婦人科疾患の腹部痛の為に、消炎鎮痛薬や漢方を内服するも、症状の改善がみられず、薬の副作用により湿疹や胃痛により代替医療を探していたところ、以前に施術を受けていた鶴沢接骨院を思い出し来院した。
頸部、背部、腰部の皮膚緊張、筋の過緊張
右項部過緊張、右胸鎖乳突筋過緊張
胸椎12番から腰椎3番浮腫
右仙腸関節可動域制限
初診時、令和5年7月、腹部痛と腰部痛により冷や汗と全身の過緊張により振戦がみられ、右項部緊張と制限、腰部後彎、右仙腸関節動作制限がみられた。
1週目(1回目のアジャストメント)痛み止めを内服しても、腰部痛により寝れなかったが一度も夜間目が覚めることなく就寝することができた。
母親の体調が悪化し介護がはじまり、ストレスと疲労により血圧が上昇(一時180/110、通常は100/70程度)、耳鳴り、不眠症状を発症する。アジャストメント後は一時的に症状改善するも一進一退が続く
12週目(14回目のアジャストメント)耳鳴り症状の軽減がみられ、日常生活では気にならなくなる。
15週目(27回目のアジャストメント)疲労感と腰部痛、全身倦怠感により外出することが困難であったが、ディズニーランドに外出ことができるようなった。
25週目(42回目のアジャストメント)1月5日母親の葬儀の後、続いていた耳鳴りと右奥歯が軋む感じが軽減した。
32週目(51回目のアジャストメント)頸部の疼痛、右腰部痛の軽減がみられるも、腹部痛および不眠、息苦しさ、多汗症状が残存した為にリスティングを変更する。
36週目(60回目のアジャストメント)息苦しさ、右背部痛が軽減し痛み止めをほぼ飲まなくなった。
45週目(74回目のアジャストメント)生理不順がなくなり毎月安定した日数となり出血量も正常となる、常時の胸の張りと疼痛が消失。
48週目(79回目のアジャストメント)腹痛が大分軽減し、日常生活の支障は少なくなる。婦人科にて、症状の安定がみられるために痛み止めを中止し、漢方のみの処方となる。
その後も、定期的なアジャストメントを希望されるために週1回のメンテナンスを行っている。
10代から婦人科の疾患を罹患しており、体の不調により全身の緊張や脱力ができず、疲労感や慢性的な痛みを訴えていた。40代から症状が悪化し、整形外科、漢方内科などを受診し治療を行っていたが、ロキソニンなどの副作用による湿疹や腹痛がみられ、色々な症状が重複していた。
カイロプラクティックを受ける以前に、鍼灸治療などを併用し症状の軽減を期待し施術を受けるも一進一退がつづいていた。
初診時、症状が、長期間、精神的な不安、薬による副作用などが重複することにより複雑化していたが、骨盤と上部頸椎の副交感神経アプローチを優先することにした。
初期の慢性的痛みによる過緊張の症状緩和がみられると、本来の原因である生殖器の機能低下による症状と考えられる腹部痛、血圧上昇、多汗、生理不順などが強く現れたために、原因へのアプローチ切り替えた。交感神経へのアプローチ後、徐々に症状の改善がみられ、患者だけではなく医師も症状の状態の改善を認め、薬の処方を変更したことからも効果があったと考えることができた。
今回の症例は、腰部痛と腹部痛の原因が自律神経の不安定から生じ、婦人科疾患に由来する症状でも対応することができると考えられた。
執筆者鶴沢接骨院香山 大樹
千葉県千葉市出身。柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師の資格を取得、整形外科、接骨院の勤務を経て、2008年6月に鶴沢接骨院を開業、外傷やリハビリを中心に勉強をしてきたが、臨床での不定愁訴への対応、根本原因へのアプローチを学ぶ為、シオカワスクールにて学びの機会を得て、カイロプラクティックの可能性に感銘を受け、現在インストラクターとして仲間とともにカイロプラクティックの素晴らしさを伝える為に従事している。