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坐骨神経痛・足底腱膜炎

坐骨神経痛・足底腱膜炎

50代男性
主訴
坐骨神経痛と足底腱膜炎
来院に至った経緯

国内外の出張が多く各地を転々としていて、休みもあまり取らずに仕事をしてきた。
2023年末の雨の日に出張があり、新幹線に急いで乗った際に滑って転倒し左臀部を強打した。その日以来、左臀部から太ももまで続く坐骨神経痛に悩まされてきた。その後はマッサージなどに通ったり毎日ストレッチをしたりして和らいではいたものの、完治には至らず。
遠くに長時間の座り姿勢や趣味のゴルフをやった後などに痛みが出ている状態だった。
またその約1年後に左足底腱膜炎を発症し、特に寝起きでかなり強めの痛みが起こる状態だった。

あまりに長い期間で坐骨神経痛が続いており、足底筋膜炎も発症してきたため体の危機を感じ、マッサージなどに通ったりもしたがどれも対処療法に感じた。
あまりにも毎日の不快感が強く、何か手はないかと探していたところHPで当院を知り来院された。

初診の状態
  • 01

    腰部左起立筋の過緊張

  • 02

    朝に左足土踏まずの痛み

  • 03

    ふくらはぎの過緊張

  • 04

    左太ももまで続く坐骨神経痛

経過と内容

最初の1~2ヶ月は週1回のペースでケアを続けていきましょうと話しており、6回目のアジャストメント時点では左仙腸関節の動きは改善傾向にあり、腰部左起立筋の緊張も抜け初めていた。その結果、坐骨神経痛は範囲や頻度が初診時よりは少なくなってきているとのことだった。
それに伴い体表温度検査での針の振れも小さくなってきていたが、足底腱膜炎に関しては特に大きな変化はなく毎日のように強い痛みがある状態だった。また、アジャストメント後の10分のレストから起き上がる際でも痛みはある状態で、下腿三頭筋から足底筋膜にかけての緊張がものすごくあった。

7回目のアジャストメントから足首のアジャストメント(踵骨・距骨)も入れ、ケアを続けた。
すると8回目の来院時には1日だけではあったが痛みがない日があったとのことで、その日はレスト後の痛みもない状態だった。
骨盤部の緊張や可動制限はかなり抜け始めており、足首も少し動きやすくなった気がするとお話しされていた。
その他にも、ゴルフ時に気にせずプレーをできる状態になり、その翌日も坐骨神経痛や足底腱膜炎も感じにくくなってきているとお話しされていた。

そこからは順調に経過が良くなり始め、10回目のアジャストメント時には毎朝あった痛みが1週間のうち1日程度感じるほどに減少してきていた。坐骨神経痛も長時間の座り作業後以外は感じることがなくなり、日常生活や仕事も大きな不安なくできるようになってきた。
骨盤部のサブラクセーションはほとんど消失し、足首の動きも出てきていて、徐々に下腿三頭筋の筋緊張も抜けてきていた。
また、仕事上会食が多くお酒を飲む頻度が多いとのことだったが、肝臓の状態も良くなってきて二日酔いにならなくなったり、会食の翌日も体のダルさがないとアジャストメントでの変化を実感している様子だった。

現在はさらなる状態の向上を目指し、1~2週間に1回の頻度でケアを続けている。


考察

今回の患者は足底筋膜炎だけでなく、坐骨神経痛も同時に発症していた。
そもそも足底腱膜はかかとの骨の下側と指の付け根をつなぐ足裏の正常なアーチの形成を支え、ばねを与えるのに欠かせないものであり、そこに繰り返し負担が積み重なることで損傷や炎症を起こしたものが足底腱膜炎と言われている。
足底腱膜炎の主な原因として、陸上競技などのスポーツなどで負担がかかるケースや下腿三頭筋やアキレス腱などの柔軟性の低下、普段座っていることが多いなどが考えられ、その他踵骨に骨棘ができてしまうこと痛みが発生するケースもある。
症状の特徴として、朝起きたときやしばらく休んでからの一歩目など、安静後の始動時に痛みが出やすいという点が挙げられ、好発部位はかかとである。

またて足底腱膜炎や膝上まで続く坐骨神経痛は骨盤部のサブラクセーションの可能性が考えられるが、今回のケースでも同じように当てはまり検査では骨盤部のサブラクセーションががはっきりと確認できた。
仙腸関節にサブラクセーションがある場合、逆側の仙腸関節はそれを補正するため動きが過剰になる。それにより日常生活でも常に骨盤部にねじれの動きが発生し、腰椎5番の椎間板に負担をかけ続けている状態だった。左仙腸関節のアジャストメントを続けていくにつれて骨盤部のサブラクセーションが取り除かれただけでなく、仙腸関節の動きが安定し始め左右均等に動くようになり、その結果腰椎5番にかかる負担が減ったことも坐骨神経痛の範囲や頻度にに変化が見られた要因だと考えられる。

また、股関節や膝、足などの四肢の問題は骨盤部のサブラクセーションにより負担がかかって発生するケースが多い。
骨盤部は副交感神経エリアにあり、副交感神経がサブラクセーションを引き起こすことによって交感神経が過剰になり、必要以上の筋緊張を起こしてしまうケースも多く見られる。
今回の足底腱膜炎については、骨盤部のサブラクセーションが取り除かれたことで体と脳のやりとりがうまくいくようになり人間の本来持つ自然治癒力が最大限発揮されたことに加え、副交感神経が安定してきたことで下腿三頭筋エリアの筋緊張が抜けやすくなってきたり、四肢にかかる負担が少なくなってきたことも症状の改善につながる要因だったのではないかと考えられる。
ご自身でもストレッチをはじめとするセルフケアを行ってもらったこともより回復を加速させた要因だった。

高島 克哉

執筆者塩川カイロプラクティック治療室高島 克哉

神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。

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