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姿勢不良による指の痺れ

姿勢不良による指の痺れ

50代女性
主訴
姿勢の悪さと左第5指の痺れ
来院に至った経緯

以前から、家族や友人から猫背を指摘されたり、電車などで椅子に座った際に膝を閉じてもすぐに膝が開いてしまい閉じた状態を維持できないことや、自分でも鏡をみて姿勢が悪いことは自覚していたが、睡眠とれていて、食欲はあり、婦人科などそのほかの問題はなく、日常生活に支障がない為に放置していた。

だが約2ヶ月前から徐々に体のこわばりや、疲れたときに呼吸の浅さを感じるようになり、痛みがでたらどうしようかと不安な気持ちを感じていた、しかし、一時的なものであろうと様子をみていた。

さらに1ヶ月前ほどから、突然、左の小指に痺れを感じるようになり、ピアノを弾く仕事をしているので、支障をきたすのは困ると思い、今度こそはと治療することを決心し、治療方法を探していたところカイロプラクティックのことを知り、施術を受けられる場所を探し当院へ来院された。

初診の状態
  • 01

    頭部前方位

  • 02

    肩上の過剰緊張(野牛肩に類似)

  • 03

    左足内反

  • 04

    O脚

  • 05

    両手指浮腫

経過と内容

初診時、頸部では、外見的に頭部が前方変位しており、肩の膨隆が強く緊張していた、右耳介が上方に変位がみられ胸鎖乳突筋過緊張、後頭部の浮腫、圧痛に対して過敏な反応がみられた。骨盤部では、右仙腸関節の浮腫、右腰部起立筋の緊張がみられた。体表温度検査では、上部頸椎、上部胸椎、骨盤部で反応がみられた。所見から副交感神経へのアプローチを選択した。

1回目のアジャストメント(1週目)では、後頭部の過敏な圧痛の軽減がみられた。

3回目のアジャストメント(5週目)では、座位で脚を閉じる状態を維持できるようになった、全体的な体のこわばりは軽減したが肩の張りを強く感じると訴える。

6回目のアジャストメント(11週目)では、頭部の前方変位の改善がみられ、患者自身でも姿勢の改善がみられると自覚するようになる、左指の痺れは継続しているが日常生活には支障がないとのこと。

10回目のアジャストメント(19週目)では、左第5指の痺れは消失し気にならなくなったとのこと、年末に仕事でピアノ発表会があり負担がかかるためか肩から背部の張りを強く感じると訴える。

12回目のアジャストメント(23週目)では、肩の張り、指の痺れも気にならず良い状態が続いているとのこと、発表会も満足のいく結果であり体の不安もない、継続してメンテナンスを希望され、現在も来院をされている。


考察

今回のケースは、自律神経による頚背部の過緊張および、骨盤の傾斜による姿勢不良が原因と考えられた。

自律神経は交感神経と副交感神経があり、血圧や体温、心拍、消化、代謝、排泄などを調整している。二重支配といって、どちらか一方が働いているときは、もう一方が抑制される。副交感神経は後頭部から上部頸椎、骨盤から分布される、サブラクセーションにより交感神経が過剰になるために、肩こりや呼吸の浅さ、焦燥感がみられたと考えられた。

また、骨盤が後傾すると大腿骨が外旋して膝が開いてしまう状態となってしまう、頭部は重心を補正するために前方変位することで頸胸椎部に負荷がかかり手の痺れが発現したと感がられた。

上部頸椎と骨盤のアジャストメント後、背部の緊張の緩和、姿勢の改善がみられ、症状が改善された。症状がでている場所だけではなく、神経の作用や骨盤からの原因がある箇所をしっかりと検査するために全脊柱をしっかりとみていくことが重要である。

香山 大樹

執筆者鶴沢接骨院香山 大樹

千葉県千葉市出身。柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師の資格を取得、整形外科、接骨院の勤務を経て、2008年6月に鶴沢接骨院を開業、外傷やリハビリを中心に勉強をしてきたが、臨床での不定愁訴への対応、根本原因へのアプローチを学ぶ為、シオカワスクールにて学びの機会を得て、カイロプラクティックの可能性に感銘を受け、現在インストラクターとして仲間とともにカイロプラクティックの素晴らしさを伝える為に従事している。

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