞っていれば体は本来の回復力を発揮できません。

逆に言えば、神経の通り道を整え、脳と体の連携が正常に戻ることで、体は自分で治る力を発揮しはじめます。脳が問題の場所をしっかり認識できるようになり、自然な修復と回復がスムーズに進むのです。

今回のケースでも、神経の流れを妨げていた要因(サブラクセーション)が取り除かれたことで、神経の働きが回復し、体本来の治癒力が働き始めた結果として、痛みやしびれの改善につながったと考えています。

細井 康隆

執筆者細井カイロプラクティック細井 康隆

埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。

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