仕事で長時間の前かがみの姿勢が続くと右足にシビレが出る
朝起きると突然、腰から足に呼吸ができないほどの坐骨神経痛が走り、右足全体にシビレがでた。
あまりにも痛みがひどく救急車で病院に運ばれ、診断結果から手術を勧められた。病院では、痛み止めや点滴やブロック注射の治療をしてきて、少しずつ歩けるようになってきたが、完治することは無かった。その後、日常生活や仕事にも支障が出て来るようになり、職場の上司からの紹介で来院する。
腰部から臀部の筋の緊張
腰部の可動域制限
右下肢全体の硬直
レントゲンの評価から、腰椎5番の椎間板がD3レベルの状態であり、後方部の椎間板スペースの狭まりが確認された。また、骨盤には大きな捻じれも生じていたので、初期集中期(初診日から1ヶ月)を週2回のケアを始めることになった。
ケアを始めて1週間半(3回目のアジャスト)には、痛みの質や強さが変化し始めた。その後も1ヶ月は週2回のケアを続けた。身体の状態が改善方向に向かい、アジャストメントの保持が可能になったため、健康回復期(初診日から2ヶ月)には、週1回のケアを行った。
仕事で長時間の前かがみの姿勢が続くと右足にシビレが出ることもあったが、休息をすると改善するようになった。ケアを始めて3ヶ月後(17回目のアジャスト)には、痛み引いて日常生活で支障が出ることは無くなった。現在では、2ヶ月に1回のメンテナンスを行っている。
腰椎5番の椎間板がD3レベル、最低でも2~5年くらい前から腰にサブラクセーションが存在していたことが考えられる。仕事で長時間の前かがみの姿勢によって腰に負担が掛かっていたことが今回の右足にシビレや痛みが出るきっかけになったと考えられる。
初診時では、右仙腸関節の可動域制限が確認され、骨盤部のサブラクセーションによって、常に左右の骨盤のバランスの乱れが生じ、歩行時に腰部の椎間板に余計なねじれなどの悪影響を及ぼしていたと考えられます。
また、サブラクセーションによって脳が腰部や骨盤部の状態を把握できない状態が続くことで、休息をしても一向に改善する事はなく、負担が蓄積されて行ったと考えられる。骨盤部に対してのアジャストメントを行ったことによって、正常な可動性が復元し、筋の緊張も解消され、神経伝達が正常に行われたことによって疼痛の改善につながった。
体の状態を脳がしっかりと把握することが可能になり、生理前の体の不安定や季節の変わり目の寝つきの悪さや人混みの中での緊張などの自律神経の問題も解消されていった。
執筆者塩川カイロプラクティック治療室塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。