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夜尿症

夜尿症

小学校高学年になっても月半分のペースで起夜尿症が続いていた。

10代男性
主訴
夜尿症
来院に至った経緯

小学校高学年になっても月半分のペースの夜尿症が続き、治ることがなかった。

遡ると幼い頃から症状はあり、病院と相談して水を飲む量を調節したり、生活習慣を変えてみたりと色々なことを試みていたが変化はなく、むしろ成長につれて頻度がだんだん増えてきている状態だった。

病院で様々な検査を受けるも、現代医学では特に異常がないことを伝えられた。小学校低学年にかけて成長と共に治っていくと言われていたが高学年になっても頻度が増え続ける一方だった。現代医学に疑問を持ったお母様が様々な治療法を模索したが、これだと思えるものには出会えていない状況で、お子様、お母様ともに不安とストレスでいっぱいの日々を過ごしていた。

そんな中お母様が当院を受診された際、神経と脳のつながりの重要性を認識し、その後お母様のお身体がどんどん良くなっていったことで、もう治ることはないと諦めかけていたが「これなら効果があるかもしれない」と感じ、どうにかこの症状を改善してストレスから解放されたい、修学旅行に間に合わせたいということで一緒に来院された。

初診の状態
  • 01

    上部頸椎の緊張

  • 02

    仙骨全体の大きな浮腫

経過と内容

今回のケースでは、お子様・お母様共にストレスが日常生活でかかっている状態だった、お二人とも一刻も早くストレスから解放されたいという思いがあり、また修学旅行に間に合わせたいという思いから、学校はあるもののできる限り週一回のペースでケアを始めることにした。

5回目のアジャストメントの際には、徐々に仙骨全体にあった浮腫が軽減されてきているように感じた。
しかし、むしろ夜尿症の頻度は増えてきている状態だった。
しかし、仙骨のリスティングに確信を持っていたため、同じリスティングで続けていくことにした。

9回目のアジャストメント時には、アジャストメントがしやすくなってきており、浮腫もほとんどなくなっている状態だった。
上部頸椎の緊張もかなり抜けており音も軽くなってきていたが、まだ顕著な症状の変化は見られなかった。
3ヶ月が神経の回復周期だということも伝えていたため、もう少しがんばってみましょうということでまずは3ヶ月しっかりとケアをやり切ることにした。

13回目のアジャストメント時に、ついに変化が見られた。
1週間のうち6日間夜尿症がない状態が続いたとのことだった。
その後も夜尿症が完全にない状態はまだないものの、週5回以上は平均してない状態が続いている。
仙骨や上部頸椎の緊張・浮腫も安定してきているため、まずは修学旅行に向けてこれからも週1回のペースでケアを続けていくことにした。


考察

今回は夜尿症が長引いているというケースだった。
夜尿症は小児に多く見られる問題であるが、実は小児の問題は出産の際から始まっているケースも多い。産道は狭いため、自然分娩であったとしても首や腰に負担がかかり、神経伝達の異常を持った状態で生まれたことで様々な症状が引き起こされているというものだ。
夜尿症もそれが原因で起こることがあるうちの一つだが、成長につれて膀胱や脳が発達することで小学校低学年までに自然と治るケースも多い。
小児、特に乳幼児は膀胱のコントロールがまだできないため、無意識のままに排尿する反射排尿を行っていることに加え、膀胱にある程度尿がたまった段階で無意識のうちに膀胱が収縮する無抑制収縮を起こすこともあり、これによって突然強い尿意を感じてしまうため、トイレに駆け込んでも間に合わなかったり寝ている間に排尿が行われていたりすることがある。

今回は小学校高学年になっても症状は治らず、むしろ頻度が増えてきているというところから、神経の伝達異常が放置されたままになっていると考えられた。
検査の結果、上部頸椎と仙骨の副交感神経領域にはっきりとした神経伝達の異常が見つかった。

膀胱の機能は自律神経によってコントロールされている。
今回は副交感神経領域の神経伝達の異常が顕著に見られたが、これによって自律神経のバランスが乱れその結果交感神経が過剰になっていたことで膀胱が過剰に収縮してしまい、寝ている間に尿をしっかりと溜めることが出来ていなかったことも夜尿症の原因となっていたと考えられる。

小児の問題では上部頸椎と仙骨に問題が見られることが多い。
最初の3ヶ月は大きな変化が見られなかったが、神経の回復サイクルである3ヶ月間を根気よくアジャストメントを続けていったことで神経と脳がつながり、膀胱や尿道から来る情報を脳が感知できるようになり、尿を我慢する・トイレに行って排尿するといったこともコントロールできるようになった結果、症状の改善に至ったと考えられる。

高島 克哉

執筆者塩川カイロプラクティック治療室高島 克哉

神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。

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