最近、火照ることがなく生活しやすいです!
患者の主な悩みは、閉経に差しかかった頃から強く出始めたホットフラッシュである。日中でも突然、顔や上半身がカーッと熱くなり、大量の汗が吹き出してしまうため、人前に出るのが怖くなることもあった。外食や仕事の打ち合わせなど、周囲の視線を意識する場面では「また起きるのではないか」と不安に駆られ、気持ちも落ち着かなくなることが日常的にあった。夜間も同じように急なほてりで何度も目が覚め、熟睡できない日が続いたため、朝から疲れが取れず気力も湧かない状態であった。
さらに右手母指のしびれや慢性的な肩こり、若い頃に骨折した右鎖骨の影響で残る身体の歪み、首のストレートネックなど、複数の身体的な問題が積み重なっており、首や肩の緊張は自律神経をさらに不安定にさせ、ホットフラッシュの症状を助長しているように感じていた。こうしたつらさから、年齢のせいだから仕方がないと諦めかけたこともあったが、生活の質を取り戻したいという思いが日に日に強くなった。
最終的に、妹が当院でヘルニアの症状を改善した経験を間近で見たことが後押しとなり、自分もカイロプラクティックの力で根本から身体を整え、ホットフラッシュや身体の不調を軽減したいという思いで来院を決めたのである。
右胸鎖乳突筋の過緊張
C7を中心としたブヨブヨとした浮腫感
L2~4棘突起周辺のくぼんだ浮腫
ホットフラッシュにより汗をかいている
右母指の痛みと痺れ感
初診時には腰部側面像においてL5の椎間板はD2とサブラクセーションが発生してから、半年ほど時間が経過していることが確認できる。
頚椎側面像において、C5,6の椎間板はD3とサブラクセーションが発生してから、5~10年程度の時間が経過しており、こちらは慢性化していることが確認できる。
そのため、初期集中期として週に2回のケアを推奨するも仕事の都合上、週に1回のケアで開始した。
3週目(3回目のアジャストメント)では、ホットフラッシュはまだ目立っている。C7を中心とした浮腫も残存。一方、右親指の痺れはまだ感じるものの、くっきりとした鋭い痺れからぼんやりとしてきて和らいでいる感覚があったとのこと。C1横突起周辺の浮腫が小さくなっている。
5週目(5回目のアジャストメント)では、右親指の痺れや動きはこれまでになく良い感じがするとのことであった。現に第一頚椎の温度測定の結果は以前よりも良好であり、浮腫も目立たない。
これまで継続的にみていた骨盤、そして第一頚椎は以前よりも、可動域制限も以前よりも感じず、浮腫感や緊張もない。
しかし、ホットフラッシュに関しては一向に変化も見られなかった。C7の浮腫が全く変化していないこと、そしてL3周辺の浮腫感や緊張も変化していないことを鑑みて、頚椎7番と腰椎3番へのアプローチに変更した。
7週目(7回目のアジャストメント)では、ホットフラッシュが目立たなくなってきたとのこと。実際、体表温度測定の結果では、頚椎7番と腰椎の3番は以前よりも良い状態に変化してきている。季節が少しずつ秋に近づいていることもあるが、まだまだ残暑も厳し中、汗をかきにくくなってきたことを体感されていた。変わらず親指の痺れや可動域制限は良い状態を保てている。
15週目(11回目のアジャストメント)では、ホットフラッシュはもうほとんど感じなくなった。頚椎の浮腫感は以前よりも良いがまだまだ残存している。慢性的である頚椎に関してはじっくり経過を追いたい。腰椎に関しては、可動域も十分に広がり浮腫感も軽減。親指の痺れも落ち着いている。
現在は2週に1回のペースで、ホルモンバランスを整えること、そして仕事が忙しくなると痛む右手親指のメンテナスを含め来院を続けている。
患者は50代の女性で、主な悩みは強いホットフラッシュ(更年期のほてりや発汗)でした。
夜は汗で何度も目が覚めてしまい、日中も急に体が熱くなって集中できないことが多く、生活に大きな支障が出ていました。さらに、親指のしびれも併発しており、仕事での疲労感が重なっていました。
初診時には首の一番上の骨(第一頚椎)と骨盤に神経の流れが阻害されている箇所(サブラクセーション)があり、副交感神経に関わる部分を中心にケアを行いました。その結果、親指のしびれは改善しましたが、ホットフラッシュの症状にはほとんど変化が見られませんでした。
そこで第5回目以降は、首の付け根(第7頚椎)と腰骨(第3腰椎)にアプローチを変更しました。すると、夜中の発汗は大幅に減り、日中のほてりも著しく改善。患者さんは「久しぶりにぐっすり眠れるようになった」と喜ばれました。
ホットフラッシュは、更年期に伴うホルモンの変化で起こります。女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、脳の「体温調整のスイッチ」がうまく働かず、体が暑くなくても急に汗をかいたりほてったりします。
この症例では、最初に副交感神経に関わる部分を整えたことでしびれは改善しましたが、ホットフラッシュには効果が出ませんでした。そこで、全身の代謝に関わる第7頚椎と卵巣機能と密接な関係のある第3腰椎を整えたことで、ホルモンバランスや自律神経の働きが整い、症状が大きく改善しました。
原因がわからず、漢方やホルモン補充療法で改善がみられなかったような方々に対して希望となり得ることがわかりました。

執筆者塩川カイロプラクティック関野 貴友
1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。